モノスキー日記

2007/08/21(火)06:35

「自社の強みを活かした経営」その2 たこ満 平松 季哲様 講演録

学び(277)

「自社の強みを活かした経営」その2    たこ満 平松 季哲様 講演録 その1からつづきます。 「俺が俺がの我(が)を捨てて、お陰お陰の下(げ)で生きる」 という言葉をもらい、 涙ながらにパートさんに「こんな会社にしたい」という話をしました。 それから、新しく社員さんを入れるようになりました。高校の先生に頼んで、毎年一人ずつ入社してもらいました。だいたいどこにもいけないような子が多かったです。当時の社員さんが今の会社を支えてくれています。 (4) 経営理念と経営計画書 そののちに、経営理念をつくりました。 ☆ 日本経営合理化協会の経営計画 一倉定(いちのくらさだむ)先生の経営計画の作成セミナーに参加しました。 経営計画を立てるのだったら、経営理念を作れといわれました。 1週間そればかり考えていましたが、その時は結局出来ませんでした。 今の会社の経営理念は「ひとりのお客様の満足とひとりの社員の幸せ」です。 お店はお金があればできますが、お店が繁盛するためにはお客様の満足が欠かせません。 お客様は気に入らなかったら、すぐにそっぽをむきます。二度と来てくれないからです。 一回一回毎回毎回、気に入ってくださらなかったら、ともかくダメです。 社員の労働条件を良くしたいと思って出店したのに、社員が全部辞めましたから、 ひとりの社員の幸せを感じられるような会社にしたいと思いました。 昭和59年に今の理念が出来ました。 ☆ 月刊「理念と経営」 日本創造教育研究所の本があります。理念は大切です。 ☆ モデル企業 六花亭さん、芝寿司さんのような企業を目指したいと思っています。 コアコンピタンスを分析して、モデルにしています。 ☆ 採算予定表(プロジェクターに映される) これは2006年9月の採算予定表です。製造部門の実際の資料です。 このような形で各部門の採算を出しています。京セラの稲盛さんがやっておられるアメーバ経営を取り入れています。これを見て分かるように「洋菓子」(部門)は採算割れ寸前です。 逆に「焼き物」はとても良いです。こうしておくと、どこを伸ばせば良いかが分かります。 ☆ 出店 ただ今、20店舗ありますが、もう増やしません。店舗を増やすと、どうしても不採算の部門も平均して増えるからです。採算が良いところだけ伸ばしたいから新たな出店はしません。 リニューアルと移転はやりますが、基本的には増やしません。 ☆ 単品別分析(プロジェクターに映される) さらに、商品の単品別にも収支をだしています。業績アップの基本です。 こちらは商品分析です。強み弱みを分析します。こういうことを社員さんがやります。 これを社員さんが考えるから、良いのです。 強みも弱みも社員さんが分かっているのはものすごいことです。 ☆ 市場動向 伸びる市場と伸びない市場を分析しています。そうすると育てる市場、捨てる市場が見えてきます。 攻める市場、守るべき市場も見えてきます。 このように決算書に載らない大事な資産や指標は、こうやって見えるようにしています。 これが一番大事なことだと思います。 ☆ 戦略マトリックス(プロジェクターに映される) これが戦略のマトリックスです。これを見ると何を伸ばして、どこをターゲットにするか、何を開発して、どう販売していくか?などが分かります。  こういうことを社員さんがやってくれるのがうちの力になっています。 (5) 基本理念と方針 「仲良く、楽しく、そして成長しよう」これが基本理念です。 楽しくないとお客様でもきてくれないでしょう。工場でもそうです。楽しい雰囲気でないと製品に現れます。職場の人同士が仲良く楽しくないといけないと思います。 そんな社風を作りたかったです。 ☆17年までのコアバリューと周辺バリュー(プロジェクターに映される)  15年~17年までのコアバリューと周辺バリューを説明します。 コアバリュー:商品企画開発力 周辺バリュー:販売力、生産システム力、個別対応力、除法収集分析力、人材育成力 ☆ 平成18年からのコアバリューと周辺バリュー 平成18年からはOEMに挑戦しています。平成18年からのコアバリューと周辺バリューはこんな風に変化します。 