MSW目線で楽しむ映画の話④マーガレット・サッチャー鉄の女の涙(2011)
先日久しぶりに映画を見て考えさせられるシーンがありました今回見たのは2011年に公開された映画「マーガレット・サッチャー鉄の女の涙」ですイギリスで女性初の首相となった歴史的にも有名な女性ですが、「鉄の女」と学生の頃に覚えた記憶だけはあるのですが、実際の所何をしたかもよく覚えていませんでしたし当時は女性で初めての首相になると言う事の意味も、当時の男性社会の中で女性が首相になる大変さもその戦いの歴史も何もわかっていませんでした今回この映画をみて当時今から50年以上も前の時代(私の祖父母がまだ20~30代だった時代)に女性で政界に参加すること、そして首相にまで上り詰めるまでの葛藤や家族と仕事とのはざ間での軋轢など色々と気づかされる映画でしたこの映画自体もとても面白かったのですが、その中から特にMSW視点で気づきの多かったポイントを一つ紹介しますそれが主人公が既に政治家は引退して、家族からは認知症を疑われて心理士と思われる男性の所へ面接へ行く場面ですそこでサッチャーは心理士の男性から「あなたのお気持ちはいかがですか」と尋ねられますそれに対して「今はお気持ちと言うのね。でも大事なのは考え。考えは言葉となり、言葉は行動となり、行動は習慣となり、習慣は人格となり、人格は運命となる。父からの教えです」というセリフがあります気持ちと考えを明確に区別して答える場面ですが、私も実際のソーシャルワークの面接場面でよく「今のお気持ちはいかがですか」とこの心理士の男性と同様に聞くことが多いので、とても考えさせられるシーンでした確かに「気持ち」と「考え」は似て非なるもので、気持ちと言うとその場その場での自分の感じたことや感情を指すことが多いですが、考えと言われると自分自身のもっている確固とした意見、気持ちよりもより明確にその人を形成する核となる意見を指すことが多いと思います細かな話ではありますが、ソーシャルワーカーと言う対人の仕事においては、この言葉一つ一つのわずかなニュアンスを大事にする必要があると個人的には考えているので、こうした小さな一つ一つの違いを意識していくことが重要だと考えます神は細部に宿ると言いますが、偉人と呼ばれる人に名言が多いのもこうした細かな部分にまで気を遣って言葉を操っていたからこそ生まれるものだと思っていますマーガレット・サッチャー 鉄の女の涙是非一度皆さんもご覧になってみてはいかがでしょうか最期にリンクも貼っておくので興味のある方は見てみて下さいマーガレット・サッチャー 鉄の女の涙 [ メリル・ストリープ ]マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙【Blu-ray】 [ メリル・ストリープ ]