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シルバーナの船室 (ペンギンの○○です!)

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2004.12.30
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カテゴリ:吹き替え
スタートレックに関して少し書こうと思う。
スタートレックは初期の宇宙大作戦のころから観ていたのでもう私のTV人生の総てといっても過言でないほど深く私の記憶にかかわっている。ネクストジェネレーション(TNGと略す)が始まったのが私が結婚した後だったので(うぁ~信じられない!!)、最初に吹き替えのすごみを意識したのがTNGからだ。
これには艦長ピカードの声の人が途中で交代するという大事件があって声優さんを意識するきっかけになった。とにかく全員がとてもオリジナルの俳優さんの雰囲気をかなり維持していて、原語から日本語に切り替えたときの違和感が本当に少なかった。
なにしろライカー副長(大塚明夫さん)とデーター少佐(大塚芳忠さん)が絶品の演技であった。交代前のピカード艦長の声がまたオリジナルのパトリックスチュアートそっくりで切り替えて聴き比べてひっくり返った、そっくりすぎると思ったからだ、そんなわけで麦人さんに変わった初期はかなり抵抗感があった。演技力の点では麦人さんの方がかなり上だったが悪くないなって思えるようになるのに10話ぐらいかかったと思う。
以前にも書いたが、とにかくデータ少佐が秀逸である、歌って踊るをまさに地で行く、しかも初期はアンドロイドゆえに基本的には感情がないのだが、とてもストレートで素直なキャラクター、シリーズを通じて人間性や感情を学習してゆく課程が素晴らしい数々のエピソードとなった。役者さんの演技がおちゃめでキュート、それを芳忠さんの素晴らしくセクシーな良い声がうまい具合に作用していた。演じるブレントスパイナーは別の映画で歌を歌いまくるのを観たので、やっぱりなぁ~と納得の芸達者。芳忠さんよりすこしだけ高い音域だが、同じように良く響く独特のしゃべり方、芳忠さんの吹き替えもその雰囲気を良く出していて絶妙であった。
あと、印象深いのが、当時艦隊随一の女ったらしライカー中佐がもう、響き渡る良い声の持ち主で、オリジナルのジョナサンフレイクス(先日公開されたサンダーバードの監督さん)の声もすごく雰囲気が似てるが、大塚明夫さんほど響きは良くないし、もうすこしメロウな感じかもしれない。
人間に育てられた心優しきクリンゴン人(クリンゴン人はもともと気性が激しい荒くれの好戦種族の設定)ウォーフの役が銀河万丈さんで、これまた太く太く演じていたが、それがまたかっこいい感じだった。

