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犬を猫のように育てようとしたり、猫を犬の様の育てようとするような不自然なことをするから子育てが辛く、苦しくなるのです。
苦しいのはお母さんだけではありません。「自分らしさ」を否定されている子どもの方も当然苦しくなります。 「子どもが言うことを聞かないんですけど、どうしたらいいんでしょうか?」と悩みを訴えてくるお母さんは多いですが、そもそも子どもに言うことを聞かせようとすること自体が無理なんです。 なぜなら子どもの行動は、「子どもの成長を支えている命の働き」の結果に過ぎないからです。子どもは自分の意思で行動しているのではないのです。自分の意思で行動しているのではないのですから、当然、子ども自身にも自分の行動をコントロールできないのです。 子どもは怒鳴られたり、叩かれたりすれば「ゴメンナサイ、もうしません」と言います。でも、その言葉が守られることはありません。 子どもには自分の行動を自分でコントロールする能力がないからです。でも、そのことを知らないお母さんは「また約束を破った!」と言って烈火のごとく怒ります。「子どもが自分を馬鹿にしている」と感じてしまうお母さんもいます。 でも、自分でも分からないこと、自分には出来ないことで叱られ、叩かれた子は、ただ怯え、「自分はダメな子なんだ」と自己否定を始めます。 じゃあなぜ、「ゴメンナサイ、もうしません」と言うのかというと、そう言わないとお母さんが許してくれないからです。それだけのことです。 実際には子どもは自分の言葉を理解していないと思います。お母さんが何に怒り、自分が何を謝り、何を約束しているのかということすらも理解していないと思います。 「何で叱られていると思う?」と聞くと、お母さんの言葉を使ってオウム返し的に答えます。でも、ほとんどの場合その意味を理解しているわけではありません。 それはどういうことかと言うと、例えば「なんで片付けないの!!」と叱られている子に、「なんで叱られていると思う?」と聞けば、「片付けないから」と答えるでしょう。 それでお母さん達は「ちゃんと分かっているじゃないか」と思い込むのですが、でもそこで更に、「じゃあ、片付けるってどういうことだと思う?」と聞いても明確な返事は返ってこないと思います。 子どもには「片付ける」という価値観そのものが理解できないからです。だから「片付ける」と約束させても無駄なんです。 大人だって「片付け」に関する価値観や考え方は人それぞれですよね。「片付け」に正解はないのです。そんなもの子どもに分かるわけがないのです。 子どもに「ゴメンナサイと言いなさい」と言えば、子どもは「ゴメンナサイ」と言うでしょう。でも、「ゴメンナサイ」の意味は知りません。ただお母さんが言っている言葉をそのまま使っているだけです。子どもはそういう返し方をするとお母さんの怒りが収まるということを本能的に知っているのです。 なぜなら、子ども自身もそういう言葉を求めているからです。子どもが「おいしい」と言ったとき、お母さんもその言葉を使って「おいしいね」と返すと子どもは喜びます。 子どもが「足が痛い」と言ったときには「足が痛いんだね」と返してあげると、子どもは自分の気持ちが肯定された気がして安心するのです。 子どもの言葉が理解できないときでも、子どもの言葉をそのまま返してあげるだけで子どもは安心します。 子どもは、それと同じことを、お母さんの怒りを静めるために使っているのです。 いずれにしても、人間には自分の意思で制御できることと、自分の意思では制御できないことがあるのです。 このことをしっかりと理解していないと無駄な努力をして、頑張っても頑張っても結果が得られず、苦しむことになります。 そしてこれはお母さん自身の問題でもあるのです。 子どもが言うことを聞かない理由が分からないお母さん達はイライラします。腹を立てます。自分が馬鹿にされているようにも感じます。 そして怒鳴ったり叩いたりします。そして、怒鳴ったり叩いた後で後悔します。 後悔するくらいなら最初から怒鳴ったり、叩いたりしなければいいはずなんですが、でも、それが出来ません。 自分のやっていることが分かっている大人でも自分の感情や行動を制御できないのですから、自分がやっていることを理解していない子どもが自分の行動を制御できるわけがないのです。 じゃあどうしたらいいのかと言うことですが、そのためには子どもの「学びのシステム」について理解する必要があるのです。 ************ アマゾンの方から以前文庫本で出した「子ども発見」の改訂版を出しました。 14日のブログで紹介させていただきました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.05.16 08:55:08
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