ぼてぽて、裁判員に選ばれる。
今さらの話なのですが、数年前にぼてぽては裁判員に選ばれ、裁判員として裁判に参加しました。裁判員制度という貴重な体験をさせてもらったので、このコロナ騒ぎの中、お時間のある方は暇つぶしにぼてぽての裁判員体験記にお付き合いください。とはいえ、裁判員ってなに?何するの?という方がほとんどだと思います。簡単に説明すると、日本では悪いことをすると警察につかまり裁判にかけられます。裁判にかけられると事件に関しての色々な証拠を弁護士と検察官で裁判所へ提出し、法廷で裁きを受けます。裁きを下すのは裁判官で、その裁判官とともに量刑を判断するのが一般市民である裁判員です。インターネットで「裁判員」を調べてもいまいちよくわからなかったので、実際に経験したぼてぽてが裁判員制度というものについてお伝えしたいと思います。ちなみにぼてぽてをお世話してくださった裁判官のみなさんは「是非裁判員制度に参加したことをたくさんの方にお話ししてください!」とおっしゃっていました。時間がだいぶたってしまいましたが、ようやくお伝えする機会がやってきました(^^)そして裁判員に選ばれてこれから裁判に参加する予定の方にも是非読んでほしいです。実際に体験した人の体験談を読むと、余計な緊張をせず裁判に参加できますから!では、ぼてぽての体験記の前にまずは裁判員に選ばれるまでの流れについてを説明します。裁判員は11,800人に一人の割合で選ばれるそうです。結構な確率で選ばれることはないと思われますが、引きの良い方は二回目の裁判員に選ばれる方もいらっしゃるそうです。裁判員裁判の対象事件は殺人、強盗致傷、危険運転致死、保護責任者遺棄致死、覚せい剤取締法違反などで、選ばれる数は通常時は裁判員が6名、補助裁判員が2名で、事件によっては補助裁判員の数が増えるそうです。ここで出てくる補助裁判員とは、裁判員が何らかの理由で裁判への参加が難しく辞退することになった場合、この補助裁判員が裁判員として繰り上がるそうです。では、どんな感じで裁判員に選ばれたのでしょうか。『来年、裁判員に選ばれるかもしれませんよ!』11月の終わりから12月の初め頃、最寄りの裁判所から封筒が届きました。家族からは「裁判でもするの!?」と驚かれましたが、いちばん驚いたのはぼてぽて本人です(笑)。封筒を開けると中には小さい冊子と調査票が入っていました。これを【名簿作成・名簿記載通知】というそうで、小さい冊子には裁判員についての解説が詳しくわかりやすく書いてあり、でもその時は読んでみても特に理解が深まるわけではなく他人事でした。同封されちた調査票には、自分には裁判員になれる資格があるのか、または正当な辞退の理由があるのか、などの記載がありました。これについてもなんだかよくわからないので、まさに他人事といった感じで気楽に質問に答えて返信用封筒にて郵送しました。そんなこんなで年が明け、確か夏の盛りを迎える少し前でした・・・。『まさか選ばれちゃったの!?』また裁判所から封筒が届きました。まさか!?と思って封筒を開けると、A4の冊子と選任手続期日のお知らせ、質問票が入っていました。この時点ではまだ裁判員に選ばれたわけではなく、候補になりましたよ、というお知らせの段階でした。A4の冊子は裁判員の選任方法や実際選ばれた場合の裁判の流れなどが詳しく記載されていて、前回いただいた冊子とは内容が違いました。それでもやっぱりまだ他人事。選任手続期日のお知らせには担当する裁判の裁判日程が記載されており、その日程すべてに参加できるか否か、参加できない理由などを書くように指示されていました。自分のスケジュールを確認すると、これがまた月初の裁判日程だったために仕事の繁忙期と見事にかぶっていましたが、参加できない理由には該当しないため“参加できる”と記載しました。記載した質問票は返信用封筒にて郵送しました。ちなみに、裁判員裁判に参加するにあたり、現在仕事をしている人は有給休暇や特別休暇、もしくは欠勤といった形でそれぞれが対応しなければなりません。ぼてぽての会社には裁判員休暇という特別休暇があるため、人事に確認し特別休暇を申請しました。ぼてぽてがうちの会社1号だそうで、人事でも色々と調べて対応してくれたようです。『人生初裁判所』人生で初めて裁判所へやってきました。あらかじめ郵送されてきていたオレンジ色の紙と自分のハンコを持って、指定の裁判所へ行きました。