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2013/02/03(日)11:25

入浴関連死

監察医(67)

今日の中日新聞一面のトップ記事は入浴関連死でした。推定ですが、年間1万7千人の方が風呂場で亡くなっているようで、交通事故死よりはるかに多い数字です。65歳以上の高齢者が90%を占めるそうです。私も1月は10件ほどの検案に出動しましたが、そのうち3件は入浴関連死でした。心筋梗塞や脳卒中などの発作が起こり、水没して亡くなる場合もありますが、原因がよく判らないものが多いです。冬場に多いので、湯温と外気温(室温)の差が大きく、温度変化に血圧調節がうまくいかず、急激な血圧低下などで、意識障害が起こるのではないかと推定され、最近ではヒートショックという言葉も使われます。深酒をして風呂に入るのも意識消失→溺水による窒息を起こす可能性があります。家庭の風呂はだいたい一人で入りますので、すぐ気がつけば助かるケースがあっても、しばらく経って発見されたころには遅いというケースが多いと思います。また一人暮らしの方などは何日か経って発見されるというケースもあります。一昨日のケースも3日ほど経って発見されたケースでした。

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