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カテゴリ:映画
アニメーション映画であった。
点点眼の線画に色が入ってるようなイラスト絵を動かしているような映画である。 世界の名画や観光地がふんだんに紹介されているが、根底にあるのは、反戦、反権力、そして友愛。 まあ、60年から70年代に全盛を極めたヒッピー世代が大人になって社会で意味のある活動として取り組んだ、そんな印象すらある。 主要登場人物は2人、恋人同士のセバスチャンとセバスチャンヌ。彼らが愛を求めて世界中をほんのりゆらゆらと、あるときは気球に乗ったり、あるときはボート、またあるときはらくだに揺られて旅するのである。日本にも訪れている。 世界観は典型的で、アトラクションのミートザワールドさながらであるが、出会う人々は、ほとんどが誠実で親切であり、二人を歓迎し慈しむ。(一部悪役も居るが、憎めないキャラになっている) セバスチャンヌはあくまでも純真で可憐、特に疑問ももたないし、好奇心も旺盛で、女性としては控えめでおとなしいキャラクター。 声を演じる女性も、その印象を深めた演技を心がけている。 一方のセバスチャンは、とことんやさしく礼儀正しく、誰に対しても誠実で、楽観的である。大いなる愛で彼女を包み、彼女をリードする。 もともと台詞量の少ない映画であるが、このセバスチャンを演じている森川の演技は珠玉。 森川はハムナプトラでのブレンダン・フレイザーやスターウォーズ1・2でのユアン・マックレガー、その他トム・クルーズやコーリン・ファレル、キアヌ・リーブス、アダム・サンドラーなどの骨太の男から歯の浮くような2枚目までを難無くこなす演技派。 それが、このペイネでの純真可憐な青年役をいともたやすげに、裏声かとも取れる、高音でありながらもかっちりとした演技で、信頼感と責任感を匂わせる台詞回しである。 ありきたりの言葉を、ありきたりでなく、限りなく愛を含んだやさいしいトーンと言葉を通して見せている。 2002年の吹き替えだという話だ、すでにこの時点で彼は35歳のはずである、その年齢でこのような天使のような声が出せるとは、正直心底驚いた。彼の箪笥に隠されたヒミツの引き出しを、またひとつ見けたようで、ファンとしてとても興味深い。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004.11.01 13:22:31
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