誤診
昨日は月に1回の外科の当番で拘束だった。午前中入院患者の回診をして、後は24時間蒲郡に待機している。まず、朝7時に中央公園に行きました。久し振りに蒲郡走友会の朝練に出ました。今日は坂本コースです。ゆっくり皆と一緒に走り出しました。8時半に病院へ行かねばならないので、途中で皆と別れて白竜池の方を回って一人で帰りました。7kmくらいかな?オカトラノオが咲いていました。クズの葉にとまるヤマトシジミ。花のような虫こぶがありました。午前中の回診が終わって、遅い朝飯を食べて、さあ今日は汐がよいので、春日浦へまたマテガイでも獲りに行こうかと思っていたら、救急外来で呼ばれました。34歳、女性、昨夜2時ころから急に腹痛が始まったそうです。行ってみるとかなり痛がっています。右下腹部を中心に圧痛、腹膜刺激症状があります。白血球数は15,700と増えています。CTを撮ってみると腹水がかなり貯まっています。独身女性ですが、女性を見たらまず妊娠を疑えというのが鉄則ですので、すでに研修医が婦人科部長にコンサルトしていました。尿の妊娠反応も陰性で婦人科疾患は考えにくいというので、それでは急性腹症として外科で開けましょうということになりました。一番に考えるのは虫垂炎がすすんで腹膜炎になったというケースですが、まあ開けてみないと判りませんと言って、全身麻酔で開けることにしました。可愛い弟子と研修医のKさんを呼んで、手術を始めました。これは可愛い弟子の別の手術の写真です。まず、傍腹直筋切開で回復すると真っ赤な血液が噴出してきました。CTで写っていたのは腹水ではなく、出血だったのです。700ccほど貯まっていました。すぐに婦人科部長に来てもらいました。黄体破裂による卵巣出血だったのです。子宮外妊娠破裂かと思うほどの出血でしたが、妊娠反応は陰性だし、卵巣出血でもこれくらい出ることがあるそうです。婦人科部長の指導のもと、可愛い弟子(まだ4年目ですが)が執刀しました。一度右傍腹直筋切開は閉じて、正中で開けなおして、右卵巣の破裂した黄体を楔形に切除して縫合止血しました。排卵後に性交渉をすると、時に黄体が破裂することがあるそうです。婦人科部長は診察の時に昨日性交渉があったことをしっかり聞きだしていましたが、そこまで解っていたら、どうして婦人科のものではないと言ったんでしょうか?まあ、誤診ですが、いずれにしても保存的にはみることのできないほどの出血ですから、よしとしましょう。排卵後の性交渉はあまり激しくしないようにと、婦人科部長のお言葉でした。終わってからK研修医を連れて、春日浦で少しアサリを掘り、子供の国でマダケのタケノコを採りました。