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2018.04.28
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カテゴリ:映画
​​​​​​​​​マーベル・シネマティック・ユニバースが誕生してから10年が経ち、その集大成ともいえる映画が遂に公開されました。『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』は、アイアンマンやキャプテン・アメリカと言った従来のアベンジャーズメンバーに加え、スパイダーマン、ドクター・ストレンジ、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、ブラックパンサーが結集するという、間違い無く映画史で最も壮大な作品でしょう。この一大潮流に乗らないわけには行かず、事前に映画館の座席を予約し、仕事帰りにレイトショーで観に行ってきました!
その結果…今作は​今世紀最大の衝撃作​であることが分かりました。
※ネタバレ注意!



まさかのアベンジャーズ敗北。そして主役級ヒーローが次々と死んでいく。
あのラストは衝撃的過ぎました。誰がこんな結末を予想できたでしょうか。サノスがいかに強くとも、インフィニティ・ストーンが全部揃おうとも、なんだかんだでアベンジャーズが勝利、もしくは引き分けになるに違いない。そんなことを思っていましたが、甘かったです。情け容赦ないサノスの信念は、地球最強のヒーローを完膚なきまでに叩き潰したのです。
先月に一大旋風を巻き起こし、スターウォーズを超え、北米史上歴代3位の興行収入を叩き出したブラック・パンサーでさえ、あっけなく無に消えました。ソニーと協業し、やっとのことでMCUに参戦したスパイダーマンも、虚しく散りました。70~80年代の音楽とユーモアで多くの観客を笑わせたガーディアンズ・オブ・ギャラクシーも、木端微塵になりました。まさか、マーベル10周年記念作品であり、ヒーロー大結集という「お祭り」の側面もあるアベンジャーズシリーズで、ここまでの虚無感・喪失感を感じることになるとは、夢にも思いませんでした。

もちろん、思わず笑ってしまうコメディ要素や、熱く燃え滾るような盛り上がりシーンも沢山ありました。非常に多くの登場人物がいるにも関わらず、どのヒーローも有機的に物語に関係しており、「とりあえず出しておきました」という無駄なキャラクターが1人もいませんでした。アントマンやホークアイが欠けていますが、手持ち無沙汰なキャラクターを敢えて出演させないというのは、良い判断だと思います。アベンジャーズシリーズの魅力である「主役級ヒーロー同士の掛け合い」「コンビネーション技」もバッチリ魅せてくれるので、あの結末を迎えるまでは、非常に爽快感ある映画でした。


ですが、多くのヒーローが命を落とすあの結末こそ、今作を傑作の域に高めていると言えるでしょう。​「勧善懲悪で、善が必ず勝つ」というヒーロー映画の伝統と常識を、粉々に打ち砕いた​のですから。この兆候は『シビルウォー:キャプテン・アメリカ』で既に芽生えつつありましたが、インフィニティ・ウォーでここまで一気に推し進められることになるとは・・・。

それを可能にしたのは、サノスを「単なるボスキャラ」とせずに、宇宙平和のために己の信念を貫き通す裏のヒーローとして描いたことにあると思います。サノスは人口超過によって宇宙の資源が枯渇し、格差社会が生まれることを憂い、あらゆる惑星の人口を半減させることで、それを解決しようとします。あまりにも画一的で乱暴な解決策ですが、それはあくまでも「解決策」です。サノスは自分のやり方で、アベンジャーズが目指しているものと同じ「平和」を創り出そうとしただけなのです。

そして、アベンジャーズは「平和」への覚悟の差で、サノスに敗北したのだと思います。
サノスは自らの理想の実現のために、己の愛する娘を殺すことまで厭いませんでした。最後、サノスは全宇宙の半数の生命体を死に追いやり、彼なりの「平和」を実現しますが、そこに高揚感はなく、「私は成し遂げた。しかし、全てを失った」と切なげに呟くのみです。彼は全てを犠牲にしてまで、平和を追い求めていたのです。

対するアベンジャーズは、その覚悟が足りなかったのだと思います。​「平和」、すなわち最大公約数的な善を選ばず、個人的な善を選びがちだったように見受けられます。​
ソーを守るために、スペース・ストーンを差し出したロキ。
ネビュラを守るために、ソウル・ストーンの在処を教えたガモーラ。
ガモーラを殺された怒りを抑えきれずに暴走し、作戦を台無しにしたスター・ロード。
トニー・スタークを守るために、タイム・ストーンを差し出したドクター・ストレンジ。
確かに、仲間を思いやる美談として、これらは記憶されることでしょう。しかし、MCUはもうそんな単純な世界ではなくなってしまったのです。自分が傷付くこと、愛する者を失うこと、これらを恐れないほどの覚悟があったサノスに負けたことは必然と言えます。もっと砕けた言い方をするなら、腹をくくった者と、くくれなかった者の差は歴然ということです。ガモーラをソウル・ストーンのために差し出したサノスの涙は、これを強く印象付けます。

「命に大小はない」これは劇中で印象に残る台詞のひとつですが、これを踏み外してしまったのは、サノスではなくアベンジャーズの方です。身近な者の命を大とし、その他を小としてしまったのですから。『inFamous』という少し昔のゲームで主人公は、彼女一人かその他多くの市民か、どちらか一方しか助けられない状況で、どちらを助けるかの2択を迫られることになるのですが、アベンジャーズはこれに前者で回答してしまったのです。このゲームはプレイヤーの選択によって善悪ゲージが溜まるのですが、前者は悪ゲージが、後者は善ゲージが溜まることになります。
しかし、これを誰が責められるでしょうか。ヒーローである以前に人である彼らに、その選択はあまりにも酷です。故に、『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』は現代の悲劇であるとも言えます。人間の弱さを炙り出し、人間性の限界を暴露したのですから。

このように、『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』は、単なるお祭り映画で終わらず、時代の最先端を貫く極めてチャレンジングな作品でした。​​​サノスとの因縁はここで終わらないようなので、続編ではどのようにヒーローたちが持ち直すのか、それが今から楽しみですね!






Last updated  2018.04.28 11:53:47
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