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田崎正巳のモンゴル徒然日記

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2020.05.02
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で、表題のかまぼこです。

かまぼこは日本古来の食品で、その原料は魚のすり身であることはご存知の通りです。

かまぼこがかまぼこである時代は良かったのですが、1972年に「カニカマ」の原型である「かにあし」が石川県のスギヨという水産会社から発売されてから、単なる日本の伝統食品ではなくなったのです。

この発売以降、新潟の一正蒲鉾の参入などもあり日本国内での市場は急拡大したものの、競争もし烈になり海外へも進出したのです。従来のかまぼこにはほとんど反応を示さなかった海外市場も、カニカマには関心を示しました。

当初は韓国や中国の一部などが輸入したりしていましたが、やがて欧米で「ヘルシーフード」として脚光を浴び、非常に売れるようになったのです。

すると韓国の業者が生産をし始め、安値で欧米市場を荒らしまわり、日本のメーカーがなかなか勝てなくなっていきました。

更には欧米での現地生産が始まるや、カニカマは本格的なグローバル商品になって行ったのです。カニカマのグローバル化は一見良さそうですが、段々日本企業の出る幕はなくなってきました。

本当の意味で儲かった日本企業はカニカマ製造会社ではなく、カニカマを製造する機械を作る会社でした。世界中の総菜関係の会社がカニカマ製造機械を日本に買いに来たほどです。

で、どうなったか?カニカマの原料であるすり身が高騰して、日本企業がなかなか手を出せないほどになったのです。

ちなみにカニカマのことをアメリカでもヨーロッパでも「スリミ」と呼んでます。日本では原料をすり身と呼びますが、欧米では製品をスリミと呼ぶのです。

日本におけるかまぼこやカニカマは「大衆商品」ですから、なかなか高い値段では売れません。他方、欧米は「ヘルシーフーズ」であり、新しい食品なのでもともとの値段の意識がなく、多少高くても売れるのです。

結局、日本は世界の海ですり身の仕入れで負けてくことになりました。一時は、かまぼこの値段が5割も10割も値上がりした時期があるほどで、結局原料そのものをもっと安い魚に変えてなんとか耐え忍んでいます。

つまり、もともとはかまぼこは日本人専用の食べ物で、世界のすり身の9割ほどを購入してたのですが、今ではその比率がどんどん低下し、いいスリミは欧米に負ける状態になってしまったということです。

で、マスクです。

ご存知の通り欧米人はマスクをする習慣はありませんでした。トランプ大統領も当初はマスクをするのは変だとか言ってたり、ヨーロッパでマスクをしているアジア人が差別されたりするほどでした。

アジア人の需要だけなら、中国、日本、韓国で生産するマスクで工場が再開さえすれば供給能力は十分あったのです。

が、スリミの例でわかる通り、欧米人が使うことになってしまったのです。ヨーロッパとアメリカで合計10億人以上の購買力がある人々が購入競争に参加してきたのです。

こうなると、急激な需要増に供給は追いつけなくなり、なかなかマスクは日本に入ってきません。しかも日本は昔から使っているので「使い捨てマスクなんて1枚10円?20円?」みたいな意識が残っており、50円も70円もすると買えません。

なので、どんどん仕入れ負けする現象が起きるのです。「かまぼこって安い食品」と頭に残っている日本人が買い負けるのと同じ構造です。

つまり確かに現在のマスク不足は中国の工場が止まってしまった影響はありますが、中国が全面的に生産回復してもなかなか日本には回ってこないことになるのです。

しかも、値段は当面は高止まりするでしょうね。人口大国のロシアも欲しがっていますし、いずれアフリカだって欲しがりますか。

マグロの美味しさを欧米人や中国人に教えてしまったゆえに、なかなかいいマグロが手ごろな値段で買えなくなったのも、同じ構造なのです。

日本食を売り込むのはいいですが、結局しっぺ返しが来るのは、日本人の消費者だということです。





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Last updated  2020.05.02 19:25:00
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