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カテゴリ:本
で、ひたすら溜りに溜まった本を読み漁る。 その中のちょっと重い内容だった一冊。 『セックスボランティア』 河合香織著 紹介文より引用 『性』とは生きる根本―。それはたとえ障害者であっても同じことだ。 脳性麻痺の男性を風俗店に連れていく介助者がいる。障害者専門のデリヘルで 働く女の子がいる。知的障害者にセックスを教える講師がいる。 時に無視され、時に大げさに美化されてきた性の介助について、その最前線で 取材を重ねるうちに、見えてきたものとは―。 タブーに大胆に切り込んだ、衝撃のルポルタージュ。 衝撃でした。 以前から本書が気になっていたのですが、なかなか手に取ることが出来ずにいました。 それがちょっと前に新潮文庫版での発売となり購入。 ただし、そのテーマの重さから本棚の肥やしにしてしまってました。 で、ようやく本書を紐解いたと。 店でも体の不自由な方を目にする機会は結構多いです。 平屋建ての店舗なので、車椅子のお客様が遠慮がちに 利用される光景を見かけたりもします。 ところで、なんか最近は『障がい者』と書くみたいですね。 障害者の『害』という文字は良くないとかで。 なんかちょっと違う気もするのですが。どうでしょう。 で、そういう体の不自由な方々がいて、実際、健常者と同じというわけには いかないまでも、それに近い形で買い物をしたりすることも可能になってきている、 というのは実感としてありました。 『バリアフリー』関連の本が増えていることを考えても、 社会全体では昔よりも良くなっているのではないかと。 が、本書に書いてある様な『障害者の性』については、全く想像すら出来ませんでした。 ちょっと考えてみれば同じ人間なのだから当たり前なのですが・・・ 或いは、知ろうともせず避けていたのかも知れません。 本書は、ノンフィクションライターの著者が、実際に当事者たちにインタビューし、 『障害者の性』について、その一端を紹介。 ちょっとここでは書けない内容が多く、興味本位で読むことの罪悪感も感じる内容です。 まだまだ自分の知らない世界があるということを考えさせられもしました。 まずは、『知る』ことの端緒としてはこの本は良いテキストかも。 リンクは貼りませんが、『セックスボランティア』で検索すると、 驚くほど多くのサイトがヒットします。 普段日常生活をしている上では全く想像もつかない世界がそこにあります。 裏を返せば、ネット社会になったからこそ、 自由に表現出来るようになったのかなとも思いました。 『タブー』の垣根は徐々に壊されつつあるのではないか、と思うと同時に、 命をかけてまでも、『人』としての人生を全うしたいと願う 多くの人々がいるのだとも感じました。 『性は生きる根本』・・・あまりに重い言葉でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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