カテゴリ:読書
もこもこもこ 谷川俊太郎作/元永定正絵 この作品は、説明も何もなく、全編オノマトペ(音言葉)だけで書かれています。 ---------- 何もない大地から、「何か」が生まれ成長し、別の「何か」を食べてしまいます。 そして食べたことからさらに別の「何か」が生まれ、成長し、すべてがはじけ飛びます。 元の静かな大地に戻ったところで、再び「何か」が生まれ、物語は永遠のループを暗示して幕を閉じます。 ---------- 嗚呼。 こうやって「あらすじ」を書いてみれば、「言葉」のなんと不自由なことよ。 この物語を、谷川先生は、「音」だけで綴るのです。 改めて、先生は本当に天才なのだな、と思います。 そして、この物語を彩るのは、元永先生の絵。 これがまた、豊かで見事な色彩で、「音」を「絵」に昇華しているのです。 読む度に、年齢に応じて、物語の見え方、楽しみ方が違ってくるのも面白いところ。 本当に奇跡的な作品と言って良いと思います。 ========== ちなみに、母が読み聞かせ教室(講師は永田萌さんと黒井健さん!)で聞いてきたのですが、この題名、「もこっもこもこ」と読む方が良いよ、と。 題名を見ると、確かに、最初の「こ」の字がはねています。 なるほど、と納得しました。 ========== 大人はどうしても「意味」を考えてしまいますが、そうではなく絵を見て「感じる」、という、現代美術の鑑賞にもつながる、何か根源的な楽しみを与えてくれる名作です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 11, 2013 01:52:06 AM
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