2010年4月に放送されたものの再放送です。
10年たって初めて見ましたが、面白かったです。
ストーリー
平城京遷都1300年にあたる2010年、大阪放送局では「聖徳太子」「大化改新」につづく古代史ドラマ第3弾「大仏開眼」を制作します。
8世紀、大仏建立を巨大エポックとするこの時代、大陸に派遣された遣唐使が伝えた思想と価値観は天平文化として華麗に花開き、「日本」という国家のかたちが出来上がりつつありました。しかしその裏では天皇を支える貴族間の政争、また税と飢餓に苦しむ民の姿がありました。混沌としたエネルギーに溢れたこの時代に、人々はどのような国を作り、また何のために巨大な盧舎那仏を作ろうとしていたのでしょうか。
ドラマでは唐から帰国して理想の国づくりに向かって思い、悩み、そして突き進んだ天才・吉備真備、大仏建立を命じた父・聖武帝の背中を見つめ続けてきた阿倍内親王(後の孝謙天皇)、そして二人の最大のライバルとして権勢を競い合った藤原仲麻呂の三人を軸にすえ、そこに生きた人々が繰り広げた愛と憎しみ、野望と挫折の人間模様をダイナミックに描き、日本人とは何かを問いかけます。
前編
唐でたぐいまれな学才を認められた遣唐使・吉備真備(吉岡秀隆)は、天平6年、17年ぶりに日本に帰国。平城京の宮中の席で、阿倍内親王(石原さとみ)と出会い、教育係に抜てきされる。737年、日本中を襲った天然痘で、それまで政治に大きな影響を及ぼしていた藤原の四兄弟が病死。藤原による反乱を恐れた聖武天皇(國村隼)は東国へ行幸し、その途中の寺で見た盧舎那仏に魅(み)せられる。
後編
聖武天皇(國村隼)は大仏造立への思いを募らせるが、吉備真備(吉岡秀隆)は国の疲弊を理由に反対する。一方、律令国家の復権をもくろむ藤原仲麻呂(髙橋克典)は、光明皇后(浅野温子)に取り入って絶大な権力を握り、真備を唐に追放する。平城京では、孝謙天皇(石原さとみ)が即位し、9年の歳月をかけて造られた大仏の開眼法要が行われる。翌年、真備は唐から奇跡の生還を果たす。764年、仲麻呂追討の火の手が上がる。
(MHK HP)
数分しか映りませんでしたが、テレビドラマにしては立派なセットです。
さすがNHKです。
名前しか知らない人たちのドラマですが、権力争いに翻弄される天皇、それを補佐する吉備真備と興味深かったです。
8世紀の日本の人口はたったの500万人。小国だったのですね、
コロナならぬ天然痘の流行も出てきます。
生臭坊主の玄昉役は、市川亀治郎(当時)でした。
草刈正雄や宮下順子、江波杏子も出ていますが、行基役の笈田ヨシがよかったです。
聖武天皇役の國村隼も好演でした。
天皇役は難しいですね。
こちらは、行基です。
冒頭、唐から律令を導入して30年になるがいまだ美しい国ならないと嘆く藤原仲麻呂に対して、
唐は100年かかりましたと答える真備。
終盤、理想に燃えていても権力を握ると私物化して腐敗してしまうと嘆く真備。
財政難なのに大仏建立~筋を通すことと人の気持ちとの葛藤。
など、
国家私物化のアベ政権が終わった今見ると興味深いです。
政権中枢が相次いで亡くなった天然痘は、やはりこわい病気だったのですね。
脚本は池端俊作で、当時は忖度しなくてもよかったのでしょう。
PS:
帚木蓬生の国銅を再読したくなります。