2009/08/12(水)23:40
イニシエーション・ラブ
イニシエーション・ラブ
最近、新書を離れて幅広く読むようにしている。
最近のミステリーとか純?文学にはうといので、
もっぱら書店に行って、店員のおすすめとか、
○○大賞受賞とか、○○部突破とか、
そんな宣伝文句を頼りに選んでいる。
もともと乱読傾向にあるので、
手当たり次第に読んでいくうちに、
自分の好みなり嗜好がわかってきて、
いずれ特定のジャンルとか、特定の作家に
絞られて、またそればかり読むようになる。
しばらくすると飽きてきて…そんな繰り返し。
となるのは目に見えている。
でも今は、初期段階。
読むものどれもこれも面白い。
…と言いたいのだが、
実はそうでもない。
伊坂幸太郎の「終末のフール」を読んだ。
…なぜ評価されるのかわからない。
「重力ピエロ」がいまいちだったので、
今度こそと期待したのだが…
…そのうちコメントします。
乾くるみの「イニシエーション・ラブ」を読んだ。
書店のポップに
「一度読むと純愛小説。二度目に読むとミステリー小説」
と書いてあって、最後の2行でまったく違った物語に
変貌するそうだ。
痛快ではないか。
思い出すのは映画「シックスセンス」
主人公は実は○○でいた。というオチでした。
そう聞いて、もう一度観て、
あーあの違和感はこういうことだったんだと
納得した覚えがある。
その記憶があったから、
愛した彼女は実は双子だったとか、
妹だったとか、未成年だったとか、
奇をてらって動物だったとか、
…騙されないよ、僕は。
と気合を入れて読んだのだけれども、
そして、最後の二行に到達したとき、
…え
何が起こっているのか理解できない、
まるで小学生。そしてじわじわと伝わってくる恐ろしさ。
裏切ったのは彼ではなかったんだ…。
女の子のしたたかさといったら。
あとがきを読み、
ネットで書評を読み、
あーちょっとだけ感じた違和感は本物だったんだと
自分に言い訳をする。
そして再読。
完全に術中にはまりました。
参りました。
途中で気づくポイントはいくつもあるのにね。
でも、やっぱりある種の女の子はしたたかだ。
女性でないとここまで書けないよ、
と思いつつ、検索していると…
…乾くるみって
男性なんだって。