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いらっしゃいませ。ようこそ、道徳の鎖に繋がれた私の部屋へ。
この場所は私が道徳の鎖を引き千切って自由になるために、毎日を過ごしていく場所です。
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2004年09月12日
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僕は、扉を開けた。
一瞬、眩しさに目がくらんだ。
しばらく動く事ができず、ただ立ち尽くしていた。

ようやく目が見えるようになってきた。
目の前に広がった、広い、それは広い部屋。
あまりにも豪華な、例えばすぐそこにある花瓶1つとっても、とてもではないが『僕』が働いていた時の年収は軽く超えているのだろう。
場違いな気がする。
自分がまだ、なぜここに来たのかすら、分かっていない『僕』にとっては、全てが別世界だった。

門番に連れて行かれたのは、応接間と呼ぶべきだろう、ある部屋だった。
扉を開けた瞬間、『彼ら』は拍手で『僕』を出迎えてくれた。
『やあ、はじめまして。』
『おっ、やっと来たねえ。』
『これで、全員揃ったんですよね?』
口々に、自分のいいたい事を並べ立てる若者達。
男3人、女2人。
どうやら、『彼ら』には事情が飲みこめているようだ。
『僕』1人が置いてきぼりをくらったような気になったが、孤独は感じなかった。
『僕』は生まれたときから1人だったから。

「さて、それでは、皆さんお座りください。」
1番後ろにいた白髪の老人が、僕達に声をかけた。
右目の部分に海賊がつけるような眼帯がかかっている。
死後の世界だというのに、こういうハンディは残るのだろうか?
考えながら、『僕』も席につく事にした。幸い、椅子が1つ空いていた。もちろん、この椅子も想像できないくらい高いものなのだろう。

「さて、最後のお客様が辿り着いたところで、そろそろはじめたいと思いますが…貴方、貴方はまだ何も知らされていませんね?」
「僕ですか?ええ。ここがどこなのか、なんのためにここに連れてこられたのか、全く分かりませんね。」
「そうでしょうね。どうやら彼女は約束を守ってくれたようですな。よろしい。私から説明しましょう。」
そう言うと、かれは他の人間たちに、
「皆さんはすでに1度聞いていると思いますが、まあ復習だと思って聞いて頂きたい。」と断りを入れ、

そして、『彼』は、ゆっくりと語り出した。





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最終更新日  2004年09月13日 02時04分03秒
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