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カテゴリ:日本とモンゴル(文化・交流)
白鵬退職のもう一つの理由は相撲協会との問題であり、より根深く複雑であると思われる。私には相撲協会というよりは、理事長である八角親方と白鵬の対立のように見える。 今日の内容は北勝海時代からの話で、読んでいる途中に「あれ、白鵬退職の話じゃないのか。」と思う方もいるかもしれない。白鵬の記者会見以降、多くの解説記事がネット上にあるが「功労者をそこまで追い詰める必要はあったのか」「まるで協会が白鵬を追い出そうとしていたのはなぜか」という疑問には、どれも答えていない。
八角親方は現役時代は横綱北勝海ではあったが、歴代最強の1人とも言われた兄弟子の横綱千代の富士の陰で目立たない存在であった。千代の富士が引退した後も、マスコミ的には人気者親方の北の富士よりも影が薄いほどだった。悪い意味ではなく、それだけ控えめな性格に見えたということである。 それが変わったのは、2015年に北の湖親方の急死を受けて急遽八角親方が理事長代行になってからである。通常、理事長選挙は現理事長の退任が近づくと、政治家のように票集めに奔走する。政治家は派閥単位が基本だが、大相撲は一門が中心となって票集めに躍起になる。 ところが現役理事長の急死で、各一門は誰を理事長候補にするかさえ話し合う時間もなかった。なので場所中であった現理事長の死後直後に、協会挨拶で代読をした八角親方がとりあえずの理事長代行となった。 ところが理事長になった八角親方は違った。超保守的で八百長問題などに対する外部の声にもほとんど対応せず、改革を求める声はほとんど無視した。 八角親方には一種のトラウマがあったと思われる。現役時代は常にスーパースター千代の富士の陰に隠れて目立たなかった。目立たないだけならいいが、スーパースターの発信力は凄まじく北勝海が何を発信してもほとんどかき消されてしまう。 偶然に近い形で理事長になった八角親方は理事長職の意外なほどに「旨味」があることを知り、着々と周囲を歯向かわない親方たちで固めていった。潜在的にその地位を脅かす可能性があるスーパースターは、千代の富士と朝青龍が不在となった後にはあの二人しかいない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2025.06.13 17:02:18
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