MORITA in Cyberland

伊勢参拝。

先日、伊勢へ参拝旅行に行ってきました。初日は二見興玉神社に参拝。先日、神社は、自分の私利私欲をお願いするところではなく、他人の幸せを願う場所なのだ、と教わりましたが、あわせて、今の幸せへの感謝を申し述べる場所でもあります。----------なので。これまでの様々な「出会い」に感謝。妻との出会いに感謝。夫婦円満に感謝。素晴らしい子宝を授かったことに感謝。子らの健やかな成長に感謝。----------そして。友人たちの「良縁」を祈願。==========翌日は、伊勢の内宮へ。何より、人の多さにびっくり。前回来たときは、もっと静かで、凛としていて、森閑とした中、神々しさを感じつつ、参拝させて頂いた覚えがあるのですが…。それでも、ほとんどの方が正装され、きちんと鳥居の前で一礼しながら、整然と参拝していく様は、見ていて気持ち良いものがありました。日本国民の総氏神でもある伊勢神宮では、今、こうして、ここにあることに感謝。----------駐車場への帰りは、人通りの多い「おはらい町通り」「おかげ横丁」を避け、五十鈴川沿いをのんびり散策。最初に来た時は、両親に連れられて家族で。次には、小学校の修学旅行で。その次は、大学時代の友人たちと。そして今回は、自分の妻子と。人生の節目節目に、こうして参拝させて頂けるのは、本当に有難いことなのだと思います。さて、次に参拝するのは、いつになるのやら。

友をたずねて…

行って参りました、シンガポール。7/19　夕方の到着。さっそく夕食にチキンライスを御馳走になり、7/20　町の中心にある、国立博物館、アートセンターを見学後、　セントーサ島へと渡り、アンダーシーワールド、イルカライブ、　巨大マーライオン、ソングオブザシーなどを見て回り、　　7/21　バードパーク、サイエンスセンター、動物園を回って、　友人一家とナイトサファリで合流して夜を楽しみ、　　7/22　友人の休みの日なので、一緒にドリアンを食べに行き、　マーライオンはじめ、市内観光散策。　夕食をご家族の皆さんとご一緒して、夜の便に搭乗、翌朝日本着。　　今回は往復の航空券だけで、彼のお宅に3泊。いろいろと話も聞かせて頂き、久々の海外、楽しいだけでなく、有意義な滞在となりました。==========今回、何よりだったのは、友人のご家族が皆さんそろってお元気だったこと。それにしても、特に子育ての環境を見るに、なんと恵まれた生活なのだろうと羨ましく思いました、もちろん、彼女の健やかな成長は、お二人によるわけですが、話を聞いて感心したのは、ワーク・ライフバランスの中で、パパが子どもに接する時間を十分とれていること。そして、幼稚園における、異文化との接触体験。中国語や英語に触れる、そういう異文化が当たり前にあることを体験できること、さらに、シンガポールを拠点として、様々な異国へ安く足を伸ばせる、シンガポールがハブ空港を持ち、国際的な港湾都市でもあるが故の利点ですが、これも素晴らしく魅力的です。----------例えば、オバマ大統領の人間的魅力は、様々な文化体験により培われた、と言えるでしょう。多様な文化背景を持つ他人と接触し、本を読み、体験を積み重ねる、それを自らの糧にすることが、人間としての幅を広げることにつながります。幼い頃に、異文化同士が接し、成長していく現場に身を置く体験は、彼女にとって、とても大きなものをもたらしてくれることでしょう。人懐っこく、素直で可愛らしい女の子でしたけど、ご両親とも、人当たり良く、本当の意味で頭の良い方々ですから、ますますのびのびと育っていかれることでしょう。今後の成長が楽しみです。----------そして、我々世代としては、こういう子供たちの成長の芽を摘むことなく伸ばしていける、そういう世の中にする義務があります。治安の問題もそう、教育の問題もそうですし、環境の問題、戦争の問題、日本という国は、彼女が大きくなった時に、魅力ある国でありえるのか、そうであって欲しいとは思いますけれど…。==========様々な文化が共存・競合していることによって享受できる、美味しくて安い食べ物を頂きながら、そんなことを思ったりしたのでした。　　　　

