2017/07/08(土)21:31
「もうけやすい」ハイエース標的、違法ヤードに転売 関東広域自動車盗グループ逮捕
© 産経新聞 提供 押収された偽造ナンバープレート。窃盗グループが偽造し、盗難車につけていた=5日午前、つくば中央署(鴨川一也撮影)
茨城、栃木両県警が窃盗の容疑で逮捕したつくば市上広岡の自営業、賀川祐介被告(29)=同罪で公判中=を主犯格とした自動車盗グループは、茨城、埼玉、千葉、栃木、群馬、福島の6県の広範囲でトヨタのハイエースを狙って盗みを繰り返した。両県警はグループが173件、総額約2億1250万円相当の自動車やナンバープレートを盗んだとみている。なぜ、ハイエースが標的になったのか。(鴨川一也)
茨城県警捜査3課によると、グループは平成27年4月ごろから28年11月ごろまでに、ドライバーなどの工具で車のドアを開け、エンジンを始動させる手口で自動車盗を繰り返した。盗難車を移動させる際には、発覚を免れるため、盗んだナンバープレートの数字を変えた偽造プレートで偽装する手の込みようだった。
盗んだ車160台のうち、トヨタの「ハイエース」が136台で、残り24台は同社の「プリウス」だった。主犯格の賀川被告はハイエースばかりを狙った理由を「楽して手に入る」と供述。ハイエースの盗み方を熟知していたためで、犯行時間は短く、10分以内で盗むことが可能だったという。
さらにハイエースの中でも、マニュアル車より高く売れるオートマチック(AT)車をピンポイントで狙うため、事前の下見でドアを開け、AT車かを確認してから犯行に及んでおり、綿密さもうかがえる。
捜査関係者は、ハイエースが自動車盗のターゲットになりやすい理由として、乗車定員や積載量が多いため、海外でも人気があり、窃盗犯にとって“もうけやすい”車種だからだという。
グループは盗んだハイエースを1台8万〜15万円程度で、違法な自動車解体施設(ヤード)などに売却し、犯罪収益を積み重ねていた。両県警が、盗品等有償譲り受けと組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等収受)の容疑で逮捕した阿見町吉原の自動車解体会社「オオクボ商会」の経営者、大久保アントニーユキオ被告(32)=同罪などで起訴=ら男3人も転売先の1つだった。
大久保被告らは賀川被告から仕入れたハイエースを1台あたり約20万円で別の業者に転売していることも新たに判明。ただ、転売先に関しては口を閉ざしており、捜査3課は「今後も突き上げ捜査を進め、転売ルートも解明したい」としている。
県内の自動車盗の犯罪率(人口10万人当たりの被害認知件数)は、昨年まで10年連続で全国ワースト1位。今年に入ってから6月末までの被害認知件数は617件で、全国ワースト4位となっており、県警は自動車盗の実行犯から連なる転売ルートの全体像の解明を急いでいる。
■犯行区域と件数
茨城:つくば市、牛久市、土浦市、ひたちなか市、日立市など21市(62件)
埼玉:さいたま市、春日部市、越谷市、久喜市、三芳町など17市町(35件)
千葉:千葉市、柏市、我孫子市、松戸市、香取市など16市町(38件)
栃木:宇都宮市、下野市、真岡市、足利市、佐野市、芳賀町など11市町(34件)
群馬:太田市、館林市、大泉町(3件)
福島:いわき市(1件)
-産経新聞 7/6 4 時間前 より一部抜粋-
10分で盗むというから早業だ
油断してはいけません
タイヤを外すのは簡単ではないから、車の前に物を置くのが良いね