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シルバーナの船室 (ペンギンの○○です!)

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2005.08.15
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カテゴリ:声優
正直な感想を書くと、DVDで撮られる3人の中では、夜の部の森川さんが特に喉のコンディション調整に失敗したなと思う。
スポーツ選手が試合にベストコンディションを持て行くように調整をつづけても、予選でピークが来てしまって、決勝では疲れてしまって力が出ないことがある。おそらく森川さんは自分の年齢的な衰えを考慮に入れずに居たのだと思う。38歳はまだまだ若いが、けっして20代30代前半ほどには若くはない。普段普通に生活している人ならまだしも、30代後半40歳代は一番過労死や自殺とうつ病発生が多くなる過剰労働世代である。仕事をトレースしてても、その量も質も半端でないことはわかっている。その仕事量を減らさないでのライブである、最初から周囲のファンが心配するとおり、ある意味無謀に近いものすら感じていた。それが出てしまったのではないだろうか?
自称ラテン歌手の立木さん(実は私と同じ年)は一見飄々としていたが、実は彼も相当に堪えていたと思う。ただ彼の場合、もとがハスキーボイスなので、影響の出方が顕在化しにくいのだ、それでも、実は夜はかなり辛そうなときが多かった。それと、夜は立木さんと森川さんのコーラスのコンビネーションも崩れがちだった、好調なら自然に片方が主メロを歌い、片方はアドリブや高音を担当するのだが、お互いにゆとりがなくて、サビも含めて主メロめいっぱいのシーンが増えていた。最初にどっちがリズムを狂わせたのかはわからないが、とにかく夜の部は二人とも疲れが出てかなり前半にリズムに乗り切れない辛さが集中してしまった。

もともと体育会まるままの人生を歩んでいる、全力疾走傾向が止められない森川さんは、ライブが始まったらセーブが効かない。
歌が始まると、どんどんステージアクションも含めてライブを引っ張る。バンドのキュー出しも森川さんが(アンコール最後のメドレーで岩田さんに譲った以外は)全部やっていたし・・・
まず、グロッキー傾向が現れたのは森川さん、昼の部前半で相当にパワーを使い果たしたのか、アンコールの段階ですでにパワーダウンが始まっていた。風の歌での入りが遅れたのが効いたか、それとも音程をたどりにくくなったのに動揺したのか・・・
そして夜の部までの長いインターバル、完全に喉も体も冷えてしまって、リズムを狂わせていたように思う。
夜の部では収録カメラが沢山回っていたのや、2階に関係者やゲストが沢山来ていたのも影響していたのかもしれない。
効いた話では小杉”じゅじゅ”さまが浴衣着流しで御登場になったとか(えええぇです)個人的には遠目に檜山さんぽい人と櫻井さんぽい人を見た気がするが(他人の空似以上に怪しいです)、森川がゲストに臆する奴だとは思わないので、それではないだろう。