【ラストチャンス！】「姫路城」四季折々

姫路城が「平成の大修理」に入るというお話は、皆様ご存知かと思います。今日、姫路で、この詳しい情報を頂いてきました。-----工期は平成21年秋から5年間を予定。とは言え、平成22年の3月までは、外観はそのまま、天守閣の見学も影響はないそうです。-----しかし、年が明ければ、平成21年。次の1年間が、四季の好きな時に姫路城を見ることが出来る、最後のチャンスとも言えます。-----私にとって、平成20年は、お正月に、初日の出に照らされる姫路城を見たことから始まって、姫路市立美術館のボランティアに登録したことで、ほぼ毎月の姫路行きとなりました。今回は、この一年で撮った写真を紹介。=====お正月の空気は特別で、初日の出のオレンジ色の光に照り映える白鷺城の姿は、夕日が映すのとは違う、荘厳な空気をまといます。 =====そして、春。姫路城は、絶好のお花見スポットでもあります。 淡く色づいた桜越しに眺める真っ白な城の姿の美しさ。=====夏。お城は、濃い緑に囲まれ、濃い青空の下、白が映える季節を迎えます。とは言え、僕が行ったのが、雨の日ばかりだったため、良い写真がないのが残念。=====秋。真っ赤に色づいた桜の葉。赤く黄色く燃える木々。　　姫路城も美しいですけど、姫路には、書写山という紅葉スポットもあり、あわせて行くとより紅葉を楽しめるでしょう。※書写山：http://www.shosha.or.jp/=====そして、お城の隣に作られた日本庭園「好古園」も、10周年を過ぎて、木々も育ち、落ち着いた風情をかもしています。※好古園：http://www.city.himeji.lg.jp/koukoen/-----もちろん、駅からそぞろ歩く「みゆき通り」も楽しいですし、駅からは、100円で乗れるレトロ調のループバスも出ていて便利。※ループバス：http://www.shinkibus.co.jp/roopbus/roopbus.html-----また、最近では、おろし生姜醤油であっさり食べる「姫路おでん」や「カレー鍋」など、姫路発祥のB級グルメも有名です。-----さて、いつ姫路に来るか、予定は決まりましたか？お声をかけて頂ければ、出来る限りのご案内はさせて頂きますので、是非、この機会に、姫路へ！！お待ち申し上げております。※姫路観光協会：http://himeji-kanko.jp/

