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シルバーナの船室 (ペンギンの○○です!)

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2005.06.06
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カテゴリ:映画
キングダム・オブ・ヘブン(KINGDOM OF HEAVEN)
製作:2005年、アメリカ
監督:リドリー・スコット
出演:
バリアン・オブ・イベリン:オーランド・ブルーム
シビラ:エヴァ・グリーン
ゴッドフリー・オブ・イベリン:リーアム・ニーソン
ティベリウス:ジェレミー・アイアンズ
ザ・ホスピタラー:ディビット・シューリス
ルノー・シャティヨン:ブレンダン・グリーソン
ギー・ド・リュジニャン:マートン・ソーカス
サラディン:ハッサン・マフード
エルサレム王ボードワン:エドワード・ノートン

>>ストーリィ
どこかの映画紹介を見ていただければ簡単だが、以外とネタバレしないで書くのはむずかしいです。
12世紀、賢明なエルサレム王の英知で、イスラム王との一触即発停戦状態を維持していた。
エルサレムは3つの宗教の聖地として、他の宗教の存在も尊厳も許さないお互いの教義を曲げながら、聖地は存在していた。
フランスの鍛冶屋であったバリアンは運命の荒波に押し流され、この地に赴く。父の教えと聡明なエルサレム王により、やがて真の騎士道に目覚め、
最後まで信念を曲げず、人々を救うために奔走する。やがてエルサレム王国はイスラム王軍20万をエルサレムで迎え撃つことになる。

>>感想
この監督は「グラディエイター」「ブラックホークダウン」などの大作でメッセージ性が強い作品をつくることで有名な方。本作もお金はトンでもなくかっかって居そうだけど、正味全米公開後の出足はに鈍く、大赤字決定、作品が悪いのではなく、メッセージに含まれる内容が白人社会へのいやみでもあり、直後にスターウォーズなる娯楽の化け物にとどめを刺された。公開時期が悪すぎたと思う、個人的にはアカデミー候補に是非11部門ぐらいノミネートしてほしい。本当の受賞は衣装とか撮影賞がいいと思うけど。
というわけで、今回もやってくれてます。映画として、アイドル主演の娯楽超大作を期待する方には、ちょっとマトはずれの感覚を味わうかもしれないが、映画好きでであれば唸る1作。
これはキリスト教国圏では積極的ヒットは望めないかも、かといってアラブ圏でもしかり、微妙なストーリィである。
主人公は12世紀のフランスの鍛冶屋のバリアン(オーリィ)、妻子を亡くして陰鬱な状況へ、リーアムニーソン(まるで、まんまスターウォーズのクワイガイジンのような雰囲気)が十字軍遠征の途中で立ち寄り、父だと名乗る。イベリン王である父に反発を感じながらも、いろいろあって同行することになるバリアンは、その後も主に自分の意思というより、さまざまな外的要因である運命に翻弄され続ける。彼は途中でこういう考え方を身につける、コレが神の意思ならば・・・結果は良い方向へ向くはずだ。(なんとかなるさ、だね)
何がすばらしかったかというと、らい病で瀕死にもかかわらず、イスラム王のサラディンと必死に和平を保とうとするエルサレム王の存在。
彼のものすごい存在感と為政者としてしての高貴さ高潔さに台詞設定役者演技すべてに関心した。仮面と全身包帯の男から発せられる真の高貴さは、昔はこんな王も居たのかと思うと、現代の王の居ない時代に育った身分平等派の人間である自分でも、たくさんの人をかしずかせるに値する絶対的な高貴な存在を否定できない気分になった。
そして、同じ臭いのする高潔なる為政者、ただしかなり獰猛さもともなうイスラム王のサラディン(発音はサラハディン)。彼の雰囲気はアラブの人々の持つ価値観とプライドを代表し、現在に投影して見せている。これまた、数十万の軍を率いる将たらん男のなかの男、ミーハーな言い方をすれば、本作品で超かっこいいのはこの二人の王である。
これだけで、見た甲斐があったといいうものだ。
さて、観た方はお分かりになると思うが、主人公バリアンはロールプレインゲームよろしく、途中でいくつかの選択肢を選ぶ瞬間がある、そしてもっとも大きな意味を持つ選択肢を選んだあの時・・・小さな悪をなして大きな善を行うという、真の為政者の後継としての選択肢ではなく、己の信義に忠実な騎士としての高潔さを選んだ彼を、責めきれないけど残念そうだったティベリウスの気持ちがよくわかった。あのときバリアンがもう一方の道を選んでいれば、こんなに人が死ぬことはなかったと思うし、歴史は大きく別の道をたどっていたわけで、史実には反してしまうのだろう。バリアンのように自分の良心に忠実という行為は、為政者としてみたとき、正しい選択肢であるとは限らない、自分自身を汚して貶めてでも、結果として民のためになる道を選ぶ、それこそが、生まれながらの王道を行く真の為政者だ思う。ま、バリアンは青い奴であったことに違いがない、結果オーライとは同意しかねる結末だし・・・ボードワンさえ生きながらえていれば民は幸せであったのだが、いつの時代にも、良い人ほど・・・これ以上はネタバレになるので避けよう。
見終わって、ドーンと胸に来る話であり、思ったよりも重い映画であった。今のイスラエルがどうしてあんな状態になったかの一端を知る、もしくは興味をもつきっかけとなる映画かもしれない。本作はあそこで繰り返されてている限りない悲劇のほんのワンエピソードにしか過ぎないのだが、宗教の教義の良い点である善なる魂と善行の勧め、一方で大儀名文を掲げながらも相反する行動をとる人としての醜さ。私利私欲におぼれる権力者のおろかさや無知無能さ冷酷さを思い知らされる。典型的な悪党チームが出てくるんだけど(ギーとルノー)、絵にかいたような悪役なんだけど、きっとこんな人たちがどこの国の権力の中枢にもいたに違いない、今も居るに違いないぞと思ってしまう。

