田崎正巳のモンゴル徒然日記

2022/04/15(金)23:38

FaWファッションワールド東京に行ってきました。(2)

日本とモンゴル(経済・ビジネス)(201)

今回の3日間の展示会を通じて、私にとっては予想以上の成果というか反応があったように思います。もしかして私自身の「予想」そのものが低すぎたのかもしれません。 昔経営していた食材貿易会社でFOODEXという日本最大の食品展示会に出展していた経験があったのです。その時の印象は、出展料が高い割には成果は乏しいな、たくさん訪ねてくるけど、ほとんどが見るだけ、みたいな印象があったからでしょう。 今回の経験では、訪ねてくる人数はその時の経験よりも少ないですが、かなり真剣に興味を持たれた方が多かったという印象です。ファッション展示会とはいえ、有名な大手はほとんど来訪はありませんでした。 そういうところは、すでに多くのメーカーや海外サプライヤーが訪れているから、わざわざ出てこないのかもしれません。その分、中小企業や個人でビジネスを立ち上げられている方々からの真剣な問い合わせが多かったです。 また展示品をサンプルとして買い上げたいとの要望も結構あり、モンゴルのカシミヤに対する期待を感じました。特に感じた傾向が「ナチュラル」「オーガニック」「無着色」などの自然志向です。 私は「ファッション」なので、当然、品質に加えて色やデザインが重要なポイントになると思っていましたが、どうもそうではないようです。20年前にモンゴルで見た時のカシミヤは全然ファッショナブルではなく「なんだか昔のラクダのもも引き」みたいな色合いだと思っていたナチュラルカラーが、今回の展示会では結構人気でした。 幸いと言っては中国には失礼ですが、内モンゴル産(=中国産)のカシミヤがいろいろ事件を起こしたこともあり、安心安全のモンゴル産への評価は高いように感じました。恐らくコストでは中国産にはかなわないでしょうが、自然の良さという点ではやはりモンゴル産のほうが評価されそうです。 こういうところで経験していると、その業界の方々には誰もが知っている常識を新たにわかったりして楽しいこともあります。昔、冷凍食品会社を経営していた時にエビのサイズを知ったことを思い出しました。繊維の世界では糸の大きさ(太さ)を番手と言います。多くのお客様に「この番手はいくつ?」と聞かれたのです。その番手の測り方がエビと似てるなと思ったのです。 繊維の場合、綿か毛で計算基準は違いますが、毛の場合はこんな感じです。 1kgの重さで1kmの長さを「1番手」とする。 つまり、1kgの重さで2kmの長さになる糸は「2番手」。 結果、1番手は2番手よりも太い糸ということになる。 26番手は1kgの重さで26kmの長さになるということで、ずいぶんと細いことがわかります。私が商品説明をしたカシミヤは2/26というもので、26番手の糸を2本一緒に合わせて織り込むものです。 これが綿の糸の場合は、1ポンド(453g)の重さで840ヤード(768m)の長さが1番手で、1ポンドで1680ヤードが2番手となります。これが麻番手となると、1ポンドの重さで300ヤードが1番手となりますので、ちょっとややこしいですね。 エビの場合は、1ポンドあたりのエビの匹数で大きさが表示されます。8/12は1ポンド当たり8匹から12匹ということです。私はエビに関する会議に初めて出た時「えー、エビの値上がりが最近顕著で、特にじゅうろくにじゅうが品薄になっています。」という発言を聞いて「え?じゅうろく?数字?16のこと??」なんて思ったもんです。なので、今回の番手を思い出したわけです。数字が小さいほうが大きい(太い)というのも番手に似ています。 1ポンド当たりということから察すると、イギリスでできた基準でしょうか?面白いのは、エビの大きさOcmとか、糸の太さ△mmなどと直接計測せずに、1ポンド当たりで換算するという考えです。確かにこれのほうが一つ一つ計測するよりやりやすく合理的だと思いました。 今回出展した店に限らず、モンゴル産のカシミヤ、はちみつ、馬肉、岩塩、チャッツラガンなど、日本でも人気が出ることを期待しています。 (完)

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