2006/09/25(月)17:12
【デポジット・システム2】日本の学園祭に見るゴミ減少作戦
さて、村のお祭りでのデポジット制度の話を受けて余談です。
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日本では、そろそろ学園祭シーズン。
私が学生だった頃の昔話ですが、当時、環境系サークルの中では、学園祭で使用される容器-ゴミの減少対策について、いくつかの流れがありました。
・デポジット方式
・洗い皿方式
・エコ容器使用
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デポジットは説明した通り。
洗い皿は、再利用可能なお皿を洗って再利用する方式で、エコ容器は、環境負荷の低い容器を使用し、きちんと分別回収する、というのが基本の方式になります。
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現在、他の大学の事情は知りませんが、東京大学では、エコ容器方式が主流で、学園祭実行委員会の環境部門が、環境サークルのメンバーと組んで(という言い方で良いのかな?)、ゴミの分別回収を徹底、指導する、ということをやっています。
また、面白いところでは、最初から、食べられるものを容器代わりに使って、ゴミを出させない、なんて工夫をしているところもあります。
昨年の駒場祭レポートはこちら。
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昔話を続けると、当時、面白いことを仕掛けたのが、慶応大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の環境サークル。
ここではなんと、上記の3方式を全部行っていました。
洗い皿方式に至っては、出展者(屋台)がお皿を洗う、のではなく、なんと、食べた人に洗ってもらう、というシステム。
この洗い皿がデポジットとなっていました。
そして、エコ容器も、デンプンで出来た生分解性のものを使い、SFCの山中に埋める、という徹底振り。
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洗い皿の容器は生協から借りていたため、枚数のチェックや、洗浄の確認など(というか、その前に借りる交渉もあったわけですし)、洗浄場所の確保と案内、また、デポジットという制度を知らない来場者、容器を洗うことに不満を言う来場者などもいて、大変だったそうです。
しかし、それも折込済み。
何より、来場者に、環境問題を考えるきっかけをもってもらう、というのが、この大プロジェクトの目的でした。
東京農工大学でも、この洗い皿方式を実施したことがあります。
今では、水への環境負荷や、洗い場所の確保などの関係で、あまりやっている大学は少ないかな、と思いますが。
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さて。
というわけで、これからの学園祭シーズン。
ゴミの分別や軽減など、大学の学園祭も、昔よりずっと「エコ」になってきています。
その裏には、各大学の環境サークルや実行委員会の、我々の目には見えない努力が、それを可能としてきました。
そんな、各大学の環境への取り組みと努力にも目を向けていただければ、学園祭の違った一面が見えてくると思います。
ちなみに2006年の駒場祭は…いつだっけ?