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シルバーナの船室 (ペンギンの○○です!)

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2005.05.18
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カテゴリ:声優
(~その1から)
たとえば、肉体的疲労には睡眠で回復するが、精神的な疲労は肉体の休息だけではなかなか回復しないものである。
前の役の心理をひきずってきてしまうときって、役者だもの、そういうことが起きても、おかしくはないはずだ。
こういう場合、本当なら、すこし、ぜんぜん演技から離れて家族や友人と面白おかしく過ごせば簡単にリフレッシュできるものだろうに。
それもせずに次から次へと仕事を続けていると、なんとなく精神の疲労が回復しないまま、リズムが狂ったまま、仕事を続けてしまうことになる。
そう、そんなぎこちなさが、私が感じた違和感の正体なのではないか?どうなんだろう。

彼は、気持ちの切り替えが早いって自分でも言っているし、実際そうなのかもしれないが、それでもそう簡単でもなさそうと思わせるトークをしているときがある。
いくつかのBLCDの収録後のフリートークで、妙に照れておちゃらけたり、笑ったりしているときが、そういう時だ。
この人はこっちの世界に完全には戻ってきてないなと感じる。
だが、彼自身は、自分はすんなり切りかえられると思いこんでいて、むしろ自分の心に無理を強いているとしたら、その状態のほうがちょっと心配。

森川さんの、心の持って行き方が微妙な時期に、役者としてエキサイトするような刺激的な良い脚本に出会えないままで、ある意味仕事環境が煮詰まってしまったのだとしたら、それが4月前半(そんな気がするだけであるが・・・)なのかもしれない。出演してる全作品でそういうわけではないだろうし、オンエアーのタイミングはそれぞれ違うので、収録時期とオンエアー時期ずれから、塊でそういう時期が見る側に来るわけではないであろうが、それでも、ある意味に煮詰まり傾向が見え隠れする時期にさかかっているのだととすると、しばらくそういう傾向が続くのでないかと思う。
いつごろまで、こういうへこみ系の演技がつづいいて、どのぐらいキャラが崩壊して、どこまで落ち込むのか、そしてその後どういう風に立ち直っていくのか、とにかく静観して見守りたい。リアルタイムで森川さんを追いかけている私には、こういう体験は初めてである。
できるなら、彼のスランプ(なのだとしたら)が、とても小さい底であることを祈る。
それとも、聴く側であるこちらがスランプで、あちらがスランプに聞こえてしまうなんてことももあるのだろうか?
どうだろう・・・

ご存知だろうか、人間は、歳をとると涙もろくなる。
若いころは形成されてなかった、感情や記憶の積算領域が、歳を重ねるごとに、記憶をつみかさねるごとに、経験を重ねるごとに、その堆積層が厚みをましてゆくせいで、脆くなって崩壊しやすいのである。
ひとつの感情刺激が引き金となって、どんどんその下の層の過去体験や記憶や知識が、感情面で呼び覚まされ、それが引き金となって連鎖反応的に感情なだれを起こす。
だから、年寄りは涙もろいのだ。過去の数々の悲しい経験や体験記憶が同時に引きづりだされ、それが制御できない感情の渦となってあふれ、普通の若者のだったら涙がでないシーンであっても、年寄りは涙を流す、思わずこみ上げてきた感情を処理できずに右往左往してしまう。
すなわち、若者よりも年齢を重ねた大人のほうが情にもろいのである。
だからこそ、経験豊富な役者は、いろいろな意味で深みがある演技ができる、そしてその一面的でもありきたりでもない、経験の堆積物の片鱗を見せる演技こそが、見るものを感動させるのである。ベテランのうまい役者というのは、そういうものだ。
その役者が演技をしているときというのは、客観的に自分を見つめている上位の感情部分とはべつに、それそのものになりきっている、演じている下位の深層の自分が居る。
深層心理にアクセスし、そういう人格を形成させて精神内で自己の一部分として行動させ、それを外に出すことでその役を演じるのである。
この精神内で架空に形成したキャラクターを、無意識の海の深遠に永遠に葬るのか、簡単に呼び出せるように浅瀬に待機させるのか、上陸させて自分の一人格として好きに行動させるのかは、上位に支配する客観的な自分が完全にコントロールしているはずだと、思い込んでは居る。
だが、そうは問屋が卸さない。波打ち際でいつまでも見え隠れしているいくつもの人格を、どうやって無意識の海に沈めるのか、ドラマで体験するすさまじい感情の大波が刺激することであふれ出す、過去の経験や記憶を、どうやって跡形もないまでに推し戻し、架空で擬似のものとして心の中で処分するのか。
人は、口で言うほどに、それほどに器用ではないはずだ。
だからこそ、声優さんは仕事が終わったあとに深酒になりやすいのだと思う。
酔って、興奮している神経をすこし麻痺させて、高ぶった感情や押し込めきれない、整理しきれない、波打ち際のさまざまな感情や記憶の断片を、お酒の威力でもみ消そうとしているのである。それは、興奮のステージを終えたミュージシャンの反応に少し似ている。

話がだんだんそれてきたので軌道修正・・・
リアルタイム感といえば、ラジオがだいたい2週間遅れでのオンエアーなはずなので、一番最近の好不調がわかる手段である。
実は1ヶ月ちょっと前ぐらい、なんとなく微妙だなって思える時期があったと実感している、それが今週のオンエアー作品の前後なのかどうか、それはわからない。
いつが谷底なのか、これから谷底へどんどん落ちるのか、それとも谷はもうとっくに越えているのか?
そういう意味では、ラジオでの森川さん、先々週あたりから突然、実に調子がよさそうだ。
髪の毛短く切ってからだ、ライブパスコレからしばらく後らしいが、この時期に吹き替える作品群が聞けるのはドラマCDで6月後半、映画アニメは7月か?
最近映画を結構やってるのですが言えないという言い方をしていたので、長編映画でむしろ役者として精神的にリフレッシュできてしまったのか?それほど刺激的で面白いやりがいのある作品に出会えたのか?そして今、だい好きな歌も歌ってるしね・・・
こういうポジティブな刺激のある時期の演技がどんなであるかを、あとでじっくり確かめてみたい。


<追記>
アクエリオンのトーマ、6話あたりから声のトーンが低めになってきてる、7話顕著に低い気がする。
最初はあんなに高めの声でやっていたのに、どんどん低めに変えてるのだろうか。それともトーンを低くしろと演出されたのか?
はたまた、初期に高いトーンでやっていたのを忘れたとか(それはちょっとありえないよね、演出監督さんが居るわけだから)
低い声のトーンのキャラはたくさんやってるからこそ、トーマの高めの声は印象深くてよかったのに、このまま低いままでどんどん話が進むのだろうか?
ちょっと残念だ。演技自体はすごくいい感じなので、こっちは安心してみていられるが・・・





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Last updated  2005.05.18 18:32:57
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