1914年のクリスマス休戦
今回はアディダスのCMから。実話を元に製作されたCMです。 ADIDAS CM 『Long Live Sport』1914年、第一次世界大戦勃発後最初のクリスマス。西部戦線において鉄条網を挟んで対峙するイギリス・ドイツ両軍の兵士たちが、クリスマスを祝うため共に塹壕から出て、一時休戦するということがありました。映画『戦場のアリア』でも描かれましたが、 それまで銃を向け合っていた両軍兵士たちが戦いを止め、互いの酒やタバコをすすめあい、 親睦を深め合う姿はまさに戦場に起こった奇跡でした。上記写真はその時の一コマ。その中で、互いの陣地の中間地帯でサッカーの試合さえ行われました。イギリス軍VSドイツ軍。結果は3-2でドイツ軍の勝利だったそうです。 夜間のパトロールでほふく前進している時には十数キロはあると思っていた 中間地帯が、実はせいぜいサッカー場2面分しかなかったある兵士はこの時のことをそう述懐しています。サッカーに興じていた瞬間、彼らは普通の若者たちに戻っていたのではないでしょうか。銃を持つことよりも、ボールを追いかけている方が似合う若者たちに。『死』と隣り合わせの長く辛い塹壕生活を余儀なくされていた彼らの、『人間』を取り戻した瞬間であったかも知れません。残念ながら、大規模な大戦中のクリスマス休戦はこの時が最初で最後で、さらに戦争終結までにはあと数年を要することになってしまいますが・・・今でもサッカー場程度の距離を挟んで互いに睨み合っている場所があると聞きます。一日も早く共に笑ってサッカーを楽しめるようになってくれればと思います。