雪の夜に
まる1日ぶりに部屋を出てマンションの入口に立てば、降りしきる雪。目の前の大通をタクシーが何台も交差していく。 億劫だ。冬は血圧が低い自分にとって億劫だ。加えて雪の日に電話した彼女からの返事が不在を伝えるメッセージだった日には、とくに億劫だ。そのままかまくらでも掘ってこもってしまいたい。 仕事だったらよかったのになと、普段はブログすら更新できないくせに、身勝手なことを思う。だが暇になったらなったでまる1日なにもしないで過ごして身を苛む。 信号をわたりそこのコンビニまで。酒も食べ物も足りない。胃袋がないくせに、最近人並みに食欲が出てきたのはいい。だからってもうちょっと控えめでもいいんじゃないの。こんな雪の日には。 無為に過ごすのは簡単だ。無為に過ごした自分を許すのは東大入試より難しいが。それでも無為に過ごしても腹は減る。胃袋がなくても空腹を感じる。いくら億劫でもコンビニまで行かねばならぬ道理だ。 気を奮い立たせて短い距離だがコンビニまで運ばせた自分の頭上から、容赦なく雪が降りつけ、周囲の音を奪っていく。