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【内容情報】(「BOOK」データベースより)
家族をもたず、信じることを知らない少年イオンの孤独な魂はどこへ行くのか-。
久しぶりに、桐野さんの新しい本を見つけたので借りてきました。
コミックみたいな挿絵で、ちょっと、普段の桐野さんとは違った感じ。
スカイエマって方の絵ですね。
この話にとっても合ってて、いい感じです。
読売新聞の土曜朝刊に連載されていたらしいですが、うちは読売じゃないので全く知らず。
ちょっと未来都市的な感じなんでしょうか。
荒廃した東京の街中に住むホームレスや、地下の世界に生きるアンダーグラウンド組。
生まれた頃の記憶を持たず、誰にも束縛されない、自由を求めて暮らす少年イオン。
唯一、彼に興味を持ち、「ストリートチルドレンを助ける会」というNGOに属する、モガミという青年。
自分の「きょうだい」であったはずの、「鉄」と「銅」という双子の兄弟を追い求め、地上の世界から地下の闇の世界へと足を踏み入れたイオン。
読み続けている間は、良くある、「AKIRA」とか、「鉄コン筋クリート」のような世界なのかと思っていましたが、最後の最後に、深く考えさせられるというか・・・。
やっぱり桐野さんだな・・と思える話でした。
そして、本って、小説って、読んでいる側で、幾通りにも内容が変わっていくものなんだなって、改めて感じてしまった私。
小説家って、そこに軸を置いてしまうと、結構つらいっていうか、自分の話を読んで、それぞれに違うものを感じている人たちがいるって思うと、重くて書けなくなっちゃうなって、そう感じたりしたりして。
難しいですね・・・。
最後は、泣いちゃいました。
色々な感情が渦巻いて、どうして?って感じの涙でした。