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カテゴリ:声優
森川さんの演技を1年近く熱心に追いかけて、最近、気がついたこと。
彼の肉体的な好不調の波と、演技の好不調の波は決して一致しないのかもしれない。 演技の好不調はやはり精神的なものに起因するのだろうと思う。 もちろん、肉体的に弱っているとき、体調が悪かったり、疲れていたり、寝不足だったりすれば、それは演技にひびくはずだが。 彼の場合、不調の波は必ずしも肉体が弱っているとき、たとえば風邪を引いてしまったときとか、そういうときではないのではないかと思う。 成果物であるドラマCDやTVを聴く限り、たとえ鼻声でも、彼の演技の確かさ、絶妙さ、解釈のすばらしさは揺るぎがないからだ。 むしろ、忙しすぎの時期、もしくはそこからちょっとピークがすぎたあたりに、演技者としての不調の波=スランプが来るのではないだろうか? 昨日のガラスの仮面、収録時期はいつかな?最低一ヶ月以上は前だと思うが、やや演技のメリハリが低調。 3月後半、4月はじめなら、ライブパスコレの前後か?めちゃくちゃ忙しかった時期かな? 正直、夕べの速水真澄な森川さんの演技を聞いて、ちょっと心が疲れぎみじゃないかと思った? 台詞を読んでるという部分を感じて、ちょっと、おや?っと思ったのだ。決してあざとい演技というわけではなかったし、真澄としてよく感情も表現されてはいたのだが、それでも私には、なにかが引っかかる、絶好調のときとは違う、微妙な変化。微妙な違い。 同じく、今週のギャラリーフェイクの藤田の演技が、あざとい、あざとすぎ。 これこそが、調子崩しの突端あたりに居ることを証明している気がする。 BLCDで、ごく最近発売になったもの、主演ではないが、微妙だなって前半思わせた作品がある。 別録りで、みんなより先にスタジオに入って(前の日の夜遅くとかなのかな?)先に録音している。 こういう、別録りはむずかしいので、一部の演技力のある役者さんにしか許されていない。 もちろんみんなで一斉に録るのが本道だし、出来上がりは一番だが、どうしてもその人(たち)だけスケジュールが合わない、しかしどうしてもその作品でその役で出てもらいたい役者さんだけ、その演技力を信じて別録りをする。私が聞くたぐいのドラマCDでは、過去には緑川さんや子安さん三木さんなど売れっ子がスケジュールの都合で別録りというのが多い。あとベテラン級で小杉さんや井上さん成田さんなど・・・外画ではかの有名な若山源三さんが、もうずっと別録りなのだそうだ、彼の場合、なにか個人的な理由があるらしいが・・・ そして昨年末から今年に入って発表される作品は、かなりの頻度で森川さんが別録りになっている。 これはおそらく、現在の彼のTVのレギュラー数が半端じゃないからなのだと思うのだが・・・(GF、ガラカメ、アクエリ、スピグラ、マ王、初恋、(ブリーチ)、ラジオ・・・WOWOWアニメ) 現在8本(プラスアルファ)が役休みがないかぎり毎週入っている。これは近年でも相当にレギュラー仕事数が多いほうではないかと思う。 彼の場合、別録りでも演技の出来にはまったく問題なく、問題はほかの役者さんとの演技のテンションバランスである。 森川さんが後で録るパターンであれば、一人上手と呼ばれるほどに、まったくもって問題ない、聴くものに違和感も別録りであることの片鱗すら感じさせないあわせ上手なテクニックを披露してくれる、神様の~ではエッチシーンすら別録りでこなしてしまったし、それも恐ろしいほどにうまく録れている。 しかし、森川さんが先行の場合、後攻の人は彼のテンションにあわせてくれない、あわせてくれないのではなく、あわせることができないのかもしれない、とにかくテンションが微妙に違うのである。こういう微妙な感じは、ドラマ(BL)CDをきけば絶対にわかってしまう。 というのも、森川さんという役者さんは、演技のテンションまで、絶妙に相手の役者さんにあわせ、そのシーンの雰囲気の緩急をもリードしているのだということが、先行型の別録りを聴くことで、実感できるのである。彼がリードし合わせてあげないと、もう一方の役者さんは、ひたすら自分の演技をするのだ。 そして、今回の作品も、演技の前半、とくに出だしからしばらくが、微妙な感じだ。 後半は、おそらく相手の役者さんも、別録りで聞こえてくる森川さんの演技に慣れたのであろう、うまくマッチしている。 というか、別録り側の森川さんが、実に相手の演技を予想したすばらしく絶妙な演技をしているようにも聞こえる。贔屓目かもしれないが。 こればかりはさすがというか、場数踏んでるだけのことはあるなと関心する。 そんなわけで、たとえ別録りであろうがなかろうが、特に相手の役者さんががうまければうまいほどに、演技の興が乗ったときの爆発的なすごさ、格別なうまさを持つ役者である。 だから聞いてるこちらでは、鳥肌が立つ、驚きに目を見張る、背筋に寒気が走る、そんな、うぉおお、えええっと思える演技をするときがある。 そんな鳥肌物の作品がある役者さんである。 そういう演技の爆発を知ってるだけに、平均レベルの演技を数きくと、だんだん彼の好不調の波でそのときどのあたりかが見えてくる。 もちろん、演技力に問題ないレベルなので、たとえ不調でも、水準は維持してるし、聞く人によってはぜんぜん不調とは思わないかもしれない。 それこそ、かれこれ19年近くプロ声優としてやってきているわけだし、少なくともここ10年以上、緩急があるにせよ、今に近いぐらいの仕事量をずっとこなし続けている。 そんな、声優界でもトップクラスの仕事量では猛者の一人である。 それでもやっぱり、役者として息切れするのだと思う。 スランプと思わせる演技は、疲れのせいなのか、たまたま前日に時間が取れなくて準備不足のせいなのか、はたまた監督のそういう演技の演出なのか、森川さんがご自身が役をつかみ損ねているのか、そんなことは本人に聞かないとわからないし、聴いてもわからないかもしれない。 でも、これだけ、数きいてしまうと、聴く側のこちらは、微妙に、おやって思うときがあるのも事実だ。 たくさんの彼のドラマCDやBLCD、そしていくつかのアニメの演技を聞けば、これは乗れてないな、役が上滑りになっているな・・・というのが、まったくないわけじゃない。 それでも、そういう印象は、何本か連続で聞くと気がつきやすいのだが、最初に聴いた第1印象がそういうスランプ系の演技であっても、全編を通してでそういうことは少ないし、そんな部分があったとしても、聞き込むと、彼のうまく流すテクニックにごまかされ、印象が薄れて気にならなくなってしまうことが多い。 それでも、おやって思うと、森川さん、テンパってっしまって(あんまりたくさんお仕事を一度に詰め込みすぎて?) きちんと精神的なリフレッシュができてないのじゃないか、そんな危惧を感じさせる。この人はとにかく休まないから。自分でも言ってるけど・・・ (その2へつづく~) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.05.18 18:57:24
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