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シルバーナの船室 (ペンギンの○○です!)

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2005.10.04
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カテゴリ:映画
久々に映画鑑賞の感想を(森川さんとは関係ないです)

「シン・シティ」監督:フランク・ミラー、ロバート・ロドリゲス
クエンティン・タランティーノ
製作:フランク・ミラー、ロバート・ロドリゲス
エリザベス・アヴェラン
原作:フランク・ミラー
脚本:ロバート・ロドリゲス
撮影:ロバート・ロドリゲス
編集:ロバート・ロドリゲス
音楽:ジョン・デブニー、グレーム・レヴェル、
ロバート・ロドリゲス

キャスト
ブルース・ウィリス
ジェシカ・アルバ
ミッキー・ローク
ベニチオ・デル・トロ
ジョシュ・ハートネット
クライヴ・オーウェン
イライジャ・ウッド
デヴォン青木

すなわちロバート・ロドリゲスの世界
タランティーノが噛んでるので、暴力の海、血の海であることは容易に想像がつくと思います。好き嫌いがはっきりしていて、見る人を選びます。
意味を求めてみると、がっかりする人もいるでしょうし、かといって意味がなかったかといえば、私はあったと思います。後味が悪いという人も居るでしょうし、意味がわからないという人もいっぱい居るでしょうか。私はすこしだけ、なんとなく何が言いたいのか感づいた気がします。男と女がお互いにこんな感情を持つ世界があるとしたら、こんな架空の世界だけなのだとしたら、ちょっと寂しい・・・

以下感想を、
すごい切れたお話です。画面は加工しまくりで、劇画がそのまま動いてるかんじ。色合いは全体に黒と灰色のどんよりモノトーンなんですが、時折血が白かったり、黄色かったり、赤かったり、女性の唇が赤かったり、ヒーローヒロインの眼がブルーだったり、ドレスが血のような赤だったり・・・他はすべて灰色と黒に統一されてます。ダークな画面は一度も綺麗に晴れませんでした。それにほとんど夜だし・・・笑。
なにより、登場する男性陣がみなさん一癖以上、さびしくて落ち込んでて悩んでる野郎ばかり。女性は、美しくて色っぽくて悲しくて怒ってます。
男と女が取り交わす台詞は、もう歯が浮く劇画の噴出し台詞。お話自体は、エピソードを請け負うダークなヒーローたちが、順番にモノローグで自分語りを淡々と繰り広げ、そして次ぎのヒーローが語り継ぐオムニバス形式。
登場する男達は、とにかくみんながみんな次から次からへと殺戮、殴り合い撃ち合い血の海に身を沈める。女を愛し、女に愛され、戦って殺し合い、殴り合い・・・疲れはてて、朽ちてゆきます。女もまた、男を誘い、男を愛し、殴り殴られ、殺して、殺される・・・
全編とおしてのバイオレンスなのに物悲しくて詩的なのは、各エピソードを受け持つ主人公のへたれ野郎どもの、まったくもってへたれたモノローグが、なんとも悲しくて寂しくて素敵だから。不思議な運で手繰り寄せられる男女のもつれ、しらじらしくて意味のない会話、そしてかすれた画面と色合い。生の人間の演技とは思えない印刷の悪い劇画漫画が動いているような世界だからこそ、見続けられる、そんな映画です。これ、吹き替えで観ると、男性声優さんの絶品の語りを堪能できる、そんな期待にわくわくします。
これ以上、映画の内容を説明するのが難しいです。
夢も希望もない世界の話なんですが、それでも男と女達の生き様を見てやろうという、出演俳優さん好きの方には絶対にお勧め。
それ以外の方は、避けたほうが無難です、暴力流血苦手の方は絶対見ないほうがいいです。
私も役者さん好きなんで、なんでこんなにものすごいキャストが実現したか、映画の中身を見て理解しました、一人として平凡な普通の人が居ない世界、狂ってるか、へこたれてるか、その両方か、とにかく演技をする人間には挑戦的で刺激的で演じていても面白かったのではないかと思う。声を吹き替える役者さんも台本読んで、画面みてわくわくするんじゃないかな、そんな演じ手が一番楽しめる作品。
出演俳優の中では、クライヴ・オーエンが一番へたれで良役で、味がでてました。
ミッキー・ロークは、なんとなくブレードランナーのころのルトガーハウアーに見えて、タフで馬鹿で魅力的。
ジョッシュ・ハートネット、出番は少なく、一番まともそうな役ですが、かなり怪しい奴。
イライジャ・ウッドは変な役(台詞ないし・・・)、もう、切れてるという以外には表現不能。
ブルース・ウィルスはへたれた黄昏刑事、一番良い役なのかな?。
ベネチオ・デル・トロ、すんごい濃くて変でへたれ。もう、このおっさん大好き。
やっぱり、みんなへたれ野郎・・・みんな物凄く良かったよ。

シン・シティ
映画が好きな人にはお勧めします、一見の価値あり。不思議なテンポのダークで凶悪な世界。なんにもない空っぽな価値観の背景に必至に生きてる人の影がちらっと垣間見える、そんな異様なマニア受けを狙った映画かもしれない。
見る人のバックボーンや価値観で、秀作にも世紀の駄作にもなりそうな、そんな危険な映画。
私は、出演した役者さんが自分の演技を楽しんでる部分に星を1個追加してあげたい。結論は星4つでどうっすか?

なんか、宣伝のあおり文句にある、主演俳優への出演希望が殺到、あながち宣伝の煽り文句だけとも思えない。





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Last updated  2005.10.04 14:26:03
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