buttHERR@Daikanboh Nature Park

金沢－東京への旅行を企画していた時、コペンハーゲンのユースで出会ったゆうや君が、富山に来て、と言っていたことを思い出し、電話しました。「この週に、金沢まで行って、富山にも寄る予定なんだけど、予定空いてない？」「その週ですか？…土曜日の夜って大丈夫ですかね？その日に音楽イベントをやるんですけど」「を？OKですよ♪」というわけで、大観峯山自然公園へ！=====山上のキャンプ場にある、お茶屋さん併設のあずま屋が、イベント会場。タイル敷、石のテーブル/チェアという、デザインは良いものの、少々無骨だった空間は、機材がセットされ、ソファが持ち込まれ、ティーライトがセットされて、違う空間へと窯変していきます。いや、まぁ、つまり、中途半端に早く着いたので、セッティングを手伝ってたわけですね。-----日が落ちて、ティーライトの火が会場を照らすと、そこは見事な会場に変貌。　　三々五々の集まりに、最初はやきもきしましたが、時間が経つに従って、会場は人でいっぱいに。小雨がちらつく、そんな天気でしたが、会場には優に100人以上が集まって、大盛り上がり。いや、すごい！何度か言っているように、私は「音楽は苦手」なのですが、ノリの良い選曲と、繋ぎのセンスには脱帽。パーカッションの持ち込みもあり、楽しい一夜になりました。　　-----それにしても、こういうイベントって、屋内－地下にあるクラブやハウスとかでやるイメージでしたけど、こういう大自然の中でって気持ち良い。どんな大音量でも「近所の迷惑」なんて考えなくて良いですし、（まぁ、森の動物たちには迷惑だったかもしれませんが）なにより開放的で、空気も良くて、雰囲気も抜群。もし晴れていれば、星空も夜景も、さぞかし綺麗だったんだろうなぁ。=====DJやお客さんに、外国の方も来ていて、彼ら彼女らとの会話も楽しい♪もちろん、富山の人もとってもご機嫌で、面白いったらありゃしない。と言いつつ、途中で疲れてソファーでこっそり寝ていたのは…歳のせいかも。-----翌朝、大盛況に終わったイベントの片付けの手伝いをして、だらだらと時間を過ごし、みんなでお昼を食べに。いや、富山のお寿司、美味しかったです。-----それにしても、これだけのイベントを仕掛けて、これだけの人を集められるってすごいなぁ。いやはや、私も頑張らないと。=====夜行の便で東京に向かう心算だったのですが、新潟地震の影響で、夜行が休止中とのこと。-----…そっか。今回の旅行では、特にボランティアとかは考えてませんでしたけど、出雲崎や巻町には、学生時代に足を伸ばしたことがあるんですよね。一日も早い復興をお祈りすることしか出来ませんけど。-----そのため、窓口のお姉さんと相談して、急遽予定を変更し、18時の便で出発し、長野で一泊することに。我ながらフレキシブルだ。出発直前、これもコペンハーゲンで知り合った、あぴさんと数分だけでしたが、駅で会うことが出来ました。元気そうで、なにより♪しかし、慌しい感じになってしまったのが残念です。=====富山には、新都市交通システムの視察、という目的もあったのですが、そちらはちっとも果たせず（笑）（言い訳に写真を撮ってみました）宿題を残してしまったわけですから仕方ない。また近いうちに必ず足を伸ばすとしましょう♪=====(以下、mixiの紹介より抜粋転載)【buttHERR】富山県で開催されるレイブ「buttherr」　デコレートされたキャンドルに囲まれ、弾かれるサウンド 様々な色に染められ、響くビーツ 4本のタバコと、キャンドルに込める願いをポケットに詰め、お越しください electronica,dub,trans progressive,house.... 　 海外からのDJを交えての野外ミュージックイベント。 DATE： 2007/07/21(SAT) OPEN： 20:00 START： 21:00 ADMISSION： \1,000 PLACE :富山県　大観峰自然公園 　※雨天決行 PROFILE OF DJs -G- (from napoli,italy) 　イタリア・ナポリを拠点とし活動する、イタリアンDJ。 　2006年、友人Fと共にElectro unit 「Herr styler」を結成。　地元ナポリを中心として活動し、彼独自のBlue French House, Pink Electro,Black beatsは地元でも定評がある。 　check out his sounds →http://www.myspace.com/herrstyler -2838- 　ダビーでミニマル、ストイック&先鋭的4つ打ちを軸に、　非日常的なサウンドを追求する。 　またポストロック、エレクトロニカ、フリージャズなどさまざまな実験的音楽に影響され、　DJでは唯一無ニな独自の世界観を模索し続けている。 -SAWASAKI- 　多数のトップアーテストとも共演し、北陸のみならず都心でもプレイするなど　DJ活動の幅を広げながら楽曲制作も行なっている。 -MITSURU- -MAD SHADOW CREW- -TAIKI- -HIDEKI- -JET- SOUND SYSTEM -SLOW BACK SOUND CREATE-

