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テーマ:DVD映画鑑賞(14143)
カテゴリ:映画
『ドライビング Miss デイジー』 ブルース・ベレスフォード監督 ユダヤ人の未亡人デイジー(ジェシカ・タンディ)と、その黒人運転手ホーク (モーガン・フリーマン)の25年にわたる心の交流を描いた良作です。 *注 ネタバレアリ ある日、デイジーがクルマを発進させようとしたところ、ギアの入れ間違いで垣根に 突っ込んでしまう。そのことにボケの始まりを感じ取った息子のブーリー(ダン・ エイクロイド)が、老いた母のために新しく運転手を雇うことにします。 そしてその運転手になったのが老いた黒人のホークでした。 時代はアメリカではまだ黒人差別が当たり前だった時代。 しかし、息子の選んだ運転手にデイジーは猛反発します。 デイジーは頑固でわからず屋で皮肉屋のおばあちゃん。 少女のまま歳をとってしまった感じの人なんです(笑) 既にアデラという黒人の使用人がいるにもかかわらず、 こんなことを言って息子を困らせます。 私は黒人の使用人など使わず育てられたのよ すかさずブーリーが返します。 『黒人の使用人』? 保守派の使いそうな表現だ 私は偏見など持ってませんよ! こんな調子(笑) で、ホークはというと陽気でおしゃべり好きのいかにも人の良さそうな男。 ブーリーに雇われたため、デイジーに嫌われても我慢しなければいけません。 そう、デイジーはホークとは話もしたくないという調子で対応します。 頑固もここまでくると可愛げがあって面白いのですが(笑) 持ち前の明るさでデイジーと打ち解けようとするホークの姿に熱いものを感じます。 果たして二人は分かりあえるのでしょうか・・・ この作品は登場人物が少ないので、煩わされることなく物語に入っていけます。 こ気味よいセリフにバックに流れる音楽も良いですね。 ”わがままおばあちゃん”デイジーと周囲のやり取りには、 思わず何度もクスッとさせられました。 そのデイジー役のジェシカ・タンディも良いのですが、私はなんといっても ホーク役のモーガン・フリーマンの演技が好きです。 モーガン・フリーマンというと『ショーシャンクの空に』のレッド役も好きなんですが、 それ以上にこのホーク役の方が好きかも。 彼の人柄がそのまま出ている気がするんですよね。(本当はどうなんでしょ? 笑) そして、劇中で25年もの月日が流れていくのですが、その表現がさりげなくていいんです。 そういや『ショーシャンク』も時の流れの表現が上手かったですね。 (独房内のポスターの変化で時代を表していた) ラストで年老いた二人が『友人』として描かれるシーンは、何度観ても良いですね。 人が互いに分かりあえないなんて嘘だ、と観た時に思ったものです。 この作品は、作品賞ほかアカデミー賞4部門を受賞しています。 心がホンワカする素晴らしい作品だと思います。 そうそう、当然この映画では『人種差別』もテーマに入っています。 劇中、キング牧師の演説が流れ、それを一人車の中のラジオで ホークが聴いているシーンがありましたが、当時どれだけ多くの黒人たちが 同じ思いを共有していたことでしょうか・・・ 黒人たちが権利を手にしてから、まだ半世紀も経っていないんですよね。 公民権法が制定されたのは、1964年のことであります。 日本では東京オリンピックに浮かれていた年にあたります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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