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December 28, 2010
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  二竜山永久堡塁攻略 (金沢第九師団による) を迫真の映像で再現している戦争映画が 『二百三高地』 (’80年度作品 ・ 東映) です。
  二竜山胸墻の大爆破は、 (怪物として描かれている) 旅順要塞の断末魔を象徴する、 クライマックスらしい、 力の込められた壮絶なスペクタクル場面に仕上がっています。

  主要登場人物の一人である陸軍中尉 ・ 小賀武彦 (あおい輝彦) 指揮下の歩兵中隊も、 攻撃部隊に編入されていました。
  小賀を先頭にして、 彼等は砲台に向かって駆けていました。
  中隊の成員で、 旅順攻囲開始時から生き残っている者は、 (小賀中尉以外では) 召集兵の 牛若寅太郎 (佐藤允) と 木下九市 (新沼謙治) の二名のみでした。
  小賀は、 軍刀を閃かせて斬り込み、 敵兵の幾人かを斬り伏せますが、 自らも敵弾を脚に受け、 転倒します。
  「中隊長どのッ」 と叫んで、 駆け寄ったのは九市です。
  小賀は、 身体に巻き付けていた日章旗を手早く解くと、 九市にそれを託します。

  「行けッ  早くッ  二竜山永久砲台の一番乗りは小賀中隊だッ

  九市は、 日章旗を掴んで駆け出しました。
  その場に一人残った小賀を目掛けて、 突然、 ロシア兵の銃剣が繰り出されます。
  少年兵という設定の、 どう見ても少年兵には見えない少年兵・・・ イワン でした。
  身を捻って銃剣をかわした小賀は、 イワンに組み付きます。
  共に傷付いている二人ですが、 闘志と憎悪を露わにして、 凄絶な死闘を繰り広げるのです。


  ・・・小賀もイワンもあとは夢中だった。
  二人は取っ組みあってベトンの上を転げまわった。
  すさまじい形相になったイワンが、 いきなり歯を剥き出してガブッと小賀の喉に噛みついた。
  小賀は反射的にイワンの顔をたたき、 指をその両眼に突っこんで、 えぐった。
  そのとき、 重さなった二人のからだを一発の銃弾が貫いた。
  つづいて、 数発の弾丸がブスブスと音を立てて、小賀とイワンの肉に喰いこんだ。

19041228.jpg
(舛田利雄監督作品 『二百三高地』 )

  九市は砲台に駆け上った。
  夢中で日の丸を振って叫んだ。

  「第七連隊小賀中隊木下二等卒、 二竜山砲台一番乗リイッ

  寒風が唸り、 銃撃の音が響きわたり、 二十八サンチ榴弾砲の巨弾が急行列車が驀進して行くような轟音を上げて、 九市の頭上を飛びぬけた。
  九市はあたりを見まわして目をこすった。
  砲台の上で生きているのは九市一人だった。
  あとは全て死体だった。
  九市は、 いきなり、 日の丸で顔をおおい、 次の瞬間は、 ちがいのように日の丸を振って、 自分でもわけのわからないことを喚いていた。
  やがて、 今はもう敵対するロシア兵は一兵もいなくなった二竜山永久堡塁に突入してきた第九師団の突撃部隊が、 小賀やイワンの死体を踏みこえ蹴とばしながら、 九市が悲鳴のような声で万歳を叫んでいる砲台へ駆け上ってきた。

(笠原和夫著 『二百三高地』 から)






Last updated  December 30, 2010 03:30:02 PM
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