【金沢逍遥4】～藩老本多蔵品館・成巽閣～

21世紀美術館から、石浦神社の横を抜けていくと、「美術の小道」に出ます。緑生い茂るこの道を上がった所が、藩老本多蔵品館。石川県立伝統産業工芸館に入る時に、「兼六園周辺文化施設鑑賞パスポート」（600円）を買ったので、これも入れるわけです。いろいろお得なチケットがあって迷います、金沢。このチケットも、5施設まわれて、しかも1週間有効ですからね。=====さて、藩老本多蔵品館ですが、武具馬具、調度、装束と、様々なものを見ることが出来ます。-----何と言っても、目を惹くのは、「日の丸馬験(うまじるし)」。日の丸をあしらった巨大扇子の形をしていて、とにかく大きい。本多の初代が大阪の陣で用いたものだそうです。それが大切に残されているのもすごい。-----「村雨の壷」別名「五万石の壷」は、本多の初代が、五万石の加増を固辞した折、その代わりにと拝領した茶壷だそうで、これも大きい。ルソンの壷、というからには、伝来物で、本来は水瓶か何かなのでしょうが、価値あるものとして尊ばれてきたという事実そのものが尊い。-----他にもすごいもの、紹介したいものはあるのですが、面白かったのは、火事装束。いわゆる火事装束、なのですが、面白いのは、奥方用のものも用意されていたこと。火事装束の婦人用なんて、初めて見ました。これが、あでやかで、上品で、とても綺麗。こういうセンスがなぁ。さすが加賀百万石。-----意外と、というと失礼ですけど、見て面白いものが多くて、楽しめました。もうちょっと武具とかの知識があれば、もっと楽しいのでしょうねぇ。=====さて、成巽閣です。成巽閣は、江戸末期（1863）に、前田家13代が、御母堂のために造営された御殿。なので、建物としては、比較的新しいものになります。正面は金沢神社の方になるようですが、兼六園からも通じており、どちらからでも見学は可能です。今回は、正面からお邪魔。-----推奨順路に従って、各部屋を回ります。これが書かれた紙にも記されていますが、部屋や廊下で見るべきは、障子の腰板。障子の下の木の部分です。ここに様々な絵が描かれていて、それぞれの部屋の名称のもとになっています。こういう日本家屋で見るべきは、襖絵や庭を除けば、天井、梁、欄間、床柱、釘隠、あたりでしょうね。というか、そういうところを注意して見るようになりました。特に、成巽閣の2階天井は、それぞれの部屋で凝っていて、「網代の間」「越中の間」の天井なんて、これだけの手がかかっているものを見ないのは損です。-----「謁見の間」は豪華絢爛。ヨーロッパの宮殿にも劣らない、贅沢な意匠と工芸。あまりにも贅沢すぎて、私みたいな「庶民」には落ち着けないですけどね（苦笑）-----庭園は、「つくしの縁庭園」と「万年青（おもと）の縁庭園」の2つあり、この静と動の対比が面白い。庭園を横切る水は、同じ流れなのですが、「つくしの縁庭園」では、音もなく静かに流れるように、「万年青の縁庭園」では、せせらぎの音が聞こえるように、工夫されています。それぞれ、居間と寝室に面しての庭。居間には邪魔な音が入らないように、寝室にはせせらぎの音が聞こえるようにとのこと。庭園の造りも、流れに合わせて、静と動、対比的。　建物内部の写真はNGなのですが、お庭はOKということだったので、写真を撮らせて頂きました。-----夏衣裳の展示や、人形の展示もあったのですが、これについては今回は割愛。=====さて、もう富山に発たねばなりません。1日目：　近江町市場→黒門緑地（旧高峰邸）→金沢城公園→兼六園　→石川県立伝統産業工芸館→21世紀美術館1/21世紀美術館22日目：　21世紀美術館3→藩老本多蔵品館→歴史博物館（『白山』展）→成巽閣-----結局、楽しみにしていた町屋歩きも出来ませんでしたが、これは宿題に取っておきましょう。また、近いうちに訪れる日を楽しみに。