>>役者
リーアム・ニーソンってこんな役が最近多いよね、上でも触れたが、スターウォーズのクワイガイジンの人格そのままという感じがするし、K-19での艦長(副長)役もそうだった。
この人の顔や醸し出す雰囲気が、こういう高潔なる指揮官とか若者の才能を見出し正しい方向へ導く導師を連想させるのだと思う。そしてこういう役のこういう顔をみてしまうと、声優の津嘉山さんの声が自然にでてくるから、もう刷り込み状態だ。
それにしても本作品のなかで秀逸なのは、脚本の筋書きというより、各キャラクターの台詞だと思う、渋い演技力優先の俳優陣(除く1名、笑)が、どの役の人物もリアルな魅力や印象深さを醸し出している。そしてリドリー監督のお気に入りの秘蔵っ子のオーランド・ブルーム、巷では脇に食われまくりだの、線が細くて主役に向かないだの、演技が下手なので台詞が削られただの、見る前からいろいろうわさを目にしていたが、全部事実だと思った(爆)。でも、それでこの映画の魅力が減っていない点がすごいし、は実は成り立ってるし、これでよかったと思う。このオーリィ役にそれこそアラゴルン役のヴィゴなんかもってきたら、最後に絶対勝ってイスラム軍を撃退するに違いないと、顔みただけで思ってしまうし、(実際どうなるかは見てのお楽しみ)、ブラピじゃそんなに遠慮してるけど、裏で姫さんところに忍んで通ってるかもしれないぞ・・・なんて邪推まで働いてしまう。オーランドのもつ、どこかはかない少年ぽさと、線の細さ(それでも相当に体を鍛えて、剣が強い役を見事に熱演していた、ちょっとかなり以前よりはたくましく見えた)が、周囲の部下たちにこの人を守るぞ、でも結構ほうっておいても結構つおいぞ感があって、いいんゃないかと思う。監督の狙いは成功している。演説シーンとかの台詞がいっぱいっぱいな件も、そういう若者だと思えば、悪くない。大根結構、すばらしくいい表情をしてたので、この役者はやっぱりカメラ栄えのするいい役者だとおもった。監督が気に入ってるはずだ。目がいいね。でも、大ヒットする大活劇娯楽映画では、まだ主人公を張らないほうがいいと思う、今後も素敵な脇で経験をつんで、したたかさと線の強さを身につけてほしい。
だって、エドワード・ノートンよ、この人の存在感のものすごさに、病でくずれた顔を仮面で隠し、痛みの苦痛に耐えながらの全身での演技は、最高のアイコンだった。
公式サイトのキャストに写真がないけど、映画館の宣伝ディスプレーでは4人の中に居るし、扱いがまちまちなのが気になったが、間違いなく4人のうちの一人だと思った。
吹き替え版の声の方を知らないが、これ、いつか是非森川さんにやってもらいたい、今の森川さんなら出せそうな高潔さと正義感と静かで抑えた演技の中に激情(怒りと絶望)そして達観、これらをあの出番と台詞で表現しつくせるエドワードに匹敵する演技力の声優って、宮本さん平田さん藤原さん森川さんが思い浮かぶが、その中でももっとも涼しくて高潔な声が出せそうな森川さんにぜひいつか(TV版で)吹き替えしてほしい、そんな願望がふつふつと沸いた。





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Last updated  2005.06.06 18:32:22
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