モンゴルの新型コロナ対策の強化が発表されました。モンゴルとの交流の多い方々でも今年はほとんどモンゴルに行くことはできなかったと思います。
新型コロナ関連について、日本大使館からの情報並びに現地からの最新情報をご報告します。
まず、日本大使館からの在留邦人への通知メールから抜粋します。
「モンゴル政府は、新型コロナウイルス感染症のリスクを最小限にとどめるため、災害防止法に基づき、11月12日午前6時から11月17日午前6時までの間、従来の高度警戒準備態勢を格上げし、全国警戒態勢に移行する決定をしました。(災害防止法には、警戒度の高い順に、1.非常事態、2.全国警戒態勢、3.高度警戒準備態勢の三段階が定められています。)
これに伴い、ウランバートル市は、昨日に引き続き、本日12日にも新たな市令(ウランバートル市令A/1242)を発出し、市民生活に関連する防疫措置を次のとおり発表しました。ウランバートル市によれば、同市令の運用は11月17日までを想定していますが、市中感染の状況によっては運用期間を延長する可能性もあるとのことです。」
とあります。前日の市令は同じような内容でしたが、さほど詳細ではありませんでした。が、12日のはかなり細かいです。基本的には、必要とされる事業等以外のウランバートル市内での活動はこの期間中は停止されるということです。必要とされる事業は列挙されていますが、13項目もありますが、下記の通りご紹介しまします。
以下は、「許可される事業」です。
1 報道、通信、郵便
2 電気、暖房、水道の供給、下水処理
3 石油製品、燃料の供給
4 食品の製造、販売、輸送、配送、提供(ハイパーマーケット、スーパーマーケット、ミニマーケット、食料品店、卸売店、倉庫型店舗、食料品市場、家畜及び動物用飼料)
5 保健機関、薬局、薬品及び医療機器供給機関
6 ゴミ・廃棄物の清掃、輸送、収集、処理、野良犬及び野良猫の駆除
7 消毒、滅菌、公共トイレ
8 銀行関連の会計
9 葬儀
10 越冬準備のための干し草貯蔵、ブリケット燃料製造、供給、配送、特別許可を持つ機関の燃料輸送
11 裁判所、検察機関
12 特別な役割(防災、専門監察、警察、軍、税関、税、自然保護、国家登録、外国人・国籍問題、外交、その他の特別な役割)を担う機関
13 国家に係る特に重要な又は戦略的に有益な機関(外交団、国連事務所、ウランバートル市交通管理センター、ウランバートル鉄道、チンギスハーン国際空港、ビオコンビナート国営工場、基準・測定センターの中央棟、貴金属サンプル検査機関、国家データセンター付属リソースセンター)
と、たくさんあります。モンゴルらしいのは、「越冬準備のための干し草貯蔵」や「野良犬及び野良猫の駆除」などでしょうか?
更に興味深いのが、
● 公共交通機関の稼働時間を午前6時から午前10時まで及び午後5時から午後10時までとする。
● 活動が許可されていない事業者の車両が検問所を通過することを制限する。
● アルコール販売許可を持つ食料販売店(ハイパーマーケット、スーパーマーケット、ミニマーケット、食料品店)の営業時間を午前7時から午後9時まで、食料卸売り店、倉庫型店舗、食料品市場の営業時間を午前6時から午後7時までとし、制限された期間中はアルコール販売を禁止する。
です。
ここで突っ込みたくなるところを一つ。ウランバートル市内の道路は非常に渋滞しており、バスは始発から終着まで1時間以上かかる路線はざらにあります。例えば、午前9時半に乗ったバスがまだ終着地まで30分以上あるのに午前10時になったらどうするんでしょうか?
警察が走行中のバスを見つけて停止させ、乗客全員を降ろして営業停止にさせるのでしょうか?昼間ならまだいいけど、夜のバスが10時過ぎたらどうなるんでしょうか?
日本人の感覚なら「そのくらいは大丈夫でしょう」と思うところですが、こういう厳しい管理の時にはモンゴルは「社会主義の顔」が出てくることがあるので、もしかしたら10時過ぎたバスは見つけ次第停止させるような気がします。どなたか現地の方わかりませんか?
さて、問題はどうして急にこうした全国警戒態勢を発することになったのか?
(続く)