TNGのつぎに放映されたのがDS9。
宇宙ステーションが舞台で、シスコ司令官を玄田哲章さんが結構好演、キャラクターは大半が地球人以外というのがかなり過去のスタートレックシリーズとは異なっていた。これも語ればいっぱい話があるが、キャラクターで語るならちょっとへなちょこ系でありながら遺伝的に改造されたきわめて優秀な人間という設定のドクターベシア声は藤原啓治さん(しんちゃんのパパの野原ヒロシ)そして流動体生物オドー役の加藤精三さん(泣く子も黙る星一徹)で、この人と最後に結ばれる(ネタバレごめん)女丈夫のキラネリス副司令官役が小宮一枝さん(ダーマのママっていうか、もっと有名な役はいっぱい)の超ベテランコンビがかなり濃い演技を披露、それはそれは盛り上がった。そして、このDS9シリーズ中で最初から最後までもっとも憎まれた敵方カーデシア人、その外見がトカゲを彷彿させる彼らは、基本的にその外見どおり狡猾かつ冷徹な性格で描かれるが、中でもシリーズ通しての宿敵が司令官のガルデュカット声は幹本雄之さん(調べた)と、最初は謎の仕立屋として登場し後にカーデシアのCIAみたいな組織である特務工作機関オブジディアンオーダーの凄腕と判明するが最後に宇宙艦隊と友情の為に命を賭けるガラック(声が大川透さん)である。特にガラックは敵か味方か最後の最後まで疑わせたり安心させたりと、準レギュラーであったが深くメインのストーリィや人間関係のエピソードにかかわり、彼自身の生い立ちから生活感覚までの個人の内面までもエピソードを通してさらけ出してゆくというきわめて印象深いキャラクターであった。このガラックは、途中で宇宙艦隊士官(人間)との友情も生まれたり、裏切りもあったりと、本当に凄いセリフが連発するエピソードが何話もあった。
そう、それだ、大川透、この人こそDS9でのもっとも印象深いキャラクターの声と演技の主だった。
ちなみにこの大川さん、最近人気のアニメで大ブレーク、ガラックの彼を知らない世代が沢山フアンについたらしい。もともと実力演技派の彼が、アイドル的な存在感も加わって、今後どういう展開になるのか楽しみな声優さんの一人だ。
それともう一つ、この方トレッキー(スタートレックの熱烈ファンのことをそう呼ぶ)としても有名な声優さんで、宇宙艦隊士官にどうしてもなりたいらしい(声を吹き替えたいという意味で)そんなわけで毎回オーディションでは悔しい思いをされているそうで、いろいろ面白いゲストキャラで出演されてるが、シリーズが続く限り、新しいシリーズが始まる限り、大川さんの宇宙艦隊士官への挑戦が続くのだろう。そういう意味ではあっさりヴォイジャーのパイロットになってしまった森川さんが大川さんに背を向けるとやばい(笑)らしい・・・うそうそ。
とにかく、スタートレックに出ているキャラクターはみんな強烈な個性を持ち、しかも設定がしっかりしている分キャラがみんな生きている(立っている)そして秀逸なのは日本語版の吹き替えがとんでもなく素晴らしいという事だ、もうどっちで観ても完璧に楽しめる。
科学的には脚本に解釈間違いや表現の問題でマニアの間では常に物議を生んでいたが、個々人のキャラクターを表現するという意味では吹き替え版の果たした役割はきわめて重要であり、シリーズの人気を支えた重要な要素であることは絶対に間違いがない。
あと、男前の女性キャラクターは最終回まで行かないうちに死んでしまう、の法則があってこれだけはシリーズ構成作家の悪い癖だと思った。観ている層が男性が多い事を念頭に置いた、同情を誘う展開と、新しい女性キャラの創出の常套手段にされていた節がある。男前女性キャラでもっとも魅力的だったのが、女性艦隊技術士官として描かれるジャジア・ダックス(体の中にダックスという超寿命の寄生生命体を宿し、個性は二人の融合になっている)で、声は佐藤しのぶ(また調べた、笑)さん、もう、女の魅力全開なのに、非常に逞しくて知性的で寄生生物が300年ぐらい生きているために、その生物を宿していた先代の記憶を全部持っていて非常に理知的で老成した物腰、なのに本体が若い女性であるために恋も仕事も非常に情熱的で、どの艦隊士官よりも男前というキャラクター、シリーズ後半では荒くれで心優しきクリンゴン人のウォーフを攻略して結婚してしまうのだから恐れ入った。二人が艱難辛苦を乗り越え結ばれたー~~~~という矢先で志し半ばでの絶命という、シリーズ最高のお涙頂戴ストーリィ展開へと繋がって行く。彼女こそスタートレック史上最高の女性キャラだったと思う。この法則の最初の犠牲者はTNGシリーズの前半で活躍したターシャ・ヤー少尉で、あっさり殺されてしまったのが何とも口惜しかった。
そういう意味では、男前な女性キャラクターながら法則をもってしても死なせられなかったのがVOY(スタートレックヴォイジャー)の艦長ジェインウェイ(声は松岡洋子さん)だろう。歴代シリーズで唯一の女性主人公艦長(艦隊の提督や将軍あるいは艦長でが女性というのは何名か出てるがいずれもゲスト)演じるケイトマクグルーという女優さん自体がパイロット版撮影の途中で交代した2代目さんなのだが、初代ジェインウェイ艦長がちょっと雰囲気がお上品すぎたために交代されてしまったため、初代の方はTVには出なかった。
で、私はこのヴォイジャーのシリーズは仕事で長期滞在中のアメリカで日本での放映開始前に何本か観ていたが、実にジェインウェイの声が、おばはん丸出しで、しゃがれてる魅力のない声でかなりがっかりしていた。取り巻きの艦隊士官がかなり若手も含めて良い男そろいなのに何で肝心の艦長が・・・・と嘆きながら日本放映を待っていて、第1話みてもう感動した。松岡さんの声があまりにステキだったからだ。ジェインウェイの魅力は100倍アップ、しかもクルーの男性陣の声も全員まちがいなくオリジナルよりも魅力的だった。
そう、そして私はシリーズ通してもっともソフトで(DS9のドクターベシアみたいになよなよしてない)トムが好きになったのである。その声が森川さんだったわけだ。この段階でもうかなり声優森川智之にのめり込んでいたはずだったのだが、その事実に正味気が付くのに数年を要した、私はまったくの大ボケである。
そんなわけで、トムに対する思い入れは他のどのキャラクタ-よりも客観性に欠ける、実は後半にクリンゴン人のハーフの女性と結婚するんだが、シリーズ全部を通して、この二人の関係が最後までうまくいくかどうか疑っていた(笑)。なんだろう、嫉妬していたのかもしれない(爆)。
ちなみにヴォイジャーの中では、副長のチャコティも結構な女たらし役だと最終回に判明するし、まあシリーズとおして子供が出来た人はトム・パリスとチャコティぐらいで、この二人は確実に生々しい男性を意識させるキャラクターになっている。可愛いどころでは、シリーズ久々のアジア人キャラのキム少尉で(声は真殿さんですが、なんとなく役者さん同士が雰囲気もすごく似てる)トムの親友で、なにも知らない分からない若造の新人士官からスタートして、最終回までにさまざまな苦境と戦いと恋愛とを乗り越え一人前の男へ成長してゆくところがほほえましいし、それをトムがいろいろ援助したり絡んだりしてるところも面白い。スタートレックシリーズでは、何組もの男の親友が描かれるが、その中でも絆がもっとも深いのがTOS(オリジナルスタートレック)のキャプテンカークと副長ミスタースポックで次がやはりカークとドクターマッコイ、またマッコイとスポックの関係も深いが、他のシリーズではDS9でのベシアとオブライエンそしてVOYのトムとキムのコンビである。特定の二人がお互いに命を賭けられるほどに深く連んでいるというのは、この人達ぐらいである。男と女の関係以上に興味深い。

