2019/04/22(月)20:30
中年期の活動量がアルツハイマー病の発症と関連? 女性800人で調査
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何十年か後に認知症を発症するリスクを低下させるための効果的な方法は、中年期に活動的な生活を送ることかもしれない。40年以上にわたって実施された追跡調査の結果、そうした可能性が示された。
認知症の発症の原因や予防の方法について、具体的な答えはまだ見つかっていない。だが、これまでの研究の結果、どうすれば発症を防ぐことができるかについてはいくらかの方向性が示されてきている。
その方法を示す行動のリストの一番上にくるのは、精神的・身体的に活動的であることだ。最新の研究が改めて示したのは、さまざまな活動と3つのタイプの認知症のリスクの低下の相関関係だ。
ジャーナル「ニューロロジー」に掲載されたのは、平均年齢47歳の女性800人を44年間にわたって追跡調査した結果をまとめたもの。調査開始時、参加者たちは自分の精神的な活動レベルを1~10のスコアで評価。それをベンチマークとした。
精神的活動には、楽器の演奏や読書、コンサートに行くこと、クラブ活動への参加、礼拝に参加することなどが含まれる。これらに積極的であるほど、スコアは高くなる。
身体的な活動については、参加者を「活動的」と「非活動的」なグループに分けた。「活動的」な人たちのグループには、週当たり4時間の軽度の身体活動(庭仕事、ボウリング、サイクリング)から週に数回のランニングや水泳、エアロビクスなどの強度の高い運動をする人までを含む。
調査期間中には、800人の女性のうち194人が認知症を発症した。大半がアルツハイマー病だったが、中には血管性認知症、混合型認知症を発症した人もいた。
研究の結果、精神的な活動レベルが最も高かった女性は活動レベルが低かった女性より、アルツハイマー病を発症するリスクが46%、全てのタイプの認知症を発症するリスクが34%低かった。また、身体的に最も活動的だったグループは活動量が少ない女性たちより、血管性認知症を発症するリスクが53%、混合型認知症を発症するリスクが56%低かった。
社会経済的地位や体重、喫煙の習慣、高血圧、うつ病や糖尿病など、その他の要因について考慮した場合でも、これらの結果に大きな変化はなかった。研究チームはこれらの結果から若年性認知症を発症した女性の影響を除外するための分析も実施したが、その場合も、身体的な活動と全てのタイプの認知症の発症リスクには相関関係が確認された。
結果をまとめた論文の筆頭著者であるスウェーデン、ヨーテボリ大学の医師は、これらの結果が示すのは、中年期における活動が、認知症の予防に役割を果たす可能性があるということだと指摘する。
一方、この研究結果については、いくつか注意すべき点もある。まず、調査対象者が全て(スウェーデン人の)女性であり、一般集団から同じ結果が得られるとは限らないということだ。
また、参加者の活動レベルは自己申告であり、臨床的に評価されたものではない。調査対象としたグループは(少なくとも自己申告に基づいてみれば)、身体的に「非常に」活発だった。
800人の女性のうち約80%が活発なグループに分類されていたことから、この研究と全人口を対象とした研究の結果は、異なるものになることが推測できる(身体的に「活動的」だったグループと「非活動的」だったグループのそれぞれで認知症を発症した人の数に大差はなかったが、統計的には有意な差だった)。
このようなタイプの研究が全てそうであるように、今回の結果が示すのは相関関係であり、因果関係ではない。ただ、認知症と活動量に関する過去の研究結果はいずれも、同様の相関関係を示している。
中年期に身体的にも精神的にも活動的であることは、認知症の治療方法ではない。だが、発症リスクを低減させる上での潜在的な重要性は、ますます高まっていると考えられる。
-Forbes JAPAN David DiSalvo 2019/04/09 15:00 より一部抜粋-
外国の人は日本人とは習慣も文化も違う(そこは同じかどうか考えないとね)
(意識はしたい)