住んでいる所の管轄の裁判所となるため、ぼてぽてはまだ新しい裁判所へと向かいました。ちなみにこの選任手続きをバックレた場合には10万円以下の罰金を科される場合もあるとのこと。案内のオレンジの紙にその旨が書いてありました。裁判所へ入ると、裁判員候補者は指定の階へ行くように案内がありました。階段を上っていくと係りの方がわかりやすい場所に立っていて親切に誘導してくれます。まるでとても大切なお客様を迎えるかのような対応に、ちょっと驚きました。受付を済ませると番号札を渡されます。裁判所内では一切名前は呼ばれず、何かあったらすべて番号で呼ばれるそうです。この番号札は裁判所内での身分証になるので必ず携帯しておいてくださいと案内されました。『裁判官だ!!検察官だ!!本物だ!!』裁判員候補者専用の控室で待機するように指示されます。大学の教室のような広い長細い部屋で、大きなモニターが数台あり、喫茶スペースの様な場所には椅子と雑誌が用意してあり、そこで気軽に過ごしてくださいといったような雰囲気でした。机の上には当日の流れの説明と該当事件の起訴状のコピー、今後の日程表の入ったファイル、そしてペットボトルのお茶が用意されていました。この部屋には24名分の座席が用意してあったようですが、実際出頭したのは19名だったそうです。後に裁判長が教えてくれました。時間になると司会の方が案内をしてくれました。ファイルの中になる質問票に回答してくださいとのこと。質問票の内容は“起訴状に書いてある事件の関係者じゃないか、または近隣に住んでいないか”というものでした。もしこれに該当する場合には当裁判の裁判員にはなれないそうです。続いて、司会の方が本日の流れを説明してくれました。ファイルの中には裁判所までの交通費の請求書が入っていました。裁判所への出頭に関しては国から交通費が出るそうなので、この日の交通費は裁判員に選ばれなくてもきちんと支払いがされるそうです。交通費の手続きが終わると、次は目の前に担当する裁判官3名、検察官2名、弁護人2名が並び挨拶をしてくれました。イメージしていた裁判官とはだいぶ違う、とても柔らかな印象の若い裁判長が、起訴状に書いてある事件を担当するにあたり問題がないのか(精神的支障があるか、仕事に支障があるか)、事件関係者じゃないか、という質問していました。質問状に辞退の申し出、または何か理由を書くと、裁判長の判断で隣の部屋で裁判官らと5分程個別面談するのだそうです。その間、何も問題ない人は30分程自由に部屋内で待機。裁判員の職務に関してのDVDをモニターで流してくれるのでそれを見て時間つぶしをしていました。『これはたぶん選ばれる・・・』待っている間、コンピューターが裁判員をランダムで選ぶんだそうです。なので裁判員を受けるのに問題のない人はここで選択されます。時間になると係りの方がホワイトボードにコンピューターに選ばれた人の番号を順番にかけていきます。そこに番号をかけられた人はそのまま荷物を持って隣の部屋(質問手続き室)へ案内されます。そう、ぼてぽてはなんとなくこうなるだろうな、と予想していました。見事にコンピューターに選ばれ、荷物を持って隣の部屋へと移動しました。つまりぼてぽては裁判員に選ばれてしまったのです、コンピューターに。ここで裁判員に選ばれなかった人はここで終了です。希望する人には裁判員裁判用用の法廷の見学と、法服を着ての記念撮影ができるそうです。さて、裁判員に任命された人たちは隣の部屋に移動するわけですが、そこではいよいよ裁判に参加するという手続きが始まります。先程自己紹介をしてくれた裁判官、検察官、弁護人の立ち合いのもと、裁判員になるということの説明と宣誓、そして署名捺印を行います。ここでは自分の名前をフルネームで記入し、自分の印鑑を押します。これで正式に裁判員として選任されたことになります。以上の手続きが完了すると、部屋からは検察官と弁護人が退席します。その後は係りの人から連絡先を聞かれ、何かあったときのための裁判所への連絡先を渡されます。“裁判員○番”と書かれた名刺サイズのカードを渡され、これは裁判所内での身分証になるのでいつも携帯しておいてくださいと指示されます。ここから先は新しいこの番号で呼ばれ、一切氏名は公表されないとのことでした。※実際一緒に裁判員をやった皆さんとは最後まで番号で呼び合っていました。つづく・・・