【金沢逍遥3】～兼六園・石川県立伝統産業工芸館～

いよいよ、兼六園へと参ります。雨が降ったり止んだりなのですけど…。ま、これもまた風情があって良しでしょう。雨など降るもをかし、です。-----やたらシンプルな噴水があるなぁ、と思ったら、「日本最古」となっていたり、竜の顔にしか見えない「竜石」、琴柱灯籠（※漢字は違います）、栄螺（さざえ）山とか、広いのに見所が点在していて、飽きません。　　　　-----庭園のリズム感が、本郷の三四郎池周辺と似ている気がするのは、同じ前田家のものだ、という「知識」がある故かな…。ま、三四郎池周辺は、「日本庭園」として整備されているわけではないので、鬱蒼としていますけど。-----去年、水戸の偕楽園、岡山の後楽園とめぐっていたので、「日本三大名園」の3つ目だったわけですが、庭園としての居心地の良さは、兼六園が、一番私の性にあってるなぁ、と。=====兼六園から入れる、石川県立伝統産業工芸館を訪れました。えっと、何と言いますか、自分の語彙のなさに哀しみを覚えるのですが、本当に溜息が出るような名品ばかり。-----加賀友禅に能登上布。加賀繍（かがぬい）、紬（つむぎ）に、和紙、象嵌。九谷に輪島、漆器に茶道具。楽器に釣具、提灯、おもちゃ。-----水引細工なんて、何がどうなっているのかさえ分かりません。どれも贅をこらしながら、上品さを失わず、正直、私のような「庶民」には手を出せそうにもありません。だって、水引ですよ。それで、なんで鶴とか甲冑とかの細工が出来るかな？-----日本の「職人」さんのレベルって、本当にすごいです。いや、日本に限らず、「プロ」って本来そういうものなのですが。マイセンとか、溜息つく以外、出来なかったですし、ワインのマイスターの話とか、感動するもんなぁ。=====企画展示室は「若手職人の手わざ展」をやっていて、私と同世代とか、私より若い作家さんたちが、伝統工芸の技術を受け継ぎつつ、新しい表現、作品に挑戦していて、しかも、そのレベルが非常に高くて、見ていて爽やかな気分になりました。新しい伝統って、こうやって生み出されていくのですね。=====うーん。さてと、良い時間になりました。思ったよりも、金沢城公園で時間を過ごしちゃったなぁ。時間の関係で、お土産屋さんも、お茶室も訪れられず。　　成巽閣は明日にするとして…次は、きっと、晴れた日に。いや、雪景色も、いつか見てみたいなぁ。

