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2011/04/11(月)22:46

Autopsy Imaging

監察医(67)

今日の午後は栄の愛知県医師会館で産業医の研修を受けていました。するとまた警察から検案依頼がきました。仕方ないので、電車で蒲郡駅まで行きました。1人暮らしの31歳の男性が仕事に出て来ず、携帯も出ないので職場の人が見にきたら家で亡くなっていました。木曜日まで仕事に出ており、その時に体調が悪く、熱が38℃台出ていたようです。死斑の出方、硬直の具合、直腸温などから丸一日くらい亡くなってから経過しているようです。死因に結びつくような外傷はなく、内因死と思われましたが、年齢が若いので検視官が死後のCTを撮ってくれないかと言います。なかなかそれを受けてくれる施設はなく、費用を誰が負担するかなどの問題もあり、愛知県ではこれまで病院で亡くなった方以外では撮っていませんが、市民病院が受けてくれて、遺族も承諾したようですので、病院へ運び頭・胸腹部の単純CTを撮りました。胸腹部CTには特段の所見がありませんでしたが、頭部CTで少量のクモ膜下出血を認めました。後で髄液を採りましたところ血性でした。死後に撮るCTやX線撮影をAutopsy Imagingと呼んでいます。解剖ほどではありませんが、外表検査で判らない死因の30%くらいが明らかになると言われています。このケースの場合は先に髄液検査をしていればそれだけでも判ったと思いますが、・・・。今後はAutopsy Imagingをするための施設とその費用を何処が負担するか法整備が必要だと思います。

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