347288 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

むうみんの脳内妄想

むうみんの脳内妄想

2004年4月4日 読売新聞社説


[川口外相訪中]「『靖国』問題を対日カードにするな」

 まったく筋の通らない「内政干渉」である。

 訪中した川口外相に、温家宝首相は「日本の指導者が大局を重んじて靖国神社を参拝しないよう求めてきた」と、小泉首相が参拝をやめるよう改めて要求した。

 一国の指導者がいつ、どのような形で戦没者を追悼するかは、その国の伝統や慣習に根ざす国内問題である。

 会談で川口外相は、首相の真意を「戦没者の犠牲の上に日本の平和と発展がある。戦争を二度と起こさないという願いを込めて参拝している」と説明した。

 首相は、これからも参拝を続ける意向を表明している。国内で、参拝の賛否をめぐる議論があってもいいが、外国に干渉される筋合いのものではない。

 日中首脳の相互訪問は、二〇〇一年十月の首相の訪中以降、途絶えている。首相は今年も元日に参拝した。中国は「強い憤慨と非難の意」を表明し、その後も政府や共産党幹部が、いわゆるA級戦犯の合祀(ごうし)に触れ、「参拝は中国の国民感情を傷付ける」と繰り返している。

 だが、A級戦犯合祀が公になった一九七九年以降、大平、鈴木、中曽根の各首相は、毎年二回から四回参拝した。その間、三人の首相ともが訪中している。中国の華国鋒、趙紫陽両首相、共産党の胡耀邦総書記も来日している。

 両国首脳は何の問題もなく、相互訪問を続けていたのだ。小泉首相に対してだけ「参拝が相互訪問を妨げている」と言うのは矛盾している。中国は、突然「靖国」を外交問題にして、対日外交カードに使っている。

 中国政府の靖国参拝批判の背景には、「反日世論」があるという。国民統合の政治戦略の一環として、中国が九〇年代から力を入れてきた反日・愛国教育によって増幅された“世論”である。

 日本国内には、「靖国」をめぐり、ことさら中国に迎合する有力全国紙もある。こうした日本国内の状況が、中国に「靖国」問題が対日外交カードになる、と思わせる一因ともなっている。

 温首相や李肇星外相との一連の会談では、川口外相が「尖閣諸島は日本固有の領土だ」と強調し、中国人活動家の不法上陸の再発防止を求めた。中国側支援者が北京の日本大使館前で日の丸を燃やしたことや、中国海洋調査船の違法な調査についても、強く抗議した。

 いずれも、日本の主権にかかわる問題だ。今後も、日本の国益を守る姿勢を毅然(きぜん)として示していく必要がある。

 小泉首相は、「中国が望まない時に、訪中する必要はない」と語っている。当然の姿勢である。

(2004年4月4日 読売新聞社説)




© Rakuten Group, Inc.
X