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カテゴリ:吹き替え
声は顔に印象を合わせるべきか、元の役者の地声に合わせるべきか、はたまた役柄と全体の雰囲気からイメージされる声とすべきか?
これは吹き替えに伴う大きな命題であると思う。 平田広明さんの公認サイトの中の平田さんご自身のコメントの中に 『日本語版のキャスティングをする時、役のイメージ、声質や周りとのバランス等から果ては顔の骨格に至るまで、あらゆる事を考慮して決定されます。』 とあります。興味深い。 これに付け加えるに予算というものもファクターとしてあるのかと思う。 最近の超廉価再発版DVDの箱書きを見たら、たまに日本語吹き替えが入ってない。 声優さん達に2次使用料を払いたくないの? おそらく、まっとうな森川さんファンだと箱を確認して買わない方はいらっしゃらないと思うが、私はおっちょこちょいなんで500円DVDだったかな、あまりに安くてレジまで持っていくところだった、歩きながら裏の仕様を見て、字幕スーパーの文字のみで、音声に日本語の文字がないのに気が付いて愕然とした。 インターネットを徘徊すると、いろいろな情報を眼にする。 信憑性云々はあるが、意見の中には某社のDVDは廉価版すぎて製作の予算がなく、無名の声優さん(劇団系の方々?)が多数ご出演になっている作品に対して、演技云々の批判コメントがあった。 映画のファンとしては、DVDが入手しやすい状況なのは非常に大歓迎だが、声優のファンとしては痛し痒しの状況だ。 ただ、吹き替えのプロが集まって、綺麗な吹き替えをしたら、それが最高の作品になるとは限らない。 ここで再び平田さんのコメントを引用すると、いい声優さんなのに声があってないなと感じるのは、その声優さんが役のつかみ方に失敗しているとのこと、そうか~って思ってしまった。平田さんは役によって声を変えたりしないとのコメントもあった。森川さんの証言では監督さんから指示が出るときがあるという話なので(もっと若くとかもっと落ち着きをとか)役表現によって自然に声が変わるという意味だと希釈すると納得が行く。作り声では、いろいろな感情の表現を必要とする映画1本の長丁場は持たない。これはあくまでも、主人公級の出番の多いメインの役を念頭においてのことで、ひと声だけのスポットの場合は声優さんはいくらでも声を作って七変化に化けるのはご存知の通り。 私事になるが、一時期、今のように森川ファンになるまでの10年間ぐらい、吹き替え映画を見るのから距離を置いていた。 理由のひとつに、TVで映画をほとんど見なくなった(仕事でその時間に家に居ない)、CSやBSで先行してみているのでわざわざ地上波の放送時期(数年の時差あり)まで見たい映画を待たない、逆に地上波の映画は見飽きた映画が多く好きなもの以外は注意を払わない、コマーシャルがうっとおしいので録画してまでは見る気が起きないなどの理由がメインである。まあ、台詞がある程度原語でわかるようになってきたせいで、公開時にアメリカで見てきてしまったり、何本か遭遇した吹き替え演技での、なんとも珍妙な台詞まわしのせいで、原語でのニュアンスとのギャップに気がついて興ざめした経験があったからである。主人公級のメインのキャストに、「はぁ~何それ」という感じのべたな演技をされてしまったのは、今思い返せばタレントさんの吹き替えだったような気がする、タイタニックとか・・・例を挙げると差しさわりがありそうだが。それと、何本か立て続けにあざとい演技の吹き替えに出くわしたのも原因かもしれない。あざといというのが、平田さんのコメントにあった役のつかみ方を間違った声優さんの吹き替えだったのだろうか?こっちの方はあまり具体的な記憶がないので、根拠が薄い、もしかすると、当時すでに何本も原語で見るようになったせいで、画面から流暢な日本語が聞こえて来るのに違和感を感じ初めていたのかもしれない。 外国映画を日本語吹き替えで楽しむには、1つの関門があると思う。とにかく日本語吹き替えに慣れている事である。 キアヌ・リーブスが日本語をしゃべるのに疑念を抱いてはいけないのだ。ジュン・キューザックもエドワード・ノートンもブラピもみんな凄くいい声の日本語をしゃべるのがあたりまえでなければならない。頭を切り替えすれば、まったく問題ないのだ。そして声優さんの演技をあたかもブラピの演技のように楽しむ、そうやって声優さんのファン街道をまっしくらに走るのである。 さて、首記のテーマに戻ろう。 声は顔に印象を合わせるべきか、元の役者の地声に合わせるべきか、はたまた役柄と全体の雰囲気からイメージされる声とすべきか? 個人的には、地声に失望した経験が、某ドン・ジョンソン、ケイト・マクグルー、そしてほかならぬキアヌ・リーブスにあるので、吹き替えの声は顔の印象をメインにして欲しい。その上で、オリジナルの役者の演技を大切にしてさえもらえれば、画面に絶妙に嵌るのではないかと思う。ただ、オリジナルの演技より逸脱して上手すぎないほうが良いのではないかと思う。 (とはいえ、初期のオーランド・ブルームみたいな場合は、吹き替えの方に演技でのプラスアルファの部分を期待してしまうが・・・) 骨格から行くと、丸顔の森川さんは、コリン・ファレル、ユアン・マクレガーやブブラッド・ピットには良く合うが、トム・クルやキアヌには合わないということになる。実際のブラピはかなり低く深い声なので、顔の骨格だけでは声を決めるのは個人的には??だ、トムもキアヌも合わせてみれば結構というかなりいい感じだし、なにより密かにジョシュ・ハートネットも合うと思っている。今の一番押しは顔の感じではジュード・ロウが最高に嵌る。森川さんの声はかなり適合範囲が広い万能ハンサム声だなぁ~と実感するこのごろだ。 カルメン(18禁w)に恋して破滅するホセの顔なんて、日本人じゃ想像もつかないほどの濃さで、もう絶対日本語なんか合わない雰囲気だが、そこはそれ、森川さんの抑えた中にも感情を込めるテクニックのおかげで、かなり一喜一憂して観ることができる。 ここで問題発言、森川さんのDVD作品を最近本当に沢山立て続けに見ているので、いえる気がするのだが、最近の作品で特に自然さや抑えた中での感情表現の上手さが増してる気がする。黄金期が近いのではないだろか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004.12.07 19:37:54
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