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sinokの【私情まみれの映画考察】

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May 14, 2011
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カテゴリ:映画「さ」行
『英国王のスピーチ』が国王誕生の物語なら、こちらはエクソシスト誕生物語。
ホラーを期待すると肩すかしをくらう。
いや期待したとて仕方がない。あの宣伝ポスターのアンソニー・ホプキンズ様は『羊たちの沈黙』のレクター博士の再来のようだったから。
まさか私もあんなにホラー色が薄いとは思わなかった!

ホラーなシーンがないわけではない。
悪魔に取り付かれた少女の様子や、主人公マイケルを襲う怪奇現象などあるのはあるが、『エクソシスト』的ショックは皆無。
怖いというよりなんだか不気味、生理的恐怖より・・・うーん、やはり神学的恐怖なのでしょうか?
キリスト教が文化の基盤にない日本人からすれば、この映画の怖さの本質を感じることは『エミリー・ローズ』同様難しいし。
でもムードは映画のロケーションの美しさもあって、これも大好きな『悪霊喰い』を彷彿させる映画でした。

まあいずれにせよ、ポイントは恐怖にはないからどうでもいいこと。
この映画のストーリーの骨格は神学生マイケルが自分自身を獲得することだから。
それがたまたま、この映画では神を信じることであり、神父に、ひいてはエクソシストになることだったというだけ。
思い返せば悪魔祓いのシーンで感動するなんて初めてでしたね。
マイケルが神を信じる(自分を信じる)に至るあの悪魔祓いは素晴らしかった。
自分自身を獲得する瞬間の、なんと強くて美しいことか!!

この主役を演じたコリン・オドノヒューの顔つきが実に見事で、懐疑的でありながら誠実な青年という設定を見事に体現していました。
しかも目アカがついてない無名役者を持ってきたのは映画的に大当たりで、アンソニー・ホプキンズ御大と無名役者という関係が、超ベテランエクソシストと懐疑的神学生という映画上の関係に見事反映されていて、コリン演じるマイケルが御大演じるルーカス神父相手に右往左往したりするところはまるで素のようで微笑ましい。
ルーカス神父が悪魔祓いの最中に電話のために中座してしまい、「ちょっと代わってくれ」と言われたマイケルがあわあわするシーンが大好き(笑)
きっとコリンも御大のかける言葉一つに撮影現場であわあわすることもあったでしょう。
あわあわはいいとして(笑)、コリン・オドノヒューは結構拾い物の役者だと思うんですが、このテの正統派の顔つきって最近はあまり日本でブレイクしないような気がする。
似た雰囲気ではジム・カヴィーセルとか好きなんだけど、ここ数年見ない気がする。
クリスチャン・ベールも似た部類だけど、あれはもはや憑依役者だからねえ、ちょっと別格。
がんばれ、コリン!

アンソニー・ホピキンズ様には称賛の言葉しかない。
もう完全にエクソシストの世界に入ってしまい、憑依されたあとは悪魔そのものでした。
裸足でヴァチカンの街を見下ろしてるところとか、鏡でひげ剃ってるシーンとか・・・。
ああいうふっと自失したような瞬間が、最高級の豆腐を奴で頂いているような味わい!!
あれはもう、完全に役にイっちゃってます、演技力がありすぎです。
特殊メイクで顔が隠れちゃった『ウルフマン』より、こちらの悪魔憑きシーンは特殊メイク最小限だったので、十二分に堪能できました
このルーカス神父はお気に入りになってしまいそう。
もちろんレクター博士が一番だけど地味なところで『タイタス』も好きです(誰も聞いてないって)。
あ、でも『日の名残り』もロマンティックで大好き(だから誰も聞いてないってば)。

ともあれ、私的には今年の大ヒット作です。
ううむ、やはりミカエル・ハフストローム監督の『1408号室』は観るべきだったか!





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最終更新日  May 15, 2011 03:50:44 PM
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