というわけで、今回はこのぐらいにして、またいずれ語ろう。スタートレックだったら一日中でも話ができるほどのネタがある。(以下キャスト一覧、某巨大掲示板より拝借しました、ごめんなさい)

【TOS】宇宙大作戦
カーク:矢島正明  スポック:久松保夫
マッコイ:吉澤久嘉 チャーリー:小林修/内海賢二
カトー:富山敬/田中亮一  ウラ:松島みのり
チェコフ:井上玄太郎 チャペル:公豪敬子/北見順子 
【TNG】新スタートレック
ピカード艦長:吉水慶(1~50話まで)/麦人(51話以降全部)
ライカー副長:大塚明夫 データ:大塚芳忠   
ラ・フォージ:星野充昭 ウォーフ:銀河万丈  
ディアナ:高島雅羅 ビバリー:一条みゆ希 
ウェスリー:石田彰 ターシャ:沢海陽子  
バークレー:田中秀幸  Q:羽佐間道夫
【DS9】ディープスペースナイン
シスコ:玄田哲章    キラ:小宮和枝
オドー:加藤精三    ベシア:藤原啓治/中村大樹  
オブライエン:辻親八 ジャッジア:佐藤しのぶ
クワーク:稲葉実    エズリ:石塚理恵
ジェイク:浪川大輔/石田彰
デュカット:幹本雄之  ガラック:大川透
ノーグ:山口勝平/岩永哲哉/坂口賢一
ロム:田原アルノ/山崎たくみ
【VOY】ヴォイジャー
ジェインウェイ:松岡洋子 チャコティ:石塚運昇
トゥヴォク:青山穣    トレス:五十嵐麗
パリス:森川智之     キム:真殿光昭
ニーリックス:長島雄一  ケス:小林優子
ドクター:中博史     セブン:沢海陽子
ボーグ・クイーン:榊原良子
【ENT】エンタープライズ
アーチャー:谷口節   トゥポル:本田貴子
タッカー:内田直哉   リード:井上倫宏
メイウェザー:浜田賢二 サトウ:岡寛恵
フロックス:茶風林





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Last updated  2004.12.31 02:47:16
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