2006/12/04(月)02:07
スローガン 「リメンバー・パール・ハーバー」
また今年も12月8日が近づいてきました。
今から65年前の1941年12月8日(現地時間7日)に
太平洋戦争が開始された歴史的な日です。
奇しくも、12月9日より太平洋戦争の硫黄島の戦いを描いた、
映画「硫黄島からの手紙」が劇場公開されます。
そこで、今回は「リメンバー・パール・ハーバー」というスローガンについての話を。
日本軍による攻撃により、真珠湾にあった軍艦や施設は大きな損害を出します。
この時のアメリカの人的損害は死者が2500名ほどで、負傷者も1000名以上と言われています。
これに対して日本側の損害は極めて少ないものでした。
僅か数時間の間の空襲でこれだけの損害が出たことがアメリカ側にはショックであり、
日本側の宣戦布告文書の通達の遅れもあって、
”卑怯なだまし討ち”との印象を与えていきます。
(大統領F・ルーズベルトの「恥辱の日」演説は有名)
そして真珠湾攻撃を、当日ラジオで知った DON REID という作曲家が、
怒りを込めてその日のうちに書き上げたのが
「REMENBER PEAL HARBOR」 という曲です。
誰もが一度耳にしたら忘れないというシンプルなマーチ(行進曲)で、
♪レッツ リメンバ~ パール・ハーバ~ と軽快で力強い感じ。
この曲はラジオを通じて数え切れないほどに繰り返しかけられて、
当時のアメリカ国民の対日戦のスローガンとして定着していくわけです。
そして、身近な物からありとあらゆる物にこのスローガンはコピーされ、
それを目にする国民に広く行き渡っていったのでした。。。
「真珠湾を忘れるな!」
「12月7日の復讐を!」
ということで、ヨーロッパの戦争には距離を置いていたアメリカの国民感情も、
一気に対日戦へと突き進んでいくわけです。
このような分かり易い表現をアメリカは良く使いますが、
(日本の「鬼畜米英」とかは抽象的すぎ!)
こんなところも実に合理的だなと思いますが、
これが負のパワーになった時は怖いですね。。。
そもそも「REMENBER~」というフレーズは昔からありました。
1836年。メキシコからの独立を目指すテキサス義勇軍が
映画「アラモ」でも描かれた「アラモ砦の戦い」において、
全滅します。そして「リメンバー・アラモ」を合言葉に
その後の独立闘争を戦い抜いたことがありました。
「彼らの犠牲を忘れるな!」ということでしょう。
スローガンの雛形はここにあったわけですね。。。
ちなみに、ウディ・アレン監督の映画「ラジオ・デイズ」でこの曲が聴けます。
蛇足・・・
太平洋戦争でアメリカ側では「パールハーバー」と「イオージマ」は良く知られています。
真珠湾でのアメリカ側の犠牲者は上記の通り。
硫黄島でのアメリカ軍の犠牲者は、戦死者に戦傷者を加えると日本側を上回ります。
特に戦争後半では日本側を上回ったのはここだだけなんですね。
この点がアメリカ側で広く伝えられている所以ではないでしょうか・・・
戦争報道の内幕