1級エンジン電子制御装置42,43p
42P ( b )分流回路 分流回路は,図 1-54 のように電源からの電流は,抵抗(R1)と(R2)に分かれて流れた後に,電源に戻 る回路構成の電気回路で,抵抗(R1)と(R2)の両端の電圧は,基本的に抵抗(R1)と(R2)の値によって 流れる電流量に関係なく,電源電圧と同じである。 一言:自動車の場合、各個別の回路が 分流回路で別れているのであります。1 分流電圧(類別 1 ) 分流電圧は,図 1- 55 の回路-1と 2 で示すように,抵抗値は 100 倍の差をもっているが,回路―1と 2 の各抵抗(R1),(R2)の両端に発生する電圧は,電源から流れる電流に関係なくすべて電源電圧の 10V で ある。 分流電圧の求め方は電源電圧と回路の負荷抵抗の関係から,I=V/R であるから,並列合成抵抗を求める公式を入れて、I=V/(((R1×R2)/(R1+R2)) ) として電源から電流を求めると,1/((R1+R2)/(R1×R2))=(R1×R2)/(R1+R2) 回路-1では,電源からの電流は10V/(((1Ω×1Ω)/(1Ω+1Ω)) )=20Aで,抵抗(R1)と(R2)のが同じ値であるため,各抵抗に は,10Aに分流して流れることになり,電圧は,公式V=I・Rを使い,抵抗(R1)と(R2)両端には,10Vの電 圧が発生することになる。また,回路-2も電源からの電流は,回路-1に比べ1/100 の電流しか流れていないが, 抵抗(R1)と(R2)の両端は,10Vの電源電圧になることが計算できる。計算式:回路-1 10A×1Ω=10V 又は20A×0.5Ω=10V計算式:回路-2 0.1A×100Ω=10V 又は0.2A×50Ω=10V 一言:それぞれの分流回路に流れる電流量が違いうので、ヒューズを分けて設けているんだね。2 分流電圧(類別 2 ) 図 1-56の回路-3 では,電源からの電流は,抵抗(R1)と(R2)の値が異なった負荷抵抗で分流してい る。よって,抵抗(R1)と(R2) を流れる電流値も異なり,電源からの電流 10.1A は, 抵抗(R1)に 10A , 抵抗(R2)に0.1A に分かれて流れているが,抵抗(R1)と(R2)の両端に発生する電圧は,共に電源電圧の 10V で, V = I・R で求めることができる。 計算式:回路-3に流れる電流:I=10V/(((1Ω×100Ω)/(1Ω+100Ω)) )=1010/100=10.1A 抵抗(R1)に流れる電流:I=10V/1Ω=10A抵抗(R2)に流れる電流:I=10V/100Ω=0.1A回路電圧:V=10V/((1Ω×100Ω)/(1Ω+100Ω))×(1Ω×100Ω)/(1Ω+100Ω)=10V抵抗(R1)の両端の電圧:V=10A×1Ω=10V 抵抗(R2)の両端の電圧:V=0.1A×100Ω=10V 3分流回路の測定 測定は,図 1-57 のように電源電圧 V1 に対して負荷抵抗両端に発生する V2 , V3 の電圧を測定する。 43P 理論的には,電源電圧 V1,に対して抵抗(R1)と(R2)の両端に発生する電圧が電源電圧に等しくなる ことが理想的であるが,抵抗(R1)と(R2) に発生する電圧が電源電圧より低い場合もある。 電源電圧が 10V で, 1Ω と 100Ω の抵抗が電源に対して並列に接続されている回路では,直流電圧計の内 部抵抗による影響はほとんどない。しかし,大電流を使用する回路では,回路に使用されている配線,接続部 などがもっている固有の電気抵抗により,電力の消費量が多くなって電圧降下が発生する。したがって,ス タータ・モータ回路では,太いケーブルが使用されることになる。ほとんど影響のないことを確かめてみる。(1Ωで)(0.000001×11)/(0.000001+11)×10×1/((0.000001×11)/(0.000001+11))=10理論上この回路は、接続部に接触抵抗がない限りどう計算しようが分子分母が相殺され電源電圧しか残らないんだ。無駄な計算した。自分が良く理解してないじゃないか。 ㋑回路抵抗 図 1-58 は,電源電圧 10V に対して,抵抗(R1)と(R2)の合成抵抗が(1Ω×100Ω)/(1Ω+100Ω)≒0.99Ωの回路で,電源からの電流I=10V/(100Ω/101Ω)=10.1Aが抵抗に流れている。 電源側からみると, 10 .1A × 10V = 101W の電力を供給している回路である。 101W の電力を抵抗に供給 するためには,電源電圧 10V が各抵抗の両端に発生しなければならないが,回路の中に不要な抵抗をもった場 合(分圧回路が形成される)は,電源電圧 V1に対して,抵抗(R1)と(R2)に発生する V2 と V3 が一致しない場合がある。 そのときには,次のような方法で線間電圧を測定し,抵抗が発生している箇所を断定することが必要とな る。 ㋺線間電圧の測定 図 1-59 のように電源電圧 V1の電圧に対して抵抗(R1)と(R2)の両端に発生している V2, V3 の電圧が 低い場合は,線間電圧 V4 , V5 , V6 , V7 , V8 , V9 を測定する。線間に抵抗が発生している場合は,抵抗が発生 した線間の該当する直流電圧計に電圧が表示される。 抵抗の (R1)の電圧が 9V で,抵抗(R2) の電圧が 10V の場合は, V6 又は V7 に 1V の電圧の発生があ るか,又は V6 , V7 に線間抵抗に応じて分圧された電圧が発生していることになる。 V6 の線間電圧が 1V と すれば, 抵抗(R1)には 9A の電流が流れている。 9Vの電圧が1Ωにかかるから9÷1=9V よって,R=V/I の公式を使い,1V/9A≒0.1Ωの線間抵抗が発生しているのが分かる。また,抵抗(R2)側に抵抗(R1)と同じように0.1Ωの線間抵抗が発生すると,100Ωと0.1Ω直列合成抵抗になるが,抵抗(R2)を流れる電流は,I=10V/(100Ω+0.1Ω)≒0.099Aで,線間抵抗のないときの電流I=10V/100Ω≒0.1Aに比べて約0.001Aの減少となるが,回路上,支障は発生しない範囲の減少電流である。 4 開放電圧(無負荷電圧)と有負荷電圧の測定 開放電圧は,図 1-60 に示す回路上のスイッチを OFF にして,抵抗に流れる電流を止めた状態で電源電圧 V を測定する。また,有負荷電圧は,回路上のスイッチを ON にし,抵抗(負荷)に電流を流した状態で電源電 圧 V を測定する。電源がバッテリの場合は,公称電圧値が基準(例12V)になり,電源が安定化電源の場合は,出力電圧の設定値が基準(例5V)になる。