キツネを飼いならす
キツネを飼いならす 知られざる生物学者と驚くべき家畜化実験の物語 [ リー・アラン・ダガトキン ]価格:2,640円(税込、送料無料) (2024/2/18時点)楽天で購入野生のキツネは人に対して攻撃的だ。ロシアで毛皮を採るために飼育しているキツネは全く人間に懐かないのだが、そのキツネの中には多少人間に敵対的でない個体がいる。そういう個体だけを選抜して交配させるという実験の記録がこの本だ。交配に使う個体を選ぶ条件はただ一つ:人に懐くか?だけ。 犬が狼から家畜化されてきた過程は長い年月を要しただろうというのが定説だが、野生動物である攻撃的なキツネがこの選抜方法で家畜化されるか?という実験なのだが、これが意外に早く結果が出た。数世代でペットのように人に懐き愛玩動物のようなキツネがどんどん増えてきた。そして、他の家畜で共通して見られる特徴:耳が垂れる、ブチの毛皮、鼻面が短くなる、生殖周期は短くなる、などの特徴が人に懐くキツネに現れてきた。 この実験の概要については多くの専門書で紹介されてきたので知っていたが、この本は実際に実験に携わっていた人が二人の著者の一人だから現場からの報告だ。ぜひ読みたいと思って木更津市立図書館にリクエストしたら、すでにリクエストをした人がいて導入中であるとのことだった。私の順番は2番だ。見た目は質素な図書館だが読みたい本はある。この図書館はなかなか良いのではないか?先日連絡が来て受け取って早速読み始めた。