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多血質の人は柔軟性が高いです。適応能力も高いです。
それが多血質の人の長所です。 でも、この長所は同時に短所でもあります。 これは全ての気質に言えることなんですが、短所は長所であり、同時に、長所は短所なんです。 「それ」が長所になるか短所になるかは、「それ」が長所になるような育てられ方をしたか、短所になるような育てられ方をしたかの違いに過ぎません。 人付き合いが苦手な子を、みんなと一緒に活動する場に連れて行けば、その性格は短所にしかなりません。 でも、一人でじっくりと何かに取り組む活動の場でなら、その性格は長所になるでしょう。 そして、親が子どもが持っているその「その子らしさ」が長所になるような育て方をすれば、子どもは長所が多く、自己肯定感の高い子に育つでしょう。 でも、それを「短所」と考えてむりやり直そうとすると、子どもは短所だらけで、自己肯定感の低い子に育っていきます。 でも、「みんなと一緒」「みんな同じ」を大切にする日本には、そういうように考える大人が多いのです。 その時、憂鬱質の子と胆汁質の子は「人に合わせない頑固な子」「扱いにくい子」「しつけでその性格を直さなければならない子」と考えられやすいのです。 そのため、「短所の多い子」として扱われやすいです。 例えば、欧米ではちゃんと自己を主張する胆汁質の子は肯定されますが、日本では「生意気だ」「反抗的だ」ということで否定されます。 欧米の人が書いたシュタイナー関係の気質の本には、「胆汁質の人はリーダーに向いている」というようなことが書いてありますが、否定されながら育った日本の胆汁質の子はリーダーとしての素質を伸ばすことが出来ないまま、自分に自信がない大人に育っていきます。 自信家の胆汁質だって、否定され続ければ自信を失うのです。 日本ではリーダーとしての能力がある人がリーダーになるのではなく、「偉い人」から「リーダーの資格」を与えられた人がリーダーになるのです。 そのため、リーダーとしての素質がなくても、「偉い人」に媚びを売る人や、忖度するような人はリーダーになりやすいのです。 政治の世界を見ているとそれがよく分かります。 それが日本の悲劇です。 そんな時、多血質と粘液質の子はそれほど問題児扱いされません。 両方とも「自己」を主張しないし、「みんなと一緒」が出来るからです。 さらに多血質の子は積極的にみんなと一緒に行動しようとします。先生に褒められるのが大好きなので、先生が褒め上手なら、積極的に先生の気持ちに合わせようとします。 それが多血質の柔軟性でもあります。でも、その柔軟性の背景には強い承認欲求があります。そのため、褒めてくれない人からは簡単に去って行きます。 それに対して、粘液質の子は表だって反抗はしませんがマイペースです。いくら褒められても、積極的に先生の価値観に合わせるようなことはしません。 家庭でも同じです。多血質の子は、褒めてくれるなら、お母さんやお父さんの要求に合わせてしまうのです。 そして「よい子」になります。 ちなみに憂鬱質の子は褒めるばかりの人は信用しません。胆汁質の子は褒められるのは好きですが、褒められたからと言って相手の期待に合わせることはしません。粘液質の子は褒められればちょっと嬉しいですが、でも大きな変化はありません。 「褒める子育て」が一番効果的に働くのが多血質の子なんです。それをうまく使えば、コントロールしやすいのも多血質の子です。 そして、多血質の子は大人になり親になってからも、周囲の人に褒めてもらいたいので「良いお母さん」を目指すことが多いのです。 でもその時、肝心の「目の前にいる我が子の気持ち」に気がつかなくなってしまうのです。 我が子は自分勝手でワガママを言うばかりで、お母さんに感謝もしないし、褒めてもくれません。話し相手にもなりません。 だから、気持ちが向かないのです。関わり方も分かりません。一緒にいても楽しくありません。さらに、自由を束縛してきます。 でも、「良いお母さんでいなきゃ」という呪縛があります。そのためどんどん苦しくなって行きます。 子どもも、お母さんの気持ちが自分に向いていないことを感じるので寂しく、苦しくなります。 そのため、親子の信頼関係も築けません。お母さんも子どもも、一緒にいても楽しくありません。 それでも、子どもが多血質ならそんなお母さんに気に入られるために、お母さんに合わせようとしてくるかも知れません。 多血質の子はお母さんの気持ちが分かるので、気に入られ方も分かるのです。 そしてお母さんがそれに気づき褒めてあげていれば、子どもも喜び「友達親子」になることは出来ます。 でも、「良いお母さん」を目指す人にとっては、お母さんや周囲に合わせようとしない胆汁質や、憂鬱質の子は最悪です。 お母さんに嫌われる不安を感じた憂鬱質の子も、お母さんに嫌われないようにお母さんに合わせてきますが、褒めても喜びません。また、一生懸命にお母さんに合わせようとしても、お母さんの気持ちが理解出来ないので、すれ違います。 「良いお母さん」を求めることを止め、お母さんが「自分らしさ」を取り戻し、目の前の子どもとちゃんと向き合わないことには、胆汁質や憂鬱質の子の子育ては出来ないのです。 実際には、多血質や粘液質の子に対しても同じです。 多血質の人は、四つの気質の中で一番「どうやったら相手に気に入られるのか」ということが分かるのです。そしてそれが長所であると同時に短所でもあるのです。 他の気質の人の信用を得られないのもそのためです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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