【金沢逍遥2】～金沢城公園～

金沢城址ではなく、金沢城公園が正式名称なのですね。失礼しました。「黒門前緑地」から黒門へ。湿生園を見ながら広場を抜けて、河北門へ。現在この一角は、復元工事中です。　　-----そして、五十間長屋へ。菱櫓も含めて、これは見事に再現されています。　　内部の展示も、非常に洗練されていて、各国語のパンフレットに加え、音声解説もあり、よく出来ています。-----私の後から来ていた二人連れの女の子たちが、繁体字の中国語のパンフレットを手にしていたので、『台湾の方ですか？』と中国語で声をかけたら、幾分不機嫌に『香港です』と中国語で返されました（中国語では「ホンコン」ではなく「シャンガン」）一瞬キョトンとしてたら、もう一人の女の子が、日本語で「香港です」…失礼しました。-----さてさて、櫓から見た景色も良かったですが、感動したのは、復元を再現した木組みの展示。　　この構造は、釘を一切使わず、木組みだけで造られているのですが、溜息が出るような、立体パズルです。どれだけの知恵と経験が、これだけのものを成り立たせているんだろうかと。そして、それを受け継ぎ、現代に甦らせた職人さん達の匠の技にも脱帽です。=====伝統を受け継ぐためにも、こういう再建プロジェクトは重要です。-----しかし、政策上の必要があったとはいえ、明治政府がもう少し、日本文化に理解のあるものであったら、という思いは、国内を旅するたびに思います。「廃仏毀釈」「神狩り」そして城郭の破壊。-----あの姫路城でさえ、一時は民間（個人）に競売され、解体して建築用資材として売られるところだったのです。解体費用がかかりすぎるため、断念されたのは幸いでした。（参照）-----「再現金沢城」HPより抜粋。明治維新後の廃藩置県の結果、城内は兵部省、後の陸軍省の管轄となり、不要な殿閣類はことごとく壊されました。連隊本部としてしばらく利用された二の丸御殿も失火から焼失し、この火災で、残された旧金沢城の建物の多くが焼失してしまいました。-----潰してしまったのものを復興させるには、莫大な費用とエネルギーが必要です。これは、環境問題でも同じこと。例えば、埋め立てられ、工業地帯と化された海を、もう一度本来の海に戻すことは出来ません。例えば、絶滅してしまった種を復活させ、もとの野山に放すことは出来ません。失ったものが、大切なものだったと気付いてからでは遅いのです。-----その意味で、私の中では、「環境問題」と「文化財保護」、「伝統文化の継承」は、同じカテゴリにあります。そして、「平和」も。=====文化財に指定されている、三十間長屋から、本丸跡を抜けて、鶴丸倉庫、鶴の丸広場へ。-----金沢城の天守閣は慶長年間（1602年）に落雷によって炎上・焼失したのですが、その後再建されることはなかったそうです。-----これは江戸城でも一緒で、江戸城の天守閣は、明暦の大火（1657年）で焼失した後、再建されることはありませんでした。プライオリタイズ（優先順位）として、機能性の低い天守閣の再建は行われなかった、ということですね。また、保科正之が江戸復興優先の方針を打ち出した、ということも理由なのだそうです。（wiki参照）質実剛健な時代だったのだなぁ、と思います。-----緊縮財政をうたいつつ、とんでもなく高価な議員宿舎を建てたりしているどこかの国の政治家先生とはえらい違いです。=====鶴の丸広場にある、パネル展示がされている休憩所でのんびりした後、石川門へ。ここの石組みが、左右で違うのは…写真では分からない、かな？　この門を抜ければ、いよいよ兼六園です。

