独り言

その２（風そして歌の章）

着いた広場は、そばに井田川が流れてて、ごく普通の町。
そこらへんにある村みたい。夕方というに蒸し暑い。
その井田川の十三石橋を渡って対岸へ。
なにやら踊りの準備をしてるみたい？
浴衣を着た人たちが集まりかけてる。
着いた早々から運良く盆踊りが見れるんかな。
ほかの観光客も集まってきてるが、まだまだ少ない。


きつい西日の中、待ってるが、なかなか始まらん。と、思ってると…。
三味線と胡弓が調子を合わせ始めた。見れるぞ！


踊りは、ゆっくりしたテンポで動き出す。
先頭に笠をかぶり揃いの浴衣を着た女性たち。
その両脇に男性陣、やはり笠をかぶってる。
後ろの方には少年や小さな女の子もいる。
その後ろには三味線と胡弓。最後には唄い手さん。
片手に扇子を持って、実にいいこぶしで唄ってる。
この唄い手さん、ほかの町の列でも見たけど。年配の人が多い。
決して大きくはない声やけど、なんとも言えずいい。
聞いたこともないような物悲しいような三味線と胡弓の音色。
それに絡まるような唄。近くにおらな、聞こえんような声。
男女ゆっくりしたテンポで、笠をかぶりやや俯き加減に前を見たまま踊ってる
　　　　　　　　　　（あれ？俺の心の中に…なんやろ？）
踊っているのに、たしか・・？、足音も記憶にない。


まだ西日が差す明るい町並みやのに、そこには別な世界があるような。
思わずシャッターを押す。
あちこち動いては写真を撮る。
見物客がまだ少ないので好きなように動ける。
なんやねん、この盆踊りは！
盆踊りちゃうやんか！！
これが夜の町を流す？
どんなことになるんやろ？
踊りの列はきれいに整列したまま、どうやら町内の１軒ずつを挨拶回りしてるような。
家の玄関に向かって、男女２人だけが歌にあわせて、
ゆっくりしたテンポで踊ってる。
その後ろの男女の列は、待っているかのようにその場で踊ってる。
　　え～ぇ！
家の中からもその家の人が踊りに答えるかのように玄関先に出てきて見てる。






待ち時間も入れて小１時間で踊りの列は解散していった。
それにしても暑い！早く日が沈まんかな。

　えらいすんまへん・・・・つづく（今度も２.３日待っとくれやす）