2004/12/06(月)12:23
子供の頃、触れていたもの
つい最近、ビルの内装リニューアルを見に行った。
腕のいい大工さんが、ビルの中に作った和の空間
設計図なしで、現場で木を加工し、建て具も、家具も一人の大工さんが作り上げた
よくできている
イメージにも統一感がある
そして、新品。
幅50センチの桧の床板が整然と並んでいる立礼の茶室
床の間には、神代杉の板がはってある
朱漆で塗り上げられた洗面台
足の裏にも木を感じ、手のひらでも触れてみる
やはり、いい
これから、何年も大切にされて
魅力を増してゆく空間
糠で磨くと床も、もっと光だしそうだ
突然、若い時の感触が甦る
松の床柱。一枚板の床の間。暗い土壁。庭の灯籠が歪んで見えるガラス
すり減った廊下。天然石のくつぬぎ。あめ色になった雪見障子。ふるい道具箱
19才の時に、家はまったく新しく建ち変わった
あの時住んでいた家はいったい築何年ぐらいのシロモノだったのだろう
古くて、暗い、とあの時、思っていた
新しいもの、明るいものに憧れていた10代の欲求
あの時の価値観って、いったいなんだったのだろう
近所のピータイルの床での生活がとってもカッコヨク見えた
かけがえのないものとして、記憶の中に復活した空間
その中に居た子供のころの自分が、いとおしい