カテゴリ:美術
言わずと知れた名品『燕子花図』。 「国宝」の基準って良く分かりませんが、この作品が圧倒的な訴求力を持った作品である、ということには賛成です。 日本文化を、絵画芸術の面から紹介するとなると、琳派、浮世絵、水墨画は外せないでしょう。 浮世絵の特徴を構図に求めるならば、琳派の特徴はデザイン性にあります。 そのデザイン性の行きついた表現とも言えるのが、この『燕子花図』。 ぼってりとした一面の金をバックに、リズミカルに並ぶ燕子花。 葉は青々と瑞々しく、花は端麗に咲き誇る。 ただ無造作に燕子花を並べただけに見えるのに、何とも言えず美しい。 …いやはや、これ以上言葉を重ねても、野暮に成り下がるばかり。 今回の展覧会に出品された、他の作品に触れるとしましょう。 ------------------------------------------------- 今回、一番印象に残ったのは、七福神を描いた2作。 簡単な描線で表現された、何とも言えない福々しい笑顔が、こちらの微笑を誘います。 なんか、漫画みたい。 また、今回は草花の図が充実していました。 どれも丁寧で、見ごたえがありますが、目を引くのは、着物に描かれた草花図。 とても端整で、溜息が出そうなくらい色合いも上品。 ------------------------------------------------- 常設サイドで気になったのは、何と言っても、「蟹の蓋置」ですね。 すごいですよ。今にも柄杓を載せたまま歩き出しそう。 …しかし、こんなの、どうやって扱うんだろう。 てか、何と合わせれば良いのかしら? そんなことを考えて楽しめるようになったのも、お茶を始めたおかげですね。 ------------------------------------------------- で、庭ではお茶会が(いや、参加はしないですよ)。 この庭、本当に広くて、いつ来ても迷子になりそう。 散策していたら、水面に浮かぶ舟発見。 小屋造りになっているってことは、あれもお茶室? どなたも使ってらっしゃいませんでしたが…風流だなぁ。 これで、もうちょっと晴れていてくれればねぇ。 なお良かったのですが。 ------------------------------------------------- 前期・後期に分かれています。 後期には、八橋蒔絵硯箱も出品されるそうですので、そちらの方が良いかも。 岡本太郎記念館、スパイラル・ホール(展示替中でした、残念。)、ブルース・ウェバー展も近所です。 『特別展 国宝 燕子花図』 - 光琳 元禄の偉才 - @根津美術館(表参道) [前期]2005.10/08(土)~10/23(日) [後期]2005.10/25(火)~11/06(日) 作者:尾形光琳(1658-1716) ◆◇◆◇◆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 22, 2005 01:41:17 PM
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