夜の部の1曲目のサビで、いきなり昼まで出していたような綺麗な高音が、うまく出せないことに気がついて、内心かなり焦ったのかもしれない。すでに喉の状態がかなり限界にきていて、ハードシャウトはできてもスローでブルージーなナンバーでのメロウな歌い上げでは、普通に声を出してもかすれるか裏返るほどに喉が冷めてしまっていたのだと思う。
それで、こういう場合には、どう歌い方をコントロールしたら上手くこの場を収めて切り抜けられるか未経験の領域だったのだろう、それでもすごいなと思ったのは、とっさに歌い方を切り替えて、喉に負担が少ないやわらかい発声を試みていたことである。しかし、マイクで目いっぱい拾ってもらえるスタジオでならなんとかなっても、何よりバックに負けないボリュームが必要なライブである、こればかりは相当にきつかったと思う。彼がどう歌えばこの状態の喉のコンデションで高音が伸びるか模索している間に、4曲が終わってしまった感じだった。しきりに水を飲んでいたのは、喉が痛かったのかもしれない。
(Queenのフレディはこういうときはキーを変えて歌って見せるテクニックがあったが、これはプロの高等テクなので、この場合とっさには難しいだろう。)
彼の心の動揺は、まず曲の入りのずれで如実に物語っていた。
永遠の夏だったかな?ついにサビコーラスの入りを完全に間違えた。もはやバックも冷静に聞き取れていなかったのじゃないかと思う。そして、そのまま突入したMC、彼の動揺とトーンダウンを如実に表すよれよれ状態。立木さんがもともと、MCでギャグを拾えない人だったのも痛かった。これが檜山さんなら、それなりに応急処置をしてくれて場を持たせて森川が冷静になる時間を与えてくれたかもしれないのだが・・・・すなわち立木さんは歌では余裕があるように見えていたが、実は彼こそが昼の部ですでにいっぱいいっぱい状態であったせいで、夜にはMCでまとめられない人(舞い上がった言動不審者)になっているということが露呈したのだ。
立木さんは、森川さんが調子を崩したことは、隣で耳をそばだてて歌っているわけだし、練習から一心同体になっているのだから、敏感に感じていたはずである。それで立木さんも動揺したのかもしれない。
そんな状態で歌ったゆめのありかだったが、それでもよけいに丁寧に歌うことで、綺麗にまとめることが出来た、十分感動できるシーンとなった。
そんなこんなで再度のMCで、森川さんは話を宇宙へ飛ばす立木さんの超ボケを何ともできず、とどうにもならならないまま、どよどよ状態でバンドメンバー紹介に突入、話題もなんだかとりとめないものになってしまった。
かくして、MCではテンポをつかめず回復できないままだったが、とにかくパーティソングのALL MY LIFEへ突入。
このタイミングでのこの曲は救いの神だった。
この曲に限って言えば、夜の部の出来はかなり良かったと思う。
高音も音圧を上げてシャウト系にすればどんどん伸びる、そうなのである、しっとり歌う歌い方はかなり後になって体得したもの、でもこのシャウトは若いときから鍛えてやってきたもの、シャウトは相当に喉がいかれても、訓練がなされていれば出てくるものなのだ。(応援団の人がそう)
森川さん、この高音シャウト曲のおかげで、なんとか自分を鼓舞して浮上をはかり、居直って勢いで後半をねじ伏せたように見えた。
アンコールEVER FREEと3人メドレー形式のところでは精神的にもかなり復調していた。
メドレーでQuetionのイントロが流れると会場がひときわ大盛り上がりになったので、いかにこの曲に人気があるのか、いかに会場を埋めつくすファンの中での森川さんファンの比率が高いのかが如実になった一瞬であった。そして、岩田さん立木さんが歌うQuetionは面白かった。

そんなこんなで、思うに夜の部は、彼には一部不完全燃焼なまま鎮火してしまった感じがするが、きっと後悔はしていないだろう。
自分の歌う喉が、未知のプレッシャー領域でいかに取り扱うべきかをひとつ学んだのではないかと思う。今後に似たケースがあるならば、こんどこそインターバルではあまり体を完全には休ませすぎないこと。シャワーを浴びた(浴びたに違いない)あとに体を冷やさないこと、喉をスタンバイ状態を維持するのにどうするか自分なりの方策を考えることだ。
私の知っている外人の高音シャウト系シンガーは待ちの間は絶対にしゃべらない、ハーブの吸入をしたりホットのドリンクを飲んだりしながら発声練習だけ楽屋でやり続けていた。

