|
カテゴリ:カテゴリ未分類
「待つことが大切だ」と言っても、それは強制するものではありません。強制してしまったら人は自分を抑え、我慢することで時間をやり過ごそうとするばかりで、余計に「見ること」、「聞くこと」、「感じること」が出来なくなってしまいます。
また、頑張るものでもありません。人は、頑張っている時には自意識ばかりが強くなり、心が閉ざされてしまうため、見ているのに見えなくなり、聞いているのに聞こえなくなり、感じているのに感じる事が出来なくなってしまいます。 それでは逆効果です。 また、よく「最近の若者は我慢が出来ないから、“我慢”を学ぶために、もっと我慢させるべきだ」というようなことを言う人がいますが、そんなことをしたら全く逆効果になってしまいます。 友達や生き物などに対して優しく出来ない子どもに、「優しくしなさい」と強制するのも同じです。 目に見える行動のようなものは、強制することでやらせることができます。でも、心の内側に関することは、それがどんなものであろうと強制してしまうと逆効果になってしまうのです。 なぜなら、そのような状況の時には、無意識の働きが「心」が傷つくことのないように「心」を閉ざし、保護してしまうからです。 「もっとよく考えなさい」と強制すればするほど、子どもは思考が停止してしまいます。 日本人は精神論が大好きですから、「頑張れば何でも出来る」と考えがちですが、でも、その頑張ること自体が出来ない子に「ガンバレ」と言うことは、「頑張ることが出来ない自分はダメな子だ」という想いを強くさせるだけです。 また、世の中には、頑張れば出来ることと、頑張っても出来ない事があります。さらには、頑張ってしまったら余計に出来なくなってしまうものもあります。 確かに、からだを「道具」として使うような事においては、頑張ることで成果を上げることが出来ます。 マラソンをしたり、荷物を運んだりするような場合です。 そのような場合は、「ガンバレ」と励ましたり、脅しをかけて強制することも可能です。 そして、頑張ることや「ガンバレ」が好きな人は、「目に見えない心の世界」よりも、そのような「目に見える結果」の世界ばかり見てしまう傾向があります。 そのため、そのような人は、「優しさ」を「心の問題」として考えるのではなく、「行為の問題」として考えます。 でも、そのからだを、歌を歌うとか、絵を描くとか、踊りを踊るといったような、表現に属するような目的で使う場合には、いくら「ガンバレ」と励ましても、脅しで強制しても、それは成果につながりません。 むしろ、逆の結果につながってしまう可能性もあります。 また、「心」に属することは頑張ることすら出来ません。無理に頑張ろうとすると、全く逆の方向に進むことになります。 強制したら、間違いなく逆効果になります。 子どもを愛することが出来ない人に、「もっと子どもを愛しなさい」と強制したら、余計に子どもを愛することが出来なくなります。 子どもを愛している人は、「子ども」と「自分」の間に壁がありません。 子どもと自分が一体なんです。だから子どもが笑ったら一緒に笑い、子どもが泣いたら一緒に悲しむことが出来るのです。 それが「愛している」ということです。 子どものために色々とやってあげることを「子どもへの愛」と思っている人もいますが、それは子どもの心には届かない自分勝手な愛です。 また、「愛しなさい」と強制したり、「もっと愛さなければ」と頑張ってしまうと、自意識ばかりが強くなり、子どもとの間の壁がドンドン高くなってしまいます。そして、ますます子どもとの距離が離れてしまいます。 ただ、難しいのは「頑張らないで」というと、頑張らないように頑張ってしまう人がいっぱいいるということです。 今日、このブログを読んで「ああ、自分はダメだ。もっと頑張らなければ。」と思ってしまう人もいるかも知れません。 講演会などをすると、「先生のおっしゃったことを忘れないようにして頑張ります」などという人がいますが、それじゃあ先に進めないのです。 無理に理解しようとする必要はありません。無理に理解しなければならないようなことは、自分には役に立たないことばかりです。 「今の自分の必要なこと」は、無理に理解しようとしなくても、すっと読んで、すっと納得できるのです。 そこだけでいいのです。 大切なことは「理解」よりも「納得」なんです。 そして、納得したら、あとは忘れてしまえばいいのです。 自分にとって意味のあること、役に立つことはそれだけで吸収出来ているのです。 実際、子どもは理解などしようとしていません。感覚的に納得できることしか吸収しません。でも、それで成長していくのです。 だから、少なくとも「成長」に関しては、「ガンバレ」は無意味です。 それよりも、「納得できるような体験」をいっぱいさせてあげて下さい。 自分育ての場合でも同じです。 理解よりも納得を積み上げて下さい。そのためには頭で考えたり、本や言葉だけで学ぼうとするのではなく、色々な体験をして、その体験から学ぶことを心がけて下さい。 人は自分自身の体験とつながった事に対してだけ納得することができるのです。 体験とつながらない知識や言葉だけの学びでは、理解することは出来ても、納得することが出来ないのです。 そして、納得には頑張りは必要ありません。頑張らなくてもすっと分かってしまうのが「納得」だからです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|