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2018/05/31(木)23:23

ビジネス特集“中国のテスラ” 急成長の秘密

構造物(460)

運転席に座って話しかけると、まるで相棒のように答えてくれる自動車。子どもの頃にSFドラマで見たような車が今、中国で現実のものになりつつあります。開発したのは、創業からたった4年のベンチャー企業です。 それだけではありません。ITと車の技術を融合させ、新たに自動運転都市の建設を目指す国家プロジェクトも見えてきました。 (中国総局記者 吉田稔) ITイベントに展示 ”中国のテスラ” ことし4月、北京で行われた最新のIT機器を展示するイベントで、ひときわ目を引くブースがありました。SUVの電気自動車を展示したブースです。 車の名前は「G3」。“中国のテスラ”とも言われる「小鵬自動車」が出展しました。 この会社は創業からまだ4年のベンチャー企業で、今回初めて市販車を発表しました。なぜ自動車メーカーがモーターショーではなく、IT関連のイベントに出展したのか。その理由は小鵬自動車が進める開発の方向性にありました。 車の中には大型タッチパネルが この会社が目指す車作りを知ろうと、私は広州の本社を訪ねました。 案内してくれたのは創業者の1人、夏※コウ総裁です。夏総裁は34歳。 かつて、中国国有の大手自動車メーカーのエンジニアとして、EV開発部門の責任者を務めたこともあります。 しかし、大手メーカーにいては自分が思うような車作りはできないと、会社の立ち上げに加わりました。取材では夏総裁が車に私を乗せてくれ、機能を説明してくれました。 車内にはスイッチらしいものはほとんどありません。代わりに目につくのは、運転席の横に備え付けられた大型のタッチパネルです。タブレット端末のような装置で、音声認識機能を備えたAI=人工知能を内蔵しています。ライトの点灯、窓の開閉、エアコンの調整など、操作のほとんどが、このタッチパネルに話しかけるだけでできるようになっています。 走るスマホ(46秒) この車の最大の「売り」は、インターネットと常時接続していることです。運転手に周辺のお店や目的地の天気などの情報を提供してくれます。車に乗った際も、「この近くにレストランはある?」と話しかけると、AIが20軒の店をリストアップしてくれました。そして行きたい店を決めると、「予約しますか、すぐに行きますか」と音声で尋ねてくるのです。「すぐに行く」と伝えると、カーナビが起動し、店まで案内してくれます。 子どものころ、生き物のように話す車が主人公のパートナーとなって、悪者を撃退する海外のドラマを見たことがありますが、車と夏総裁のやり取りは、そのドラマのワンシーンをほうふつとさせるものでした。 ※コウ=「王」へんの右に「行」 急成長のワケ 人材戦略とITジャイアント 創業からわずか4年でこのような車を開発できた理由はどこにあるのか。 その1つは積極的な人材戦略にあります。 小鵬自動車の本社では、ワンフロアをオープンスペースにした広大な空間に2000人もの社員が働いています。ヨーロッパやアメリカ、それに日本の自動車メーカーやIT企業で働いていた外国人スタッフも大勢います。 私が話を聞いたデザイン担当のフランス人スタッフは以前はホンダで働いていたと言います。「中国はEVの市場も大きい上、会社にもしっかりした戦略があり将来性を感じた」と話していました。 そして、この会社の急成長を支えるもう1つの要因が、IT関連企業からの巨額の出資です。ジャック・マー氏が率いる「アリババ」をはじめ、シャープを買収したことで知られる台湾の「ホンハイ精密工業」のグループ会社などが次々と出資しているのです。 ネット通販で知られるアリババですが、グループでは地図ソフトやグルメサイト、音楽配信サービスなどさまざまなサービスを展開しています。こうしたサービスは小鵬自動車の車作りと親和性が高く、そこに新たな市場性を見いだしたのです。 また、EVや自動運転車には半導体がたくさん使われることから、ホンハイのような精密機器メーカーも自動車事業に注目しているのです。夏総裁も「この先10年はネットとつながったスマートカーが中国経済、世界経済のけん引役となる」と自信をのぞかせていました。 車と車がつながるメリット アリババのようなITジャイアントが自動車メーカーに出資する理由はもう1つあります。それが今、各国が開発を競う自動運転や運転サポート機能です。 小鵬自動車の車はネット経由でドライバーの情報をメーカーに送ります。日ごろドライバーが、どういった道を運転しているのか、スピードはどのくらいか、さらにブレーキのタイミングが早いのか遅いのか、といったデータが会社に集まってきます。 小鵬自動車はそうしたデータを分析することで、個人の運転の癖も踏まえた運転サポート機能を提供することができるとしています。また、車と車がネットでつながれば、例えば前を走る車が急にブレーキを踏んだ場合も、後続車がその情報を瞬時に把握し、追突事故を防ぐことができるなど、より安全性を向上させることができると言います。 自動運転が国家プロジェクトに つながるのは車と車だけではありません。中国では今、すべての信号や標識、街灯などをネットとつなげる「自動運転シティ」を作ろうという構想が進んでいます。 自動運転と言えば、車にとりつけたカメラやセンサーが周囲の道路状況を感知して走行する「自律型」のイメージが先行していますが、中国ではこれに加えて、周辺施設と車がネットでつながる「インフラ協調型」の自動運転の開発に力を入れています。 その最たる例が、中国政府が国家プロジェクトと位置づける「雄安新区」です。北京中心部から南に100キロほど離れた場所で去年から開発が進んでいます。以前は広大なトウモロコシ畑が広がる農村部でしたが、北京オリンピックが開かれる2022年までに基礎インフラの整備を終え、最終的には東京都とほぼ同じ面積を開発するとしています。 ここでは次世代の通信技術「5G」を駆使して、道路や駐車場などあらゆるインフラがネットとつながるスマートシティを整備することにしています。集まった情報は街を走る車と共有され、より高いレベルの自動運転ができるようになると言います。独自の自動運転技術を開発し、いずれは自動車のみならず、都市インフラも含めて海外に輸出したいという中国政府の思惑があるとみられています。 日本はどう対抗するのか? 「EV大国を目指す」という旗を掲げてきた中国は、すでにその先も見据えて、ベンチャー企業から国まで総ぐるみで動き始めています。さらに、基礎インフラとなる次世代の通信技術「5G」でも、日本や欧米に先駆けて着々とプロジェクトを進めています。 14億近い人口を背景とした圧倒的な市場と、共産党の一党支配による産業への指導と介入。アメリカのトランプ政権をはじめ、こうした中国の態勢には批判もありますが、批判にあけくれていては、今後の競争で水をあけられるだけです。 次世代自動車をめぐる国際競争に、日本はどう臨んでいくのか。たった4年で車を完成させた小鵬自動車の取材を通じて、日本にも戦略の練り直しが求められていると感じました。 - NHK NEWS WEB ビジネス 5月30日 21時20分 より一部抜粋- 中国の開発が早いのは感じています(家をどかして道もすぐに広げるからね) しかし、スマートシティを造ってしまうと言うのは次元が違う 東京都の広さだという(ままごと遊びの域ではない) ここで自動運転技術を開発し、基礎インフラの通信技術「5G」も進めている 信号も駐車場も店もすべて関連して車に取り込む 街自体がすべて繋がってくる 充電ステーションを造らなければと言っている日本は置いて行かれそうだ かつて燃料電池車が走ればすごいなーと思っていたが・・。 (霞んできた)

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