コアバリュー:地域ブランド構築力 周辺バリュー:店舗販売力、人材育成活用力、商品企画力、素材開発仕入れ力、 生産システム力(TAPS) ☆ TAPS TAPSとは、たこ満・プロダクト・システムの略です。 会社にはトヨタの生産管理システム(TPS)を取り入れています。 トヨタ生産システムを熟知した3名の方が指導に来てくださっています。社員だけで取り組んでいた時はまったく活性化しなかったのですが、パートさんが入ると大きく変わりました。 ☆ 商品企画力 商品企画の流れが、このように出来ています。女性に新しい情報を出してもらって試作をしてみんなで試食します。お店に出るまでは、こういう流れ図によって出来上がります。 ☆ 素材開発仕入れ力 農家の方に、「こんなお米を作ってください」というようなお願いをします。 販売員が畑に行って芋ほりをします。自分たちのお菓子に合う素材を開発します。 販売員さんにも芋ほりをしてもらい、お菓子作りの体験をしてもらいます。こうすると商品に対して愛情がわきます。 ☆ 店舗開発力(プロジェクターに映される) 地域の特色を生かしてお店作りをしています。こんな風に、観光施設にあった店作りをしている店があります。浜松ですと楽器の町です。ヨーロッパのウィーンのような町にしたいと思います。ウィーンは音楽とお菓子のまちです。マリアッエルというお店は客層を絞り込んでいます。 掛川は城下町です。このような城下町風な店作りをしています。このような店舗開発力を目指しています。 ☆ 人材育成活用力 日創研では人材育成がもっとも大事にされます。育成した人材を活用する力をつけようとしています。 ISOの内部監査の模様です。ISOが無かったら、仕事がもらえないという業界もあるようですね。 うちではISOはそんなに大事ではありません。正直、厄介なだけです。 ただISOは社内の勉強になります。毎月ISOの内部監査をやっています。 社内には50名もの内部監査員がいます。社長の僕も監査されます。(爆笑) お客様にとって良いかどうか分かりません。お菓子やにはISOという考え方はありませんでした。 でも今、うちでは下請けを目指していますから、ISOが大事だと思います。 社員は、7時半から朝礼をやっています。倫理法人会の活力朝礼を取り入れています。 (6) 理念浸透とコミュニケーション ☆ ディリーニュース これが、たこ満のディリーニュースです。(手書きでA4サイズびっしり) 5990号です。あと10日で6,000号になります。 JCの理事長やりながら、TTへ行っていると会社には殆ど居られません。 その時から始めたこのディリーニュースは、今でも休まずずっと続けています。 (7) 今後のビジョンとたこ満の宝 ☆ 経営計画書 経営計画書には1ヵ月ごとの成績を記入するようになっています。 上司のコメントも書けるようになっています。 ☆ たこ満の宝(ビジョン) 最近のたこ満さんは、 ・・・・(中略) もっと私たちの自慢できる店でいてください。 これは平成元年、1月25日に高校3年生の女の子が会社に向けて書いてくださったクレームのはがきです。これが私たちの宝物です。 複製して、全部のお店に配布してあります。額に入れて大切に保管してあります。 (8) Q&A このあと質疑応答がありましたが、割愛します。 この文章は、あくまでも私の個人的なメモです。 テープから起したものでなく、感じたまま入力をし、私の言葉を加え文章を整えました。個人名などはインターネットで検索したり、関連記事の一部を引用しました。ですから、すべてが講師のかたのお言葉ではありません。講師のおっしゃりたい主旨と異なる部分が相当あることでしょう。 著作的権利は講師にありますが、不都合な部分についての文責は私にあります。 ご不満などありましたら、私までお願いします。 最近、メールなどで再度ご友人に配信される方があるとのこと、お役に立てれば光栄です。 しかしその際は、この文末を添えていただくか、何らかのご配慮によって、くれぐれも講師の方にご迷惑がかからないようにお願いします。                        よきん 拝

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