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カテゴリ:ドラマ
いやはや。涙が止まらなくて始末に困りました。 想像してたよりもいい出来でしたね。 キャストもいい案配でした。 広田弘毅役の北大路欣也が素晴らしく、 信念を貫いた男を良く表現していたと思います。 内容は以前書いた記事、ほぼそのままの感じがしましたね。 平和を願って軍と対立していたにも拘わらず、軍人と一緒に処刑されてしまった広田弘毅。 でも、彼は軍人のせいにして逃げる卑怯者ではなく、自らすすんで悲運を引き受けた。 興味深かったのが、あの時代の話なのに東條英機が全くといっていいほど出てこなかった点。 視点を広田に合わせてあの時代を見ると、また違った印象がありましたね。 吉田茂との関係も見どころでした。 戦時中に吉田が憲兵隊に逮捕された際、 広田は『これで吉田はいいお免状をもらったんだよ』と言います。 広田が既に戦後を見越していたことが窺えて興味深いです。 事実、戦後になると、このお陰で吉田は軍に抵抗した男として首相になるわけですし。 戦後の東京裁判では、日本は上下一致、徹頭徹尾一貫して世界への侵略を 企てていたと断じますが、そんな話を広田はどう受け止めていたのか、 やはり肉声を聞きたかったなと思いますね。 他の被告に迷惑がかかると、一切自分を弁明するようなことは言わなかったようですが・・・ 『自ら計らわぬ』(ドラマでは『自ら計らわず』でしたが)。 敗戦国となった日本で、軍人にのみ責任を負わせようとした空気を 広田は感じ取っていたのではないでしょうか。 彼は、戦勝国による報復感情、また国民の被害感情を慮って、 将来日本が復興した時のためにもここは敢えて文官からも絞首刑が 出ないといけないと思っていたのではないでしょうか。 裁判のはじめから絶対死刑を覚悟していた東條英機と共に、 彼もまた覚悟を決めていたのかなと、そんな気がします。 戦後、平和国家となった日本で彼の外交手腕が発揮されていたら・・・ と、そんなことも考えてしまったドラマでした。 (一応フィクション扱いでしたけど) そうそう、東京裁判について、私は一つ思うところがあります。 あの裁判が正しかったかどうかも重要だとは思いますが、 何が裁かれたのか、と同じくらい、何が裁かれなかったのか、 を考えるのも一つだと思うのでありますよ。 こことっても重要です。 (でもテストには出ないだろうな 笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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