さて、いろいろ批判めいたことも書いたが、正直、昼の部での声の調子もボーカルラインも絶品だっただけに、夜はかわいそうだったのだ。その上、森川さん、夜の部の皮ズボンがずるずるで(笑)ライブの間中に何回もズボンをずり上げるというめずらしい光景(しぐさ)を目撃した。
ズボンが気になって集中力がそがれてしまったのかもしれないが。(小さなつまずきやほころびとかが気になるタイプなのかな?)
なら、そんなでかいズボンをはくなよとも言いたいが、おそらく自分が想像した以上に体が細くなっていて、彼は当日までそのことに気がつかなかったのだろう、以前から履いていた皮ズボンをそのまま持ってきて履いたのに違いない。ダイエットしていたわけではなくて、コンサートに向けてトレーニングした結果締まったのだとしたら、それは歓迎すべきことだが、それでズボンがずり下がるのは、ちょっと困った展開だった。
この夜の部ズボンずりあげ事件、のちのち本人の口から何らかの形で語られるのかもしれないが、実に楽しみだ。

総合すると、昼の部に参加した人が一番幸運だったと思う。
とにかく全編とおしてボーカルが良かった、特に新曲では永遠の夏でもきちんと歌えていたことと、MOONVENUSではかなりアルバムに肉薄する出来だったし、初披露とはいえ、1stのWandererがアルバム以上に迫力と色気があって、痺れる仕上がりだったこと。ギャンブラー・EVERFREE・HPDのハイスピードナンバーはどれもアルバム以上にテンポとグルーブ感があって、ライブならではのすばらしさだった、惜しむらくは風の歌のボーカルライン、メロディが取りにくいせいで森川さんの苦手が出てしまったことか、この曲に関しては昼より夜のほうは丁寧に冷静に歌えていてよかった。昼は勢いでこの曲になだれ込んだせいか、勢いあまって上手く音がとれていなかったような気がする。その問題の冒頭部分をのぞけば、Bメロの「砂漠の~」のあたりではアルバムと同じ感じを上手くだしていた。
全体を通して、サポートのコーラスの高音がとても綺麗なタクト君が居てくれて、コーラスやエコー効果をやってくれて歌に厚みが出て助かった部分が大半であるが、一部よけいに助からなかった部分もあった。声質は森川さんに似ているが、タクト君の声は綺麗すぎて、むしろ森川さんの高音の声のパワーと質の良さを再認識した。ただ綺麗なだけでない艶と凄みがライブでの森川さんの声にあった。

歌以外のところの感想をもう少し書くなら、目が行ったのは、やっぱり恐ろしく太い二の腕、盛り上がる背中の筋肉。
普段どんなトレーニングしているかしら?
しかも汗でTシャツがおなかに張り付くと、腹筋が割れてるのがあらわになるし、ちょっとセクシーを通り越してすごいなと思って観てしまった。夜の部で岩田さんが鍛えて筋肉質になった話から立木さんが森川さんの筋肉話に持っていこうとするのを、必死に振らせない防御体制。自分の筋肉自慢へ展開させずに絶対に話題を避けるのはなぜ、ただ照れくさいとかの感じじゃなかった。自分で理想に描いている状態とは遠いから??平均をはるかに上回る胸板と盛り上がるような背中の筋肉と腹筋、そして二の腕の太さ。(うっすらと巻いている脂肪の丸みがなかったら、ちょっとマッチョすぎて気持ち悪いの方向に行ってしまいそうだが、彼の場合は丸い熊さんのよう)Tシャツを着る季節では隠せないマッチョさが彼の中のどの側面を物語っているのか、謎の多い人だ。

最後に、今回のライブは、演る方もきつかったが、観るほうも大変だった。
予想以上に落伍者がでなくて、みんな最後まで手を振り続けていたので、ファンというもののエネルギーには正直感動した。若さも手伝っているだろうが、並びから始まって開始までに1時間、2組ステージで3時間、前が押したので、ただちに夜の部で連続の人は即並びでさらに1時間、そしてライブ3時間、都合8時間@プラスアルファと、事前にわかってはいたが、炎天下での並びの約30分を含め、想像をはるかに超えて、足にも体にも厳しかった。
そんなわけで、翌日の今日はほんのりとしたけだるさのある倦怠感を感じながらの仕事。昔もよくあったなぁと、コンサートの満足感と終わってしまったことの喪失感、そして仕事に戻るいやいや感が私を交互に襲っている。





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Last updated  2005.08.15 18:07:56
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