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シルバーナの船室 (ペンギンの○○です!)

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2006.02.08
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カテゴリ:声優
おまえら26弾のレポートを書かなくちゃ・・・と思いつつも、仕事の忙しさとか、あまりに笑いすぎて脳がボイルしてしまって、断片的な記憶しか残していないという事実の相乗効果のせいで、ついにタイミングを逸しつつあります。

そうこうしているうちに、急に一文思いついたので、今日はそちらを。
こちらのコラム更新が長く滞っていましたが、私の森川さん熱が醒めたのではないことは間違いないです。もうひとつの日記を読んでいただければ判りますが、むしろファン熱はより高くファン度はより深くなっている、そんな気がします。きっとファンとしての覚醒期が終わり、充実期に入ったせいじゃないかなって思います。これから数年間は、私の中でファン度がどんどん発酵して熟成していく、そんな感じです。勝手な思い込みでしかないかもしれませんが・・・

では久々のコラムです

芝居熱

ライブの面白さというのは、それが生であるがゆえに
演者も観客も、同時に時と空気とミラクルを共有しそれを味わうというところに熱病に似た取り憑かれる魅力があります。
音楽のライブも楽しいが、演劇もまったく同じレベルで楽しい。昨年見た平田氏のアルジャーノンに花束を・・・は私の芝居熱をかなり刺激しました。

そう、舞台を見る観客は、まあ楽しいだけなのだが、演者は、楽しいと同時に恐ろしくもあり、得がたい体験として記憶に深く残るさまざまな刺激を味わう。
だからこそ、舞台芝居好きな役者人は多いのだと思う。
いちどこの熱病に感染した役者さんは、容易には治癒しない。
それほどに味わえる体験のレベルが、他には変えがたいものなのではないかと思う。

刹那のきらめき、めくるめく感情の嵐、痛いほどの沢山の視線、緊張感が張り詰める空気。太古の昔から、舞台芸術が繁栄し廃れないで連綿と受け継がれているのは、ある意味人間そのものの存在理由のひとつだからかもしれない。

私は今密かに、森川さんの中に芝居熱がくすぶり発症し始めているように思う。
そう考えるようになったきっかけやヒントがいくつかある。
まず、初恋の吹き替えですっかり仲良しになった萩原聖人君の存在。彼の真剣勝負の舞台の初日、森川さんが見に行ったとのコメントが年末に発売された雑誌に掲載されていた。
あんなに多忙な人が足を運んだ舞台に私は興味を持って調べた、ここでその内容には触れないが、それは演じる方々には相当にインパクトのある、お芝居の上級者や演劇界の人、すなわち玄人好みのお芝居なんじゃないかしらと予想する。

次に「ガラスの仮面」という最近の出演作品からの刺激である。
この作品、マヤという演劇界の天才少女が究極のお芝居に挑戦するというお話。その天才少女に心底惚れこみ、彼女を主役として紅天女の上演を自ら興行することを、心から熱望する青年実業家の速水真澄、その人を演じているのが、ほかならぬ森川さんその人だ。
であればこそ、役での演技を通して、速水というキャラクターとの感情の共有やシンパシーが彼の内なる演劇熱を刺激していたとしても、ぜんぜん不思議ではない。
そもそも「ガラスの仮面」という作品で繰り返される、各出演者の演劇への熱意、そのすごさや面白さを表す数々の場面と台詞、声だけとはいえ、この作品を演じる声優さん達も劇中劇へ自然に参加する形で作品世界に自然に引き込まれ、全ての声優さん達がすばらしい熱演を繰り広げている。この世界は、彼を舞台へ誘う深層での役者魂を大いに刺激しているに違いない。

