カテゴリ:映画
私の曽祖父は、九州の出身で、三菱の技術者として神戸に出てきたらしい。 祖父は、その血を受け継いで、神戸の専門高校に学び、設計の図面を引いていた。 私は小さい頃、祖父の部屋で、青い紙に転写された設計図や、計算尺を見せてもらった覚えがある。 その祖父は、陸軍に召集され、東南アジアで飛行機の整備をしていたそうだ。 祖父は、映画の主人公みたいな、伝説の設計士ではもちろんないが、技術者としての主人公の振る舞いが、なんとなしに祖父とダブり、しみじみとさせられる映画だった。 友人が、建築士の勉強をする中で、それぞれの柱の意味や配置の意味を考えてしまう、どの建物も、様々な思想があって、建築図面が引かれて建物が建てられていると思うと感慨深い、という話をしていた。 建築物だけではなく、自動車でも、飛行機でも、それを作るための工作機械でも、全体の図面があるだけでなく、そのネジ一つから、図面があって、それを作る人がいて、組み立てる人がいて、その積み重ねで製品が出来ているのだと考えると、製造業の緻密さ、凄さに改めて感動を覚える。 映画は、技術者としての話だけでなく、恋愛や、当時の世相など、様々な側面を持ち、幻想と現実が交錯しながら進んでいくのだが、私の中では、なんとなく「おじいちゃんの物語」であった。 ちょうどお盆の時期に観たので、祖母にそんな話をして、仏前に手を合わせて祖父に「報告」した。 良いお盆を過ごせた気がした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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