テーマ:ワイン大好き!(30214)
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今日からデュッセルドルフでは恒例のプロヴァインが始まった。
会場のどこそこで出展しているよ、とか、プロヴァインなう、なんて書き込みを見ていると、なんだか落ち着かない気分になる。ドイツに住んでいたならば、きっと行ったであろうけれど、行ったら行ったでアウトプットしなければ意味がないので、それはそれでやることが増えてしまう訳だが。 マインツのVDP試飲会で開催されたセミナーの様子。 今報告しつつある去年のマインツのVDP試飲会も、メモやら写真やら録音やらで、素材はけっこう沢山ある。特に、フランクフルター・アルゲマイネ紙のDr. ダニエル・デッカースが行った、VDPの軌跡を試飲とともに辿ったセミナーは、いずれ本人がどこかで記事にしてくれると思うのだが、興味深いものだった。VDPのロゴに使われている鷲のマークの19世紀以来の歴史が、文書館から探し出した当時の図像を用いて時代背景とともに解説された。そして試飲に出たワインには貴重な古酒も含まれていた。 1959 Steinberger Riesling Beerenauslese, Hessische Staatsweingüter Kloster Eberbach (Rheingau) 1989 Kaseler Nies´chen Spätlese, Reichsgraf von Kesselstatt (Mosel) 1993 Kaseler Nies´chen Spätlese, Reichsgraf von Kesselstatt (Mosel) 2011 Schlossböckelheimer Kupfergrube Riesling Auslese, Gut Hermannsberg (Nahe) 1989 Schlossböckelheimer Kupfergrube Riesling TBA, Staatliche Weinbaudomäne Niederhausen-Schlossböckelheim (Nahe) 1967 Casteller Hohnart Silvaner, Fürstlich Castell´sches Domänenamt (Franken) 1989 Randersacker Sonnenstuhl Rieslaner Kabinett, Schmitts Kinder (Franken) 1989 Riesling Auslese Weissgold, Schloss Vollards (Rheingau) 2005 Iphöfer Julius-Echter-berg Rieslaner TBA, Hans Wirsching (Franken) 2002 Hattenheimer Schützenhaus Riesling Spätlese, Hans Lang (Rheingau) 2004 Kastanienbusch Riesling GG, Ökonomierat Rebholz (Pfalz) 2011 Scheurebe, Zimmerling (Sachsen) と、それぞれの時代背景を映した全12種類。1959のシュタインベルガーのBAは、干した杏を思わせる湿り気のある繊細な香り、複雑な甘味でしっとりとした凝縮感のあるアタックに、ややドライなミネラル感の残る余韻。最も印象的だったのは2005 Iphöfer Julius Echterberg Rieslaner TBAで、強烈な凝縮感と長い余韻は、コンサートホールに響くシンフォニーの残響。熟成したワインの典雅なおっとりした印象と、21世紀の生産年の自己主張の明瞭さは、まるで別世界のワインのようだった。 VDPは1910年に設立され、第一次大戦、第二次大戦、戦後の復興、1971年のドイツワイン法改正に1990年代にはじまる葡萄畑の格付け制度への取り組みと、それぞれの時代背景の中で、純粋で自然に造られた高品質なワイン造りに取り組んできた。その過程は既にデッカースの著書Im Zeichen des Traubenadlers: Eine Geschichte des deutschen Weins (2010)に詳述されている。 講演者のDr.ダニエル・デッカース氏。 約1時間のセミナーは詳細な解説、多数のスライド、次々とテンポよく供出されるワインと、非常に充実した時間だった。しばしドイツワインの歴史に思いを馳せたが、残念ながらその余韻に浸る間もなく、新酒の試飲へと戻った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015/03/16 12:18:51 AM
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