ごく最近のことだが、ヘロQさんチームからの刺激もありうるかなって思う。ヘロQさんの公演チラシに森川さんの名前があるのを友人に見せてもらったとき、これは、と思った。しかも、千秋楽の番外編ではラスボスの声で特別参加していたらしいとも聴いた。これも、そうなのかぁと思う一端になった。
親しい(その昔母校で発声を指導した愛弟子の)後輩達が主催する、しかも今は休止中の森川さんの演劇ベースであるグループ満天の星とは兄弟に近い協力関係にある劇団の活躍である。刺激を受けないはずはない。

それともうひとつ、森川さんとは親しい日ごろから彼がよく面倒を見ている事務所の後輩が、今年早々に演劇に初挑戦し成功している事実。

さらに、もうひとつ忘れてはいけないことがある。
昨年のことだが、彼が尊敬してやまない大先輩が多忙をかいいぐって、難しい舞台に挑戦している事実。朗読劇「電車男」の成功、これも刺激になっているに違いないと確信している。

これら、さまざまな事実が、彼を取り巻く周辺の包囲網として、彼の演劇熱への刺激になっているのではないだろうか?
それが、「グループ満天の星」の再始動を促すきっかけになるのか?あるいは過去にこだわらない彼のこと、新しい形態での舞台演劇への挑戦につながるのか?それは現段階ではまったく未知であるが・・・

ここで再び、昨年末の雑誌での本人コメントを思い出してみる。萩原君の舞台を見て自分も演劇をまたやりたいという気持ちを持ったが、今から(2005年11月時点で)準備しても、スケジュールできるのは2007年以降だというコメント。本業の声優業の繁栄が、彼に声優業以外の活動をなかなか許させない状況に追い込んでいるのは事実だ。
実際、グループ満天の星の活動の休止も、演出家で座長の森川さん本業の多忙さが大きく影響していることが間違いがない。

確かに、森川さんには、ファンとの交流の場でもある「おまえら」というライブステージがあり、それを年に2~3回開催することで、即興劇や漫才など、役者してのダイナミックでスポンティニアスな部分を追求したいという欲求はある程度満足出来ているかもしれない。
しかし、稽古に稽古を重ねて入念に計算しつくした芝居を、ライブで観客の前で演じることの、緊張感、他の役者やスタッフと、その場で芝居を作り上げるダイナミズム、これらの面白さは、過去に経験していれば余計に、役者である彼の心の奥底から、彼を呼ぶものがあるのではないかと思う。
学芸会程度しか経験のない私ですら、その呼ぶ声がいかな種類の誘惑であるか、容易に想像がつく。

どんな役でも全力で取り組む演技へ情熱、役への飽くことなき追求心、こういった役者魂全開の状態に自身をゆだねることが大好きな本人の嗜好、一か所に留まるを良しとしない向上心、そして彼を取り巻く環境、全てが今、彼を、再び舞台に上がらせる方向へと、彼のエネルギーを使えと、誘っているような気がする。そういう意味では、これからの数年間の森川智之という役者の動向は、ますます目が離せなくなってくる。

そうだ、そういうことなら、どうしよう・・・
実は彼にはもうひとつお似合いのすばらしい顔がある、ヴォーカリスト森川智之だ。こちらの顔がまた、とてつもなく、どえらく魅力的なのだ。多くのファンが実はこのヴォーカリスト森川智之をこよなく愛しているのも事実だ。私も大好きで堪らない。

本当に、彼にはいくつもの顔がある。昨年私は、すばらしい魂の歌い手としての彼の、美しく光輝く瞳を、何度か舞台で垣間見た。そして今度は、舞台演者として、彼のぎらつく瞳を見てみたい。そんなわがままな気持ちでいっぱいだ。しかし、この贅沢を味わえる日が、それほど遠い未来ではなくて、何年も何年も長く待つ必要がないのじゃないかと・・・密かな予感がするのである。

千の仮面を持つ男、森川智之。沢山の魅力と才能を持つすばらしい役者だと、つくづく再認識する今日この頃である。





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Last updated  2006.02.08 13:40:49
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