【金沢逍遥1】～近江町市場・黒門緑地（旧高峰邸）～

お昼前に金沢に着いて、駅近くの宿にチェックイン。便利な場所なら どこでも良いや、で選んだ割には、雰囲気の良いホテルに宿泊と相成りました。 荷物を置かせて頂いて、街歩きへ出発。=====金沢駅から街の中心までは、ちと距離があります。しかし、このアクセスが充実。-----北陸鉄道さんの路線バスは、一日乗り放題のチケットを扱ってますし、金沢市交通政策課の「ふらっとバス」は、一回百円で、主要ポイントをめぐります。レトロな外観で、とってもキュート。この小型バスで、小道にも入っていく感じは、ローマの小型バスに似ています。-----これとは別に、北陸鉄道さんからは、ボンネットな外観の「城下町金沢周遊バス」もあります。-----そして、現在試験的に運行されているのが「まちバス」。　なんとこれ、NTT DoCoMoの協讃を受けて、無料で街の主要各所を回るのです。しかも、30分に一本の運行で、かなり便利。観光用と言うより、地元の方々のショッピングや食事、遊びのためのバスみたい。「金沢ショッピングライナー」との名前が付いてますし。期間限定のお試しバージョン（2007.6/30-8/26の土日祝）みたいですが、次来た時もあると良いなぁ。=====さてさて、まずは「ふらっとバス」に乗って近江町市場へ。朝市ってわけでもないし、金沢って、まぁ都会だし、「市」に期待してなかったのですが、いやいや。　　北陸の海の幸が、所狭しとずらり並んで、飛び交う活気のアツいこと。「子持アユの炭焼」を立ち喰い。鮎の香気が炭で引き立ち、パリっとした皮、ほっこりした身、卵の弾けるような食感、いや、美味しい。誰に何を感謝すれば良いんだろう？という気になります。いやはや、ごちそうさまでした。=====市場を抜けて、金沢城址を目指します。門の手前に「黒門前緑地」の看板が。解説を読むと、かって豪姫が賜った土地であり、明治以降検事の住居となり、高峰譲吉先生のお宅も移築されている、と。高峰先生！金沢の出身だったとは存じませんでした。あの中谷宇吉郎先生も（先生の記念館には、いつか是非訪れたいと思っています。)加賀市のご出身ですし。-----ちなみに、お二人とも日本を代表する偉大な科学者。高峰譲吉　wiki中谷宇吉郎　wiki-----検事さん宅にお邪魔して、庭園を拝見します。手入れが行き届いていて、気持ち良い。内装がまた美しい。ガラスに富士の絵が描いてあるの、見えますかねぇ？　　そしてこの天井。金唐革紙張というそうで、革張りを模した和紙に金唐模様を描いた、明治時代の輸出用高級壁紙で、日本にはほとんど残っていないのだそう。明治時代の輸出用工芸って、国の威信をかけたとんでもないものがあったりして驚きます。（この後、石川県立伝統産業工芸館にも行くのですが、それはまた、別の話。）-----高峰先生のお宅も、落ち着いた日本家屋で、こちらもほっとする空間でした。-----お客が私しかいなかったので、管理人のおばさんと、四方山話。金沢大学の医学部生で、「ここの居心地が良いから」と通って来る女の子がいるそうです。いや、その気持ち、分かる気がする。けど、変わってる、って言われちゃうんだろうなぁ、その子。私たちの世代って（現役大学生と「同世代」と呼んで良いかは別として）、既に、こういう「日本家屋」「日本庭園」なんかは「過去のもの」でありながら、「懐かしいもの」とも感じられる程度には目にしてましたから…。ちゃんとした日本家屋が残されない理由を、どこに求めるかは、難しい問題ですけど。しかし、こうやって、ちゃんと保存され、管理され、しかも無料で公開されているのは、本当にありがたい事です。=====うーん。なんて言うか、金沢って良いなぁ。さてさて、時間をくってしまいました。では、金沢城址に向かうとしますか。

夏の旅路 「序」

ちょいと早い夏休みを頂いて、18切符で旅に出ていました。金沢では、城址と兼六園を訪れ、21世紀美術館と「白山」展へ。富山では、コペンで知り合った友人が企画した音楽イベントに参加。急遽宿泊となった長野では、善光寺さんにお参り。奥多摩で、昨年のエコツアーメンバーと再会。新宿で高校来の友人と四方山話をして、高尾先生と六本木のアートシーンを堪能。-----一人だから、いろんな人と出会える一人だから、いろいろ感じられる一人だから、どこでも行けるそんな旅路。「月日は百代の過客にして、行かふ年もまた旅人也」なんて、カッコいいことは言えないけれど。=====2007.7/20-267/20 金沢　in 『我が文明：グレイソン・ペリ－展』＠金沢21世紀美術館　in 『いきいきプロジェクトin金沢』＠金沢21世紀美術館7/21 金沢＆富山　in 『白山展』＠石川県立歴史博物館　buttHERR ＠ 富山大観峰自然公園7/23 長野＆奥多摩　善光寺にて7/24 奥多摩　再会～自然の中で環境について考える7/25 六本木　in 『スキン＆ボーン展』＠国立新美術館　　in 『水と生きる』展＠サントリー美術館7/26 六本木　in 『ル・コルビュジエ展』＠森美術館=====順次アップ…のつもりですけど、先は長いなぁ。

高尾と愉快な中間達～番外編　那智ツアー