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今日はドキュメンタリーを見た。「全身小説家」。
作家井上光晴を追いかける。井上の自伝をもとに 人生をたどり現在の井上のガンから生をみつめる。 面白かった。ドキュメンタリーなのに嘘なのだ。 というのも井上本人が「嘘」の自伝をだし、「嘘」 過去をしゃべるのだ。NHKで放送した井上の講演 のシーンも出てくるのだが、それも「嘘」であると 判明する。満州で生まれた。父が満州で逃げた。などなど 自分で過去をつくっているのだ。それが途中でわかってくる。 事実はガンだけである。しかし、医者は拡大していくガンを 「前とかわらずそのままの大きさですよ」と嘘をつき、 見舞いにくるひとはやせてる井上に「太りましたね。元気そうで」 と嘘をつく。井上は「嘘」に生き、「嘘」に生かされていく。 まさに「全身小説家」。人生にフィクションを持って生きていく のも大変な精神力を必要とすると、嘘のつけない僕が思